こんにちは、英語を教えない英語塾『ESL club』です。
英検3級からは、一次試験合格者に二次試験として面接が実施されます。
面接では面接官と英語で受け答えするため、事前に流れを知っておくだけでもかなり余裕が生まれます。
今回は英検3級面接の流れと、合格のためのポイント、心構えやおすすめの練習方法をまとめました。
その他の級の二次試験については、下記の記事をご覧ください。
→【英検準2級2次対策】これでOK!質問の傾向と対策(過去18回分を分析!)
→【英検2級2次試験・過去18回分析】3日で面接対策!気をつけることはこの5つ!!
英検3級の面接・二次試験とは
英検3級の一次試験(筆記)で合格点に達した人が後日受験できるのが、二次試験(面接)です。
二次試験の日程は一次試験の約1ヵ月後で、一次試験の合否判定がウェブで公開されてから二次試験の受験日までに2週間ほどしかありません。
そのため、二次試験がスタートする英検3級からは、リーディングやリスニングの対策と一緒に面接の準備をしっかり進めておくことが大切です。
まずは、英検3級の面接・二次試験の概要を紹介します。
問題形式
英検3級の二次試験は、以下の3つの問題からから構成されます。
- カードに書かれた英文の音読
- カードに書かれたパッセージとイラストに関する質問
- カードなしの質問(受験者自身の意見を問う質問)
二次試験では各問題の配点にくわえて、積極的にコミュニケーションをする態度や姿勢を測る「アティチュード」も加点対象になります。
合格点
英検3級二次試験の合計点は550点で、英検を運営する日本英語検定協会が公表した合格基準スコアは353点です(出典:2016年度からの新しい合否判定方法について | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会)。
しかし、英検が2016年から使用している採点指標「CESスコア」では、合格ラインとされる正答数がはっきりと分からなくなっています。
そこで、『ESL club』の英検三級対策では、以下のように素点を設定しています。
英検3級の二次試験で目標としている合格点は、20点/33点(得点率61%)です。
関連記事:【英検二次試験(面接)】合格点と配点はこちら!2019年度最新版!(2級・準2級・3級)
英検3級面接・二次試験は6つのステップをおさえよう!
面接はざっくり分けると次の6つのステップになります。
面接時間は約10分ほどです。始まったらあっという間に終る感覚です。
入室
↓
◎Step2
あいさつとカードの受け取り
↓
◎Step3
問題カードの黙読・音読
↓
◎Step4
問題カードに関する質問3つ
↓
◎Step5
受験者自身に関する質問2つ
↓
◎Step6
カード返却と退室
以下にそれぞれのステップの詳細と、注意事項をご紹介します。
面接の際に渡される<問題カード>のサンプルを例に、特徴と対策の仕方を解説します。参照しながら読み進めてください。
英検3級面接・二次試験のステップ1:入室前から着席までの流れ
まずは二次試験の会場に到着してから、面接室に入室して着席するまでの流れを紹介します。
保護者の同伴は面接カード記入時まで
まずは受付で「携帯電話収納ケース」と「面接カード」(→サンプルはこちら)を受け取ります。
携帯電話収納ケースには電源をオフにした状態でスマートフォンを入れて、首から下げてください。
トイレを済ませて準備ができたら、受験者控室に移動します。
受付時に受け取った面接カードは、控室内で必要事項(生年月日、受験番号、氏名、会場名等)を記入してください。面接カードを記入するのは本人でも保護者でも構いません。
なお、保護者の同伴についてですが、二次試験受験者控室での面接カード記入時まで付き添いが可能です。その後は試験会場内の「保護者控室」に移動しなくてはいけません。
受験者控室や面接室の前の廊下などで待機することはできませんので、ご注意ください。
入室時はノックをして元気よく挨拶
受験者控え室にて待機し、係員の指示に従って入室します。
控室には戻れませんので、手荷物をすべて持って面接室に移動してください。
入室の際はノックをするのがマナーです。
ノックをしたらすぐに入っても大丈夫です。
<面>「Please, come in.」(ご入室ください)
と言われることもあります。
入室後にまず行うのは、笑顔で元気に挨拶することです。
<面>「Hello.」
とあいさつされますので、
<受>「Hello.」
と元気のいい声で返しましょう。
この挨拶から試験が始まっていると考えてください。
<面>「Can I have your card, please?」(面接カードをください。)
と言われるので、
<受>「Here you are.」(どうぞ。)
と言って面接カードを渡しましょう。
お礼を言ってから着席
面接室には受験者が座るためのイスが置かれていますが、入室後にいきなり座るのはマナー違反です。
<面>「Please sit down.」「Please have a seat.」(どうぞ、おかけください。)
と言われますので、
<受>「OK. Thank you.」(ありがとうございます。)
と答えて着席します。
このときしっかりとお礼を伝えるのがポイントです。
着席時に手荷物も置きます。
荷物用のイスがあればイスの上に、なければ足もとに置くようにしましょう。
英検3級面接・二次試験のステップ2:挨拶から問題カードを受け取るまでポイント
着席したら、面接官との簡単なコミュニケーションや受験級の確認が行われます。
挨拶や名前の聞かれ方は数種類ある
着席後、面接官と挨拶や自己紹介などのやり取りを行います。
元気のいい声で、はっきりと笑顔で答えるようにしましょう。
挨拶は、面接の時間によって変わります。
<面>「Good morning.」(おはようございます)※面接時間が午前の場合
<面>「Good afternoon.」(こんにちは)※面接時間が午後の場合
どちらの場合も、面接官と同じ言葉で返せば問題ありません。
その後、面接官から以下のようなフレーズで受験者の氏名を尋ねられます。
<面>「What’s your name, please?」「May I have your name, please?」(お名前を頂戴できますか?)
いずれも答え方は「My name is ….」というシンプルな形式でOKです。
名前の聞かれ方にはいくつか種類がありますが、焦らずに答えましょう。
その次は、受験級の確認があります。
<面>「Mr.(/Ms.)●●, this is the 3rd Grade test, OK?」(●●さん、こちらは英検3級のテストですが、間違いないでしょうか?)
<受>「Yes.」
<面>「How are you, today?」
<受>「I’m fine, thank you. How are you?」
<面>「I’m fine too, thank you.」
このように、級が正しければ「Yes.」と返事をしたあとに、簡単な挨拶が行われます。
問題カードを受け取ったら面接官の目を見てお礼を言う
基本的な挨拶が済んだら、面接官から問題カードが渡されます。
このときのポイントは、相手の目をしっかり見てお礼を言うことです。
<面>「OK. Let’s Start the test. This is your card.」(では試験をはじめましょう。こちらが問題カードです。)
<受>「Thank you.」
カードを受け取ったら、いよいよ試験がスタートします。
→問題カードのサンプルはこちら(サンプル内下記のQuestionsは印刷されていません)
英検3級面接・二次試験のステップ3:パッセージの黙読と音読のコツ
英検3級の二次試験での最初の設問は、英文の音読です。
ここでは、音読問題の流れとポイントを紹介します。
20秒間の黙読で文章の大意を汲み取る
音読問題は問題カードに書かれたパッセージを声に出さずに読む「黙読」からスタートです。
面接官から以下のようなフレーズで指示を受けます。
<面>「First, please read the passage silently for 20 seconds.」(ではまず、こちらの文章を20秒間、黙読してください)
黙読のポイントは、細かく文章を読み込むのではなく、おおまかな意味を汲み取るよう意識することです。
意味をふまえて音読の際の強弱の付け方を考えながら、限られた時間を有効活用しましょう。
試験対策では、20秒という時間感覚を事前の練習で養っておくのがおすすめです。
音読は強弱をつけながら焦らずに読む
つぎに、黙読した文章を音読します。
音読する合図は面接官の
<面>「Now, please read it aloud.」「Please, read the passage aloud.」(では、今度は音読をしてください)
という指示です。
黙読と違って音読は時間制限がないので、焦らなくて大丈夫です。
面接官にはっきりと聞き取れる音量と発音で読みましょう。
文章の強弱をつけることもポイントです。
もし読み間違いをしてしまった場合も、焦らず言い直します。
かなり前のところの言い間違いを気づいた場合は、直さずにそのまま最後まで読みきりましょう。
発音の分からない単語があったときも、読み飛ばさないようにしてください。
英検3級面接・二次試験のステップ4:パッセージとイラストについての質問にうまく答えるポイント
次の設問は、問題カードを見ながら質問に答える問題です。
問題カードに記載されたパッセージ(文章)についての質問、イラストについての質問が、合計3問出題されます。
パッセージの質問は疑問詞によって着目するポイントが変わる
問題カードに書かれたパッセージについての質問は、疑問詞によって着目するポイントが異なります。質問文に使われる疑問詞は、「What~?」か「Why~?」のうちのどちらかです。
「Where~?」や「How~?」からはじまる質問が出題されるケースもまれにありますが、基本的には「What~?」か「Why~?」だと考えて良いでしょう。
<面>「What~?」
で質問された場合は、質問の最後2〜3語を集中して聞き取って、パッセージから答えを探しましょう。
たとえば
<面>「What can people learn from the radio?」
と質問されたら、着目したいのは”from the radio”です。
パッセージに書かれた
“People can learn English and other languages from the radio,〜”
という文をもとに
<受>「People (They) can learn English and other languages (from the radio)」
とシンプルに答えれば正解できます。
<面>「Why ~?」
で質問された場合は、とにかく質問に集中して、すばやく“so”をみつけましょう。
イラストの質問は吹き出しの有無によって変わる
イラストに関する質問は、イラスト内に吹き出しがあるかどうかによって質問内容が変わります。
吹き出しがある場合は、
<面>「What is he/she going to do?」
という先の展開を予測する質問が出されます。
吹き出しがない場合は、
<面>「What is the man/woman doing?」
というイラストで描写されている行動に関する質問がされます。
英検3級面接・二次試験のステップ5:受験者自身についての質問にうまく答えるコツ
最後の設問は、受験者が自分自身の考えについて話す問題です。
質問カードを裏返すよう指示されますので、面接官の目をしっかり見ながら答えましょう。
“What kind of ~ do you like?”に答えられるようにしておく
パッセージやイラストに関する質問3題が終わったら、以下のフレーズで問題カードを裏返すよう指示されます。
<面>「Now, Mr.(/Ms.)●●, please turn the card over.」
(それでは、問題カードを裏返してください)
問題カードを裏返すと、受験者自身についての質問が2題出されます。
面接官の目をしっかり見て受け答えをしましょう。
受験者自身の考えを話す問題では、
<面>「What kind of ~ do you like (to 動詞)?」
という質問が2/3の割合で出されます。
この質問には、普段の学校や家庭での過ごし方や、好きなもの、興味にあるものなどについてシンプルに答えれば大丈夫です。
事前に練習を積んで、しっかり答えられるようにしておきましょう。
英検3級面接・二次試験のステップ6:問題カード返却から退室までの流れ
問題カードを見ながらの質問3題とカードなしの質問2題に答えたら、すべての設問が終了です。
最後まで元気のいい返事と笑顔を意識しながら、面接室を退室します。
礼儀正しく退室
設問がすべて終了すると、
<面>「OK. This is the end of the test.」(試験はこれで終わりです)
というフレーズで面接官が試験終了を告げます。
<面>「May I have your card back, please?」(問題カードを返却してください)
という指示がつづくので、
<受>「Here you are.」
と言ってカードを返しましょう。
問題カードを返却すると、面接官から
<面>「You may go now. Good bye.」(どうぞご退室ください。さようなら)
と退室するよう伝えられるので、
<受>「Bye. Have a nice day.」(さようなら)
と元気のいい声ではっきりと笑顔で挨拶してから面接室を後にします。
退室時は手荷物を忘れないよう注意してください。
部屋を出た後は、他の受験者と話さず静かに試験会場を離れましょう。
英検3級面接・二次試験の心構え
英検の面接・二次試験の採点では、各問題のスコアにプラスして「アティチュード」という項目が設けられています。
二次試験でのアティチュードとは、面接中の態度に関する評価です。
「最初の挨拶で積極的にコミュニケーションを取っているか」
「はっきり聞き取れる声で話しているか」
などの姿勢が評価対象となります。
焦って早口になったり、自信がなくて相手に聞こえづらい声で話したり、緊張して黙ったりしてしまうと、アティチュードの点数が振るわない可能性もあります。
そのため、多少文法や単語が間違っていても相手に伝えようという積極性を見せられるよう、しっかり練習を積んで、試験当日までに苦手意識を取り除くことが大切です。
英検3級面接・二次試験の練習方法
英検3級の面接の内容をふまえて、・二次試験当日に向けてどんな方法で練習したら良いのでしょうか。
ここでは、面接に向けた練習時のポイントを2つ紹介します。
声に出して練習する
声に出さずに練習して、本番でいきなり話そうとしても、上手くいかないケースのほうが多いでしょう。
本番ではきはきと話せるようになるためには、過去問や参考書の問題をもとに、保護者や先生などが面接官役になって声に出して練習するのがおすすめです。
練習相手が不在の間は、1人で声に出すのも効果的です。
たくさん練習を積んで、自信をもって答えられる状態にしておきましょう。
聞き取れなかった場合の練習も行う
はじめての面接に緊張して、面接官の話が聞き取れないこともあるでしょう。
その場合は
「Pardon?」(何とおっしゃいましたか?)
「Could you say that again?」(もう1回お願いできますか?)
などのフレーズを活用して聞き返しても大丈夫です。
本番でも使いこなせるよう、聞き返せなかった場合を想定した練習も行っておくのがおすすめです。聞き取れなかったからといって
「I don’t know. 」(わかりません)
と答えてしまうと次の問題にスキップしてしまうので、使わないよう注意してください。
まとめ
イメージはわきましたか?
ぜひ、流れを頭に入れた状態で面接にのぞみましょう。そして流れを意識して何度も練習しましょう。
面接は独り言のようにブツブツと一人で練習しても効果ありますよ!私はそれで英検1級面接も合格できたので、間違いないです!
英語は正しい努力を継続さえすれば、日本国内でも必ずできるようになります。
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- この記事を書いた人
岡山 太
「ESL club」事業責任者 兼 「明光義塾」英語教科責任者。
長期留学経験なし、国内独学で英検1級・TOEFL iBT 100点・TOEIC900点を達成。
自身の英語学習経験を生かし、ESL clubのオリジナルカリキュラムを構築。現在は全国の明光義塾の英語指導力強化にも努めている。