こんにちは。英語を教えない英語塾『ESL club』です。
英語習得に必要な時間は約3,000時間と言われています(参考記事:英語の習得に必要な学習時間|ENGLISH TUTOR NETWORK )。
学校での学習時間は1,500時間しかないため、残り1,500時間は自主学習で取り組む必要があります。
しかし、長い過程の中で多くの人は英語力が伸びない「停滞期」を迎えます。
停滞期を機にモチベーションが下がり、英語習得を諦めてしまうケースも珍しくありません。
そこで今回は、英語の停滞期について、英語力と学習時間の関係性を交えながら解説します。
停滞期を抜けてふたたび英語力が伸びる感覚(ブレイクスルー)を味わうための方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
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2024年度第1回試験から、英検の問題形式がリニューアルされています。
最新の情報を参考に、英検対策を進めていくことをおすすめします。
詳しくは英検の問題形式変更についてまとめた記事をご確認ください。
英語の習熟には停滞期がある
正しい方法で継続すれば英語力は必ず向上することは、事実です。
事実ではあるのですが、途中で挫折する人は下の図のように英語力が伸びると思いがちです。
つまり、「学習すればするだけ順調に英語力は伸び続ける」と考えてしまうのです。
しかし、それは違います。
実際は下の図のように向上していきます。
つまり、必ず停滞する時期があるのです。
英語力が停滞する時期は、「プラトー期」とも呼ばれることもあります。
以下の学習本にも、「英語のような手続き的知識の習得にはある程度の熟成と言える時間が必要」だと述べられています。
英語学習論:ースピーキング力と総合力ー
(ちなみにこちらの著者はTOEFL iBT満点保持者です。理論と実践のバランスが取れた良書でオススメです。)
そして、この停滞期に学習者はこう考えます。
「やってもやっても英語ができるようにならない。」
「自分には才能がないに違いない。」
「もう意味ないからやめよう。」
そうして、英語習得を諦め、脱落してしまうのです。
停滞期が訪れる時期は、英語の学習レベルを上げてから2〜3ヶ月目が目安だと言われています。
たとえば英検3級に合格した人が、準2級に向けて勉強して2〜3ヶ月経ったタイミングで、伸び悩む時期が訪れるイメージです。
停滞期の原因
停滞期が発生する原因として考えられるのは、学習計画が明確ではないことです。
「英検○級に合格する!」「志望校に受かるレベルの英語力を身につけたい」といった最終目標だけ掲げていると、上達する過程で成長している実感を得にくくなります。
その結果、モチベーションが低下してしまうようです。
また、同じ参考書や練習法を繰り返すことにより、マンネリ化しまうことも原因として挙げられます。
英語の学習時間と到達レベルの目安
英検協会が公表しているデータをもとに、英検各級のレベルと、到達するまでにかかる学習時間の目安を紹介します。
出典:2025年度 準2級プラス(新設級)の紹介 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
英検5級レベル=3ヶ月
英検5級は、基本的な文構造を習った中学1年生が3ヶ月程度準備して合格できるレベルです。
基本的な文構造とは、肯定文・否定文・疑問文・命令文や単数・複数、一般動詞とbe動詞 などを指しています。
必要単語数は600語程度です。
関連記事:【英検5級レベル】難易度・範囲・問題傾向と合格への勉強法対策まとめ
英検4級レベル=7ヶ月
英検4級は中学1〜2年生から半年ほどかけて準備して、スムーズに合格できるレベルです。
文法では過去形・未来形・助動詞・動名詞・比較などが出題範囲になります。
必要単語数は1,280語程度(5級の出題範囲を含む)です。
関連記事:英検4級のレベルはどれくらい?合格点・試験範囲・学習内容をわかりやすく解説!
英検3級レベル=9ヶ月
中学2〜3年生から準備して卒業前には合格できるレベルです。
文法では受動態や現在完了形、関係代名詞、分詞などが出題範囲になります。
また、ライティングとスピーキングが必須になるため、先生や保護者によるサポートが大事になってくる級です。
必要単語数は2,580語程度(4級以下の出題範囲を含む)となっています。
関連記事:英検®3級の合格点・レベル・合格率は?基準や合格対策のコツ、勉強方法
英検準2級レベル=1年2ヶ月
中学3年生〜高校入学時点から準備をはじめて、1年以上かけて合格するレベルです。
文法には仮定法・分詞・完了形・完了進行形などが加わります。
必要単語数は4,080語程度(3級以下の出題範囲を含む)です。
関連記事:英検準2級のレベル・難易度・問題範囲と合格への勉強法対策を解説
英検2級レベル=1年6ヶ月
英検2級は高校までの学習範囲がすべて入ってくるうえ、トピックも難易度が上がります。
そのため、1年半以上かかることを想定しておくといいでしょう。
必要単語数は5,780語程度(準2級以下の出題範囲を含む)です。
関連記事:英検2級対策!レベル・合格点・問題傾向・学習時間など合格に必要な情報まとめ
英検準1級レベル=2年超
英検準1級の文法は2級までと基本的に変わりません。
しかし、扱うトピックや英単語がよりアカデミックな内容になり、文の構造もさらに複雑になります。
必要単語数も7,630語程度(2級以下の出題範囲を含む)と大幅に増えます。
そのため学習には2年以上かかり、合格せずに諦めてしまうケースも珍しくありません。
関連記事:英検準1級の合格点・レベル・問題傾向・合格に必要な学習時間などを完全まとめ!
英検1級レベル=2年超
2分間にわたるスピーチをはじめ、問題の難易度がずば抜けて高いのが英検1級です。
必要単語数10,030語程度(準1級以下の出題範囲を含む)となっています。
最難関な内容なため、時間をかけて対策しても独学では合格するのが難しいかもしれません。
関連記事:英検1級のレベルや合格点は?取得するメリットや攻略方法も紹介
英語学習の停滞期を乗り越えるには
ESL clubでは、英語の停滞期対策として次の取り組みを行っています。
- 英語の資格試験を長期目標として設定する
- 毎日の自主学習を短期目標として設定する
- 随時新しい教材や学習方法を取り入れる
それぞれ詳しく紹介します。
英語の資格試験を長期目標として設定する
英語の資格試験はTOEICやTOEFLなどが代表的ですが、長期的に英語力を上げていくのであれば、英検がオススメです。なぜならTOEIC・TOEFLと違って級ごとに試験内容が変わるため、学習者がどんな英語レベルでも適切な負荷で学習を進めることができるからです。
ただ、合格までの目標期間を短く設定してしまうと、期待と現実のギャップが大きくて挫折しやすくなります。
前章で紹介した目安期間を参考にしながら、本人にあった目標を決めるといいでしょう。
毎日の自主学習を短期目標として設定する
成果だけでなく、
「1日20分は必ず英語のシャドーイングに取り組もう」
「1日20分は必ず単語帳を開こう」
といった学習プロセスの目標をおくことが大切です。
気分が乗らないときも1日最低30分は確保しておくのが理想的でしょう。
30分を目安にしている理由は、1日10分だけだと停滞期を抜けるまでに時間がかかってしまい、さらにモチベーションが低下してしまうリスクがあるためです。
関連記事:なぜ宿題?ESL clubが「家庭での自主学習」を重要視する理由
随時新しい教材や学習方法を取り入れる
単語帳や参考書中心の英語学習だと、繰り返し使ううちにマンネリ化してしまいます。
繰り返し学習は大事ではあるものの、定期的に新しい教材を取り入れていくことで応用が利きやすくなるでしょう。
また、学習用教材以外にも英語のアニメや映画、絵本、洋楽など、楽しみながら英語に触れられるものはたくさんあります。そういった動画や音声を活用しながら、多読・多聴をしていくのもいいでしょう。
音声の意味がすべてわからなくても楽しく見られるため、映像・イラストつきのものがとくに効果的です。
繰り返し聞くうちに、突然英語が聞き取れるようになるブレイクスルーが訪れます。
英語の停滞期には「失敗を許容する雰囲気づくり」も大事
本人が「失敗したらどうしよう」と不安を抱えると、英語学習に没頭しにくくなります。
そのため、同年代と同じタイミングで英検に合格させようと焦るよりも、毎日の自主学習に没頭できる環境を作れるよう工夫するといいでしょう。
挫折しつつも自分で考えて英語力をアップできれば、そのことが成功体験となって、きっと本人の人生の糧となります。
関連記事:ジュニアテニス指導者が教える世界で活躍するために必要な「自分で何とかする力」の育て方—いなちん先生対談 | ESL club ブログ
まとめ
いかがだったでしょうか。
英語の伸び方を知り、停滞期に突入しても決して焦らずに、毎日の学習を継続してみてください。
もちろん、間違った学習を継続しているがために英語力が伸び悩んでいる場合もあります。
「1ヶ月以上、学習を継続しているのにまったく上がらない…。」
「そもそもどうやって英語を学習していけばいいのかわからない…。」
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