帰国子女に英検は必要?取得するメリットや受験級の目安、勉強法を紹介

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こんにちは。英語を教えない英語塾『ESL club』です。

帰国子女が英語レベルを計るためによく使われる資格が、英検です。
英検では級によっては日常的なトピックを多く扱っているため、小学生以下の時期に海外で滞在していた子もチャレンジしやすくなっています
まずどの級から受験させたらいいのか目安が分からず、悩む保護者も多いでしょう。

この記事では、帰国子女が英検にチャレンジする際に役立つ知識をまとめました。
帰国子女が英検を受けるメリットや、年齢・目的別の受験級目安、受験するタイミングや勉強方法などについて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ESLclub生徒様インタビューとして、国内の私立中学校に通うY.Yさんにインタビューしました。
「帰国子女なら英語ができる」という周囲からの思い込みに悩んで、英語の勉強を本格的にスタートしたYさん。ESLclubで成長してきた過程や、学習方法について記事にまとめましたのでぜひご覧ください。
海外からオンライン授業で英検2級合格!「帰国子女は英語ができる」を乗り越えた秘訣とは

帰国子女が英検を受けるメリットって?

帰国子女(帰国生)が英検を取得する主なメリットは次の3つです。

  • 海外滞在中に身につけた英語基礎力を証明できる
  • 英語の読み書きを学べる
  • 入試で有利になる

それぞれ詳しく紹介していきます。

海外滞在中に身につけた英語基礎力を証明できる

高校生までは英語力の目安として、「英検◯級レベル」といったように英検が使われるケースが多くなっています。
そのため、英検で自身の英語力を測ることで、海外生活を通して身につけた語学レベルがどれほどか証明できることがメリットです。
くわえて、英語力をさらに高めるにはどのような勉強が必要かも把握しやすいうえ、本人の自信にもつながるでしょう。

高校生以上で海外留学を考えているのであれば、英検とあわせてTOEFL iBTを受験するのもオススメです。
海外の大学でネイティブと一緒に学ぶのであれば、TOEFL iBT のスコア72〜94(英検準1級相当)が必要だと言われています。

英語の読み書きを学べる

帰国子女が海外に滞在していた年齢や年数によっては、英語力が技能によってバラつきがあるかもしれません。

イギリスのネイティブスピーカーは、5〜6歳ごろまでには日常生活を通して聞く・話すが上達します。
そして、小学1年生からアルファベットの読み書きを習いはじめ、5〜6年生でようやく自然な英文を書くための学習が行われる流れです。

そのため、まだ幼いころに英語圏で暮らしていた場合は、聞く・話すと比較して読む・書くが苦手な可能性もあります。
また、滞在年数が短かった場合も、英語力が発達途中のまま帰国している可能性が高いでしょう。

英検は、4技能をバランス良く身につけることを目的としたテストです。
英検の勉強を通して英語の読み書き能力を身につけられるため、帰国子女の英語力をさらに高める効果があるでしょう。

関連記事:【英語】帰国子女が教える、英単語の覚え方
関連記事:【小学生で英検2級】3年間海外在住だった帰国子女の小学生が英検2級に合格したエピソード

入試で有利になる

中学・高校・大学受験では、英検を入試に利用できる場合があります。

  • 英検を受験資格として掲げている
  • 英検の級に応じて英語の点数が加算される
  • 学科試験が免除される

このように、英検を取得していることで選択肢が広がったり、試験当日のプレッシャーを軽減しやすくなったりといったメリットを受けられます。

関連記事:【2023年東京】英語だけで受験できる中学・高校|英語教育に特化した学校を紹介

帰国子女が受験する英検の目安級は?

帰国子女が英検を受験するときの目標級は、次の通りです。

  • 小学校中学年までなら英検3〜5級
  • 中学受験に利用するなら英検2級〜準2級
  • 高校受験には利用するなら英検1級〜準1級

なお、海外経験のない子どもの場合、英検受験級の目安は以下のようになっています。

小学校中学年までなら英検3〜5級

海外滞在期間が幼児期や小学校低学年ごろの場合、英語力や知識が英検の上位級には達していないかもしれません。

たとえば、子どもにとっての日常生活レベルの英会話スキルはあっても、読み書きは十分できないケースも多いでしょう。
また、まだ幼いため、準2級以上に出てくる社会的なトピックに出てくる語彙を知らない可能性が高くなっています。

そのため、日常的なトピックが中心の3級以下を目標にするのがオススメです。

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中学受験に利用するなら英検2級〜準2級

中学受験では英検3級以下でも受け入れている学校もあります。
しかし、英語教育に力を入れる難関校を目指すのであれば、英検準2級以上を目標にするのがオススメです。

帰国子女から人気が高い広尾学園中学の国際生編入試験でも、英検2級以上が受験資格として設定されています。
※出典:2024年度中学生徒募集要項|広尾学園中学校

また、渋谷教育学園幕張中学では、英検が評価の対象になることはないものの、帰国生入試の書類(帰国生カード)に英検の合格級を記載する項目が設けられています。
※出典:帰国生カード・プリエッセイ – 2024年度中学校入試要項|渋谷教育学園幕張中学校・高等学校

関連リンク:英検準2級のレベル・難易度・問題範囲と合格への勉強法対策を解説
関連リンク:英検2級の合格点・レベル・問題傾向・合格に必要な学習時間などを完全まとめ!

高校受験には利用するなら英検1級〜準1級

英検利用の高校入試を検討している場合、英検1級〜準1級を目標にするのが理想的です。

たとえば大阪府立の高校では、英検を所持していると以下の点数が加算されます。

英検準1級・1級:一般選抜 90点/特別選抜 45点
英検2級:一般選抜 72点/特別選抜 36点
※出典:令和5年度公立高等学校入学状況概要|大阪府教育委員会

大阪府教育委員会によると、大阪府内の公立高校トップ3(北野・天王寺・茨木)では受験生の8〜9割が英検2級以上を所持しているそうです。

また、国際基督教大学高校(ICU高校)の推薦入試でも、英検2級以上が出願資格として設けられています。
※出典:2024年度 4月入学募集要項|国際基督教大学高等学校

他の受験生と差をつけるためにも、英検準1級以上合格に向けてチャレンジしてみてください。

関連リンク:英検準1級の合格点・レベル・問題傾向・合格に必要な学習時間などを完全まとめ!
関連記事:【単語を覚えるだけではない】英検1級の壁を超えるために大切な1つのこと 

帰国子女が英検を受けるタイミングは?

英検を中学・高校受験に利用する場合は、入試の1年前までに目標級を取得できるよう余裕を持って受験するのがオススメです。

1〜2回不合格になっても間に合うように、中学受験であれば小学4年生ごろから、高校受験であれば中学1年生ごろから受けるのが理想的だといえます。

英検はロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、ホノルルにも受験会場を設けているため、滞在中に帰国後を見越して受験することも可能です。

参考:英検・海外受験会場案内

帰国子女にオススメの英検勉強法

帰国子女の英検対策では、次の3点を取り入れてみてください。

  • まずは目標の1つ前の級から受けて試験に慣れる
  • リーディングは洋書を活用した多読で鍛える
  • ライティングはアイデアを考える力をつける

それぞれの効果を紹介します。

まずは目標の1つ前の級から受けて試験に慣れる

英検受験への抵抗感を持つことを防ぐためにも、まずは合格可能性の高い級から受けてみてください。
小学校中学年までなら5級、高学年は3級、中学生は2級が目安です。
余裕で合格できると自信を持てますし、試験自体に慣れる効果もあります。

リーディングは洋書を活用した多読で鍛える

帰国子女は、読み書きが苦手になりやすい傾向があります。
そのため、マンガや児童書など、子どもが楽しく読める洋書を採り入れるのがオススメです。
娯楽を通して読む力を鍛えることで、試験問題もスピーディーに読めるようになるでしょう。

ライティングはアイデアを考える力をつける

英検の級が上がってくると、社会問題やビジネスシーンなど子どもにとって難解なトピックが含まれます。
現地で身につけた語彙や考え方だけでは、回答のアイデアを出すこと自体を難しく感じてしまうかもしれません。

そのため、日頃から日本語でも英語でも、自分のアイデアを考える機会を設けてみてください。
たとえば家庭でニュースを見て意見を交わしたり、科学館や博物館などの展示を見ながら感想を話したりすることも、アイデアを考えるためのトレーニングとして有効です。

関連記事:英検対策・勉強法まとめ【5級・4級・3級・準2級・2級・準1級】

帰国子女が英検を受験する際の注意点

帰国子女が英検を活用する前に押さえておいてほしいポイントは次の2つです。

  • 帰国子女の英語力は滞在中の環境によって異なる
  • 英検利用入試では他の出願資格にも気をつける

それぞれ紹介します。

帰国子女の英語力は滞在中の環境によって異なる

帰国子女であっても、全員英語が堪能だとはかぎりません。
日本人が多い学校に通っていたり、現地の人との交流が少なかったりすると、そもそも英語力が期待よりも低い可能性が考えられます。

「帰国子女だから英検◯級は余裕で合格できるはず」と一括りにして考えるのではなく、子どもの英語力を適切に把握したうえで、無理なく受験できる級にチャレンジしてみてください。

帰国子女の英語力に関する課題は、次の記事で紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。

関連記事:帰国子女なのに英語ができない原因は?渡航前からの対策が重要!

英検利用入試では他の出願資格にも気をつける

英検を利用した中学・高校入試では、「帰国後◯年以上」や「英検取得後◯年以内」などの制約が設けられているケースもあります。

しっかりチェックしていないと、「せっかく英検を取ったのに出願資格を満たしていなかった」といった事態になる可能性も捨てきれません。

そのため、出願資格は英検の級だけでなく、他の部分も入念に確認することが重要です。

まとめ

英検は受験に向けた勉強を通して、英語4技能がバランス良く身につけられる資格です。
そのため、日本の学校では英語力を計る指標として使われていて、帰国子女向けの入試でも出願資格として英検が挙げられていることも珍しくありません。

帰国子女も英検にチャレンジすることで、英語の読み書きを克服したり、自信をつけたりといったメリットがあります。
今回紹介した受験級目安を参考に、ぜひ英検にチャレンジさせてみてください。

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