2016年度第1回から英検にCSEスコアが導入されました。
→CSEスコアについてはこちら:英検CSEスコア|英検|公益財団法人 日本英語検定協会
CSEスコア導入によって、今までは素点によって合格基準が定めれていたのが、CSEスコアによって合格基準が定められるようになりました。
(ちなみに素点とは、「テストで得られる生の点数」のことで、英検でいうと「CSEスコアに換算する前の正答数」、つまりは「1問1点としたときの点数」のことです。)
「CSEスコアなんてどうでもいいから、とにかく素点で何点とればいいか教えて!」という方はこちらの記事をお読みください。
→一次試験はこちら:【2018年度最新版|英検一次試験】合格点と時間配分を公開!(2級、準2級、3級、4級、5級)
→二次試験(面接)はこちら:【2018年度最新版|英検二次試験(面接)】合格点と配点はこちら!(2級、準2級、3級)
そもそも何でCSEスコアが英検に導入されたの?
まず初めに、英検にどうしてCSEスコアが導入されたのか、なぜ今までの素点で合格基準を決める方式ではダメなのか、簡単にご説明します。
【理由その1】 各技能に著しい偏りがある受験者を不合格にするため
CSEスコア導入前、英検の合否判定は素点で決まっていました。
例えば、2015年度第1回の英検準1級。
この回、合格点は73点でした。
当時の英検準1級の配点は、
・リーディング:51点
・ライティング:14点
・リスニング:34点
・合計:99点
でした。
例えば、
・リーディングがとても得意
・リスニングはそこそこ
・ライティングは全くできない
という受験者がいたとします。
この方が2015年度第1回の英検準1級を受験し、
・リーディング:51点
・ライティング:0点
・リスニング:22点
・合計:73点
を獲得したとします。
ライティングは0点です。「どうせ書けないから」とライティングは何も書かずに白紙で出したとします。
それでも、この方の合計点は、合格点の73点に達しているので英検準1級合格になるのです。
これでは、英語4技能を評価しているとは言えないですよね。
こういった問題を解決するためにCSEスコアを導入し、英語4技能(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)に著しい偏りが見られる受験者は不合格になるよう変更されたわけです。
【理由その2】 TOEFLやIETLSといった他の4技能試験と対応をとりやすくするため
英検は日本では有名ですが、海外ではほとんど知られていません。
世界的にメジャーな英語4技能試験と言えば、やはり、TOEFLとIELTSでしょう。
英検が今後、TOEFLやIETLSと肩を並べるほどの世界的にメジャーな4技能試験になるかはわかりません。
しかし、例えば、「英検準1級を持っていれば、最低でもTOEFL iBT 72点以上の英語レベルはあるだろう」ということが保証できれば、海外大学も入学希望者の英語レベルが判断しやすいですよね。
そのために英検が行ったのが、英検をCEFR(セファール)に対応させるということです。
「CEFR」とは「Common European Framework of Reference」の略称で、日本語では「ヨーロッパ言語共通参照枠」と呼ばれています。
このCEFRとは英語レベルを表す指標です。A1(初学者レベル)からC2(上級レベル)に分けられています。
このCEFRから英検各級のレベルが判断できるように、CSEを導入したのです。
「英語4技能試験情報サイト:資格・検定試験CEFRとの対照表」を参考に作成
上図のように、英検がCEFRに対応したことで、例えば、「英検2級保持者は、TOEFLで言えば42-71点、IELTSでいえば4.0-5.0点の英語レベルである」と判断できるわけです。
CSEスコアを導入し、CEFRと対応をとることにより、英検は世界的にメジャーな他の英語4技能試験との対応がとれるようになったわけです。
事実、英検による英語力証明で海外留学が実現できる海外学校も多数あります(しかし、まだまだTOEFL、IELTSに比べると見劣りするのが現状ですが)。
→詳しくはこちら:英検留学|英検|公益財団法人 日本英語検定協会
また、もし、志望大学が英検が採用されていなかったとしても、英検がCEFRに対応したことで、スムーズにTOEFLなどの他の資格試験の学習へ移行が可能です。
→詳しくはこちら:ESL clubが生徒の英語力を引き上げるために「英検」を活用する理由
【理由その3】 合否判定だけではなく、受験者の各技能をCSEスコアで評価するため
CSEスコア導入前の英検の受験結果には、「合格」「不合格」の2つしかありませんでした。
つまり、受験者の各技能(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)の能力を明確に示すことはなかったのです(もちろん、各技能の素点を見ればある程度の判断は可能でしたが)。
例えば、同じ英検2級合格でも、
リーディング:560点
リスニング:560点
ライティング:400点
スピーキング:460点
の人と、
リーディング:550点
リスニング:550点
ライティング:550点
スピーキング:550点
の人の英語力は明らかに異なるわけです。
CSEスコア導入により、同じ「合格」でも、CSEスコアにより技能別で受験者の英語力を示すことができるようになったのです。
技能別のCSEスコア表示は、受験者の英語力を判断したい時に大変便利です。
2020年大学入試改革においても、各大学は英検を使いやすくなることでしょう。
例えば、A大学は「出願資格条件を英検2級合格かつ、ライティング・スピーキングのCSEスコア各500点以上」などとできるわけです。
これにより大学側は、「リーディング・リスニングだけに特化して2級合格を勝ち取った人ではなく、ライティング・スピーキングといった英語によるアウトプット力もある生徒が欲しい。」といったニーズに合わせて、出願資格基準を調整できるのです。
これは、TOEFLやIELTSを採用している海外大学では既に行われています(TOEFL 100点以上、かつ、スピーキング24点以上など)。
さて、CSEスコアが英検に導入された理由はおわかり頂けたかと思います。
では、CSEスコア導入により、受験者には実際にどういった影響があるのでしょうか。
「ん?素点は同じなのにCSEスコアが違う?」
ある回の英検3級一次試験でこんなことがありました。
Aさんの素点は、
リーディング:10 / 30
リスニング:25 / 30
ライティング:8 / 16
合計:33 / 76
でした。
一方、Bさんの素点は、
リーディング:12 / 30
リスニング:23/ 30
ライティング:8 / 16
合計:33 / 76
でした。
Aさん、Bさん共に素点合計は同じ33点でした。
しかし、合否結果は…
Aさんは見事合格、Bさんは残念ながら不合格だったのです。
そうです。素点は33点と全く同じであったのにも関わらず、CSEスコア合計の点数が異なり、Aさんは合格、Bさんは不合格という結果だったのです。
素点とCSEスコアそれぞれの点差がわかりやすいように表にしてみました。
このように、リーディングとリスニング、共に素点差は2点です。
しかし、リーディングのCSEスコア差は12点。一方、リスニングのCSEスコア差は21点。
CSEスコアの点数差には素点差の2倍近くの開きが出たのです。素点では同じ2点差なのに、です。
その結果、AさんのほうがBさんよりもCSEスコアの合計点が高くなり、合格できたのです。
なぜ同じ素点なのにCSEスコアが異なるのでしょうか。
その理由はCSEスコアの算出方法にあります。
素点とCSEスコアの関係はこうなっている!グラフ大公開!
CSEスコアは、平均点、他の受験者の正答率、受験者自身の点数、など複数の変数に応じて確定します。
素点とCSEスコアの関係を探るために、ESL club生徒の素点とCSEスコアをプロットしてみました。
以下は、2016年度第1回から2017年度第1回までの、英検3級の結果を技能別(リーディング、リスニング、ライティング)でプロットしたグラフです(ライティングは2017年度第1回からの導入のためプロット数は少なくなっています)。
こちらがリーディングです。横軸が素点、縦軸がCSEスコアです。
次にリスニング。
最後にライティングです。
英検3級だけでなく、他の級でも同様の傾向になりました。
このグラフから明らかなのは、
・素点が満点に(もしくは、0点に)近くなればなるほど、素点1点あたりで換算されるCSEスコアが大きくなる
ということです。
先ほどのAさんとBさんの英検3級の結果を改めて見てみましょう。
先ほどの素点とCSEスコアの関係を思い出してください。
素点が満点に(もしくは0点に)近づけば近づくほど、素点1点あたりで換算されるCSEスコアは大きくなります。
生徒2人のリーディングの点数は、30点満点中、Aさんが10点、Bさんが12点でした。
一方リスニングの点数は、30点満点中、Aさんが25点、Bさんが23点です。
つまり、リーディングよりもリスニングのほうが満点である30点に近かったため、素点では同じ2点差だったのにも関わらず、換算されるCSEスコアが大きくなったのです。結果、CSEスコア差はリーディングよりもリスニングのほうが高くなったわけです。
素点とCSEスコアの関係から見えてくる効果的な英検対策はこれだ!
では、この素点とCSEスコアの関係を踏まえた上で、どのような英検対策が効果的なのでしょうか。
端的に言うと、
・全ての技能(リーディング・リスニング・ライティング)で最低4割の正答率は確保する
・得意な技能があるなら、更に伸ばし、満点近い正答率を狙う
ということになります。
先ほどお見せした素点とCSEスコアのグラフからも、正答率が4割を切らなければ著しくCSEスコアが低く換算されることはありません(逆に言うと、正答率が4割を下回ってしまうと指数関数的にCSEスコアが下がっていきます)。
そして、満点近い正答率を達成できるとCSEスコアは指数関数的に高くなるので、合計のCSEスコアも大きく伸びてきます。
例えば、過去問を解いてみた結果、リーディングの正答率が5割、ライティングが6割、リスニングが7割だとします。
このとき、「リスニングは比較的得意だけど、リーディングとライティングが苦手だ。特にリーディングの正答率が一番低い。だから、リーディングの対策から始めよう。」と考えがちです。
しかし、素点とCSEスコアの関係から考えると、あなたがもしリスニングの対策に集中することでリスニングの得点率が8〜9割まで伸ばせるのであれば、リスニング対策に特化したほうが得策です。その方がリスニングのCSEスコアが指数関数的に高く換算されるからです。
もし、英検に挑戦されるお子様が小学生であれば、リーディングやライティングよりもリスニングの方が得意な傾向があります。ESL clubに通う小学生もそうです。
であれば、素点とCSEスコアの関係から見ても、リスニングでの得点率9割を目標に学習を進めるのは有効だと言えます。
詳しくはこちら:【小学生英検対策】英検3級以上を取得する小学生の英検必勝パターン
一方で、もしあなたが中高生や大学生、社会人であれば、リスニングよりもリーディングやライティングが得意かもしれません。
もしリスニングの正答率が5割で、リーディング、ライティングの正答率が7割だった場合、弱点克服のためにリスニングの対策に集中したくなります。
しかし、まず考えるべきは、「現在7割の正答率であるリーディング、ライティングを8〜9割に伸ばすことはできないか?」ということです。
特にライティングは、定型文を覚え、正しい構成で書く練習をすれば、点数が大幅に伸びる場合も少なくありません。文法をしっかり勉強されている中学生以上の方はライティングで正答率8〜9割を狙うというのも有効な戦略になりうるでしょう。
英検2級、準2級、3級ライティングの正しい書き方は下の記事を参考にしてください。
【英検2級ライティング対策】 合格点を取るためのたった3つのコツ 答案作成のテンプレート付き
【英検準2級ライティング対策】初めてのライティングもこれで安心!3つの攻略ポイント教えます!
【英検3級ライティング対策】攻略のための3つのコツをお伝えします!
「結局、素点で何点とれば合格できるの?」
「素点とCSEスコアの関係は理解できたけど、結局合格するためには何点とればいいの?」
といった疑問を持たれているかもしれません。
正直に言うと、素点で何点とれば合格できるかは正確にはわからないです。
CSEスコアは、平均点や他の受験者の正答率、自らの素点など、様々なパラメーターによって異ってきます。
ですので、「素点で何点とれば絶対に合格できる」といった明確な合格点を割り出すことはできません。
しかし、「少なくともこれだけ素点を取れていればまず合格できるよね」といった合格ラインは過去の経験からある程度割り出すことができます。
ESL clubの生徒の過去の英検結果から割り出した合格のための目標点は以下の記事にまとめてあります。
【2018年度最新版|英検一次試験】合格点と時間配分を公開!(2級、準2級、3級、4級、5級)
ぜひ、過去問を解く際にお役立てください。
いかがだったでしょうか。
CSEスコアが導入されたからといって、英検は大きく難化したわけではありません。
正しい方法で継続的に学習すれば必ず英語力は上がっていきます。
英検の正しい学習方法を知りたい方は、以下の記事の参考にしてみてください。
【英検2級対策】
リスニング対策:【英検2級リスニング対策】3ヶ月で満点獲得!?リスニングを得意にするたった1つのコツ!
ライティング対策:【英検2級ライティング対策】 合格点を取るためのたった3つのコツ 答案作成のテンプレート付き
二次試験(面接)対策:【英検2級2次試験・過去18回分析】3日で面接対策!気をつけることはこの5つ!!
【英検準2級対策】
ライティング対策:【英検準2級ライティング対策】初めてのライティングもこれで安心!3つの攻略ポイント教えます!
二次試験(面接)対策:【英検準2級2次試験対策】これでOK!質問の傾向と対策(過去18回分を分析!)
【英検3級対策】
ライティング対策:【英検3級ライティング対策】攻略のための3つのコツをお伝えします!
二次試験(面接)対策:【英検3級2次対策】これでわかる英検の面接!面接の会話実例つき!
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→小学生で英検2級にも合格できるESL club小学部はこちら
→英検、TOEFLから英語難関大学受験まで対策できるESL club高校部はこちら
- この記事を書いた人
ESL club編集部
ESL clubは、英検1級・TOEIC 900点・TOEFL iBT 95点以上のバイリンガルによる完全マンツーマンレッスンが特徴の英語スクールです。
小学生で英検2級合格多数、大学受験の英検活用から海外留学準備まで、様々な生徒に英語指導を行っています。そんな日々の指導から得られた知見をブログで発信しています。