日本で中学受験や高校受験をする際、「学校で充実した英語教育を受けてもらいたい」という考えを持った方が増えてきていると思います。その場合、学校を探すときのポイントとしては
◎海外への留学・進学制度を取り入れている
◎国際交流を積極的に行える機会や設備を整えている
◎英語に触れる環境を生み出すためのカリキュラムが採用されている
という点に注目してみるといいでしょう。
今回はそのような学校をまとめました。
(各学校名に各学校のHPへのリンクを貼っております)
1. 江戸川女子中学校・高等学校
「6年間で2500語の語彙を習得する授業。実践の場として4・5年次に海外研修」
留学制度
5年次:全員参加のニュージーランド語学研修(2~3月)
5年次:カナダ修学旅行(5月 普通科の学生)
4・5年次:イギリス・オーストラリア短期留学(夏季休業中)
を予定。
ニュージーランドでは、ホームステイをしながら語学学校で2週間、現地女子校で1週間の生活を体験することが可能。
2. 聖徳学園中学・高等学校
「中3~高2に語学研修制度を設置」
留学制度
中3のアメリカ・ユタ州を中心としたホームステイ、
高1、高2ではイギリスへの語学研修旅行(希望者対象)、北米そしてオセアニアへの長・中・短期の語学留学制度(希望者対象)がある
3. 成蹊中学・高等学校
「指定留学プログラム参加で、留学中の単位を認定」
留学制度
留学の単位認定;学校公認のプログラムで留学した場合は、留学中の単位を認定。そのため、復学後は留年することなく元の仲間とともに学ぶことが可能となっている。
上記の交換留学プログラムのほかにも、「ロータリー」「AFS」「YFU」を導入し、学校で単位を認定してくれるプログラムもあり、より留学への積極的な参加が可能になる。
4. 立教女学院中学校高等学校
「国内・外で国際交流の機会を確保」
留学制度
多岐にわたる海外留学/研修制度が設けられており、高校1年生から参加できるものも設置。(中3次:フィリピン、高1・2年次:ニュージーランドなど)
留学生の受け入れを行っており、アメリカやニュージーランドなどから短期間、外国人留学生と交流する機会がある。
「高校1年から留学を経験できる留学制度。高校2年でTOEIC600点を取得する生徒も」
留学制度
豪州姉妹校への夏季留学:高校1年生の希望者を対象に、オーストラリア姉妹校への留学とホームスティを実施。16日間の研修中、英語の授業を受け、同世代の生徒やホストファミリーと交流できる。
6. 聖学院中学校高等学校
「有名大学への指定校推薦枠」
進学
世界の大学ランキング65位(2012年実績)の、オーストラリアにあるクイーンズランド大学に、毎年3~4名の指定校推薦枠を確保。
7. 順天中学校・高等学校
「5人の常勤ネイティブ教師、国際交流のための設備」
国際交流・国際理解
中学2年次:福島県のブリティッシュヒルズで英国式の自然を体験。常駐のスタッフは全員イギリス人で、生徒も完全に英語のみを使って生活。
中学3年次:国際理解のための統合学習を、料理やスポーツ、インターネットなどを通じて実施。
高校:海外修学旅行の事前学習や帰国報告会を実施。
オーストラリアやアメリカなど、多くの高校との交流があり、毎年数名、海外からの留学生の受け入れを行う。また、中等部・高等部ともに、帰国子女のための入試を実施しているので、海外生活経験のある生徒が在学している。
設備
常勤のネイティブ(現在5名)や、英語専用教室(ELC)、国際交流のセミナーハウス等の施設
放課後や長期休業中にサテライト講座や課外講座などを受講することで、難関私大の受験に向けた対策を徹底して行える設備を整えている。
8. 女子聖学院中学校高等学校
「イングリッシュ・ラウンジで英語の時間を確保。少人数授業で会話の機会を。」
設備
イングリッシュ・ラウンジという、ネイティブの先生方と自由に英会話のプラクティスできるスペースが有り、ここではすべて英語でコミュニケーションするというルールが有る。
英語の書物や雑誌、DVDで英語世界の視野を広げる目的も持っている。
「英会話科やイングリッシュルームの設置、中3から海外研修など充実した国際教育の環境を実現」
設備
英会話科:課外活動として設置されていて、中3と高校生対象に、月曜日か水曜日の放課後にネイティブの講師から実践的な英会話レッスンを行う。
各クラス15名以内で、3~5クラスがあり、より英語に親しみたい生徒が楽しみながら英会話を身につけていく。
イングリッシュルーム:昼休みにネイティブの先生と一緒に食事ができますから、英語が楽しくて仕方がない中1などでは、毎日のように通っている生徒もいるそう。
カナダ研修:夏休みに3週間、前半は寮生活をしながら、大学で英語の研修を行い、後半はホームステイで観光や現地の方との交流を実施。※中3~高2の希望者
10. 実践女子学園中学校・高等学校
「歴史ある国際交流教育」
カリキュラム
様々な進路(国内)に対応できる「スタンダード実践クラス(SJC)」と、海外進学を見据えた、国際学級「グローバルスタディーズクラス(GSC)」の二つの教育プログラムを設け、目的に合わせた進路選択の可能性を提供する。
11. 渋谷教育学園渋谷中学高等学校
「英語で学ぶ能力の育成」
カリキュラム
「Academic Skillsの育成」を目標に、
・英語で情報を的確に収集し理解する能力
・英語で客観的・論理的に思考し議論する能力
・英語で受信者を意識し適切に情報を発信する能力
を養うカリキュラムを設定している。
12. 成城中学校・成城高等学校
「英検受験でバランスのとれた英語力を育成」
カリキュラム
バランスの取れた英語力の育成という点から、英語検定試験受験指導を行い、全員合格を目指している。
中2:英検4級以上
中3:英検3級以上
平成22年度には、英語検定試験協会奨励賞を受賞している。
13. 東京女学館中学校・高等学校
「6年間で4技能をバランスよく統合したカリキュラム」
カリキュラム
学年ごとに多様なアクティビティを含んだシラバスが組まれており、中1からGTEC受験を実施し、高校生になるまでに英検2級合格を目指す。
中1:おとぎ話のリーディングから、オリジナルで英語劇を制作する。
中2:小説や英詩、英字新聞の読解などを通して、パラグラフリーディングやディベートを行う。
中3:「白旗の少女」英訳版やシェークスピアを読み、英語劇やエッセイのライティングなども行う。
高2:ネイティブスピーカーが担当するspeech&debateがある。
高3:海外の大学への進学を目指す生徒向けの授業も用意されている。
14. 文化学園大学杉並中学・高等学校
「Learning Strategyを重視して、教養としての英語教育を実施」
カリキュラム
グローバルコースに加え、2015年度から「インターナショナルコース(以下、当コース)」を設置予定。当コースでは、英語だけでなく、他教科においても英語で授業を行っていく。
15. 法政大学中学高等学校
「タスク中心学習で、バランスのとれた英語力を習得」
カリキュラム
・中高6年間を通した最終目標が設定は、
英語で書かれた文章を読み、その内容を正確に把握し、それに対する批評を英語で書けるようになること。
プレゼンテーション能力、相手の意見を理解し、自分の意見を述べる対話能力を身につけること。
・中2で英検3級合格、中3で準2級を目指すことを目安に指導
高校ではディベートやディスカッションをしたり、エッセイを書いたりして、4技能を駆使して自分の意見を発表できる英語能力を身につける。
以上、伝統的に英語教育を進めている学校もあれば、新しく英語教育・国際理解教育を促進している学校もあります。
今回は、それぞれの学校の主な特徴となるものを載せました。どの学校も、特徴となる一面をご紹介しただけですので、よく比較して受験校を検討してください。
学校ごとの詳しい情報は、今後の連載で網羅していきますので、お楽しみに。
- この記事を書いた人
岡山 太
「ESL club」事業責任者 兼 「明光義塾」英語教科責任者。
長期留学経験なし、国内独学で英検1級・TOEFL iBT 100点・TOEIC900点を達成。
自身の英語学習経験を生かし、ESL clubのオリジナルカリキュラムを構築。現在は全国の明光義塾の英語指導力強化にも努めている。