英検®準1級リスニング対策と3つのコツ!合格するためのポイントを解説

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こんにちは、英語を教えない英語塾『ESL club』です。

「英検準1級リスニングでは、どんな問題が出るの?」
「リーディングやライティングは合格点が取れるんだけど、リスニングが足を引っ張って英検準1級に合格できない…」
「そもそも自分はリスニングがずっと苦手だ!英検準1級なんて難しすぎる…」

そんなお悩みをお持ちではないですか?

英検準1級リスニングは使われる語彙や文法も難しく、英文も長くなります。

また、大問2は1つのナレーションに質問が2つ出題される難問、大問3は音声を聞く前に”Situation“を読んだ上で問題に臨む、今までの級にはなかった問題形式になっています。(後ほど詳しく説明します。)

こういった特徴を持つ準1級リスニングに、苦手意識を持っている方も少なくないでしょう。

しかし、準1級リスニングには解法のコツがあるのです。

今回お伝えするポイントをしっかり押さえれば、難易度の高い準1級リスニングも問題なく攻略できます!

この記事を読めば、

・「英検準1級リスニングにどんな問題が出るのかわかった!」
・「英検準1級リスニングのコツがわかった!」
・「英検準1級リスニングの解き方がわかったから、焦らなくなった!」

を実現できます。

ぜひ、読んでみてください!

2024年度第1回試験から、英検の問題形式がリニューアルされています。
最新の情報を参考に、英検対策を進めていくことをおすすめします。
詳しくは英検の問題形式変更についてまとめた記事をご確認ください。

英検準1級リスニング試験とは

英検準1級の一次試験に含まれるリスニング試験の概要を紹介します。

はじめに押さえておきたいポイントや、2級までとの主な違いは以下の3つです。

  • 一次試験の最後30分間がリスニング
  • 流れる音声が30秒〜2分と非常に長い
  • ビジネスや社会問題に関するテーマも扱う

それぞれ紹介していきます。

一次試験の最後30分間がリスニング

1級の一次試験は約120分間で、最後の約30分でリスニングの音声が流れます。前半の90分間でリーディングとライティングの筆記問題を解き終わって、余裕をもってリスニングに臨みましょう。

2級までと同じく、リスニングの音声は会場のスピーカーから流れます。個別に調整することはできないため、リスニング試験がはじまる前の音声確認で、聞き取りづらいほど小さい場合は挙手して試験監督に調整してもらってください。

リスニングの問題はすべて4択で、選択肢は問題文に印刷されています。マークシートで回答する形式で、マークシートのサンプルは、英検協会のホームページで確認可能です。

流れる音声が30秒〜2分と非常に長い

準1級のリスニングで流れる音声のボリュームは、短くても30秒ほど、長いと1分半〜2分ほどです。問題数は全29問で、3つの大問から構成されています。

  • 【大問1】12問
  • 【大問2】12問
  • 【大問3】5問

どの大問でも、それほど細かい内容は問われませんが、全部を完璧に聞き取るのは簡単ではありません。音声が長いため、気が緩んだり忘れてしまったりしやすくなります。

さらに、各問題の回答時間は10秒ほどと限られているため、記憶を辿って考える余裕はほとんどありません。

そのため、準1級のリスニングでは、音声の意図やテーマをリアルタイムで把握する力が問われてくるでしょう。

ビジネスや社会問題に関するテーマも扱う

レベルが「大学中級程度」とされている準1級では、リスニング問題も他の技能と同様に、大学の講義やビジネスシーンを想定した内容や社会問題も扱います。

そのため、内容を十分に理解するために、英語力だけでなく扱うテーマに関する基本的な知識や関心も重要になってくるのが準1級の難しさです。小学生や中学生などまだ若い受験者にとっては、馴染みのない話題が出てくる可能性もあるでしょう。

そのため、英検準1級は過去問や参考書で勉強しつつ、日頃から時事問題をチェックする習慣をつけておくのがおすすめです。

英検準1級リスニングではどんな問題がでるの?

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

(「準1級リスニングでどういった問題が出るのか、既に知っている」という方は、こちらから「英検準1級リスニング対策|合格点をとるための3つのコツ!」までジャンプできます。)

英検準1級リスニングは、以下の3つの大問で構成されています。

・【大問1】会話の内容一致選択
・【大問2】文の内容一致選択
・【大問3】Real-Life形式の内容一致選択

そして、設問数は

・大問1:12問
・大問2:12問
・大問3:5問

合計29問になります。

では大問ごとに、詳しく見ていきましょう。

【大問1】会話の内容一致選択

大問1は「会話の内容一致選択」です。

では、実際に英検本番の音声を見てみましょう。大問1はスピーカー2人の会話になります。

① 男性I’m sorry, Mrs. Redfield, but we can’t renew your driver’s license. (申し訳ありません、レッドフィールド様。あなたの運転免許証は更新できません。) 
② 女性What’s the problem?(どうして?)
③ 男性You pass the written test, but you failed the eye exam.(あなたは筆記テストには合格しましたが、視力検査には合格しなかったからです。)
④ 女性What? I’ve never had any trouble with my vision.(なんですって?今まで視力に問題なんてなかったわ。)
⑤ 男性That test results indicate you can’t see well enough to drive.(この結果によると、あなたは運転するのに十分な視力ではないということです。)
⑥ 女性That’s ridiculous. I drove here today.(馬鹿馬鹿しい。今日、ここまで運転してきたわ。)
⑦ 男性That may be the case, but I can’t give you a new license without proof that your vision is satisfactory. You’ll have to visit an eye specialist and come back with the result.(それはそうかもしれませんが、視力に問題がないという証拠がないと新しい運転免許をお渡しすることはできません。眼科に行ってもらって、結果を持ってきてください。)
Question: What does the woman need to do?(質問:女性は何をする必要がありますか?)
出典:英検準1級2017年度第3回

いかがでしょうか?

準1級リスニング大問1の特徴は、スピーカー同士のやりとりが多いことです。

例えば、2級リスニング大問1では、各スピーカーが必ず2回ずつ、合計4回発言するという流れでした。大問1の全ての設問がこの流れになるので、対策もしやすかったのです。

しかし、準1級リスニング大問1の今回の問題を見ると、男性が4回、女性が3回、合計7回も発言しています。

また、発言の回数は問題によって異なり、4回だったり、5回だったり、今回のように7回だったりと、固定されていません

これはどういうことかというと、

・会話が長くて、内容を記憶しておくことが難しい
・そろそろ会話が終わると思って気が緩んでしまって、最後までしっかりと聞きとれなかった

ということが起こりえるということです。

なので、準1級リスニング大問1は思ったよりも長く会話が続くことをあらかじめ想定して、気を緩めずにリスニングを続ける必要があります。

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

さて、次は選択肢を見てみましょう。問題用紙には以下のように選択肢が書かれています。

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

この中から最も適切なものを選ぶ問題になります。

選択肢はそこまで難しくなく、音声内容をしっかり聞き取れていれば問題なく正解できます。

こういった問題が12問続くのが英検準1級リスニングの大問1になります。

【大問2】文の内容一致選択

英検準1級リスニング大問2は「文の内容一致選択」になります。

大問2は大問1とは異なり、会話ではなくスピーカー1人によるナレーションになります。

音声の流れは以下の通りです。

① ナレーション
② ナレーションの内容に関する質問(2問)

英検2級リスニングにも「文の内容一致選択問題」はありましたが、準1級リスニング大問2の大きな特徴は1つのナレーションに設問が2つ出題されるという点です。

ですので、どういった質問が2つ問われるかわからない中で、ナレーションの内容全体を記憶しておく必要があります。

しかし、これがかなりの高難度なのです。

英語の音声自体は聞き取れても、記憶の保持が難しく、質問を聞いて答えるときに、「あれ?どういった内容だったか思い出せない…」となりがちです。2級リスニングに比べて、かなりの練習が必要になるでしょう。

では、具体的に、英検本番で流れる音声を見てみましょう。

① ナレーション
     The number of car accidents caused by high-speed police chases in the United States has increased in recent years. In some cases, innocent people have been killed when police officers or escaping drivers lost control of their vehicles. As the result, in 2014, some police departments changed their policy on chases. They banned officers from chasing drivers who failed to stop, except when serious crimes had been committed.(近年、高速のカーチェイスによる交通事故の件数が、アメリカ合衆国で増えています。警官や逃走者が車のコントロールを失い、罪のない人々が亡くなってしまうケースもあります。結果として、2014年には、いくつかの警察署が追跡する際のルールを設けました。重大な事件が起きたとき以外は、停止しようとしない車を追いかけることを禁止しました。)
     When criminals realized they would not be chased, however, crime rates increased. To solve this problem, some police departments have been using a piece of equipment called StarChase. StarChase can be installed on police cars and used to shoot a small GPS tracking device at a vehicle. The device sticks to the vehicle, and software allows police to see where the vehicle goes without the need for a dangerous high-speed chase. (しかし、追跡されることはないと犯罪者がわかったため、犯罪数が増加しました。この問題を解決するために、いくつかの警察署はスターチェイスと呼ばれる装置を使っています。スターチェイスはパトカーに搭載され、車に小さなGPS装置を打ち込むために使われます。この装置は車にくっ付き、ソフトウェアが警察にその車がどこに行くかを知らせてくれます。結果、危険なカーチェイスは不要になるのです。)
② ナレーションの内容に関する質問(2問)
     No.13  What happened when some police departments changed their policy?(いくつかの警察署がルールを変えた時、何が起きましたか?)
     No.14   What does StarChase help police do?(スターチェイスは警察が何をするのを助けますか?)     
出典:英検準1級2017年度第3回

このように準1級リスニング大問2のナレーションは非常に長いのが特徴です。

しかし、Questionではそこまで細かい内容は問われません。(例えば上記の問題で、「警察署が追跡についてのルールを設けたのは何年ですか?」といった質問はされません。)

ですので、細かい情報よりも、内容を大枠を掴む気持ちでリスニングをしたほうがいいでしょう。

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

では、次に選択肢を見てみましょう。

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

このように、問題用紙には各質問に対する選択肢が4つずつ書かれています。この中から最も適切なものを選ぶ問題になります。

こういった問題が12問続くのが英検準1級リスニングの大問2になります。(問題数が12問なので、6つのナレーションを聞くことになります。)

【大問3】Real-Life形式の内容一致選択

英検準1級リスニング最後の大問である大問3は「Real-Life形式の内容一致選択」になります。

この問題形式は2級リスニングでは出題されません。準1級で初めて出題される問題形式になります。ですので、問題傾向を理解し、演習をこなしてしっかりと問題に慣れておきましょう。

大問3は以下の流れで解いていくことになります。

① 問題用紙に書かれた”Situation”と”Question”を10秒間、読む
② スピーカー1人による説明音声を聞く
③ 最も適切な選択肢を選び、マークシートを塗る

大問1、大問2との大きな違いは、音声を聞く前に問題用紙に書かれた”Situation”と”Question”を読む時間が10秒間、与えられている点です。

では、問題用紙にはどういった内容が書かれているのでしょうか。実際に見てみましょう。

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

このように、”Situation”、”Question”、そして選択肢が4つ書かれています。

10秒間でこの”Situation”と”Question”を読みます。実際に読んでみましょう。

Situation: Your wife will give birth next month. You want a family health insurance plan that includes dental insurance for under $200 a month. You talk to an insurance agent.状況:あなたの妻は来月、出産します。あなたは月200ドル以下の歯の治療保険も含む家族健康保険プランに入りたいと思っています。あなたは保険代理店と話しています。)
Question: Which plan should you choose?質問:あなたはどのプランを選ぶべきですか?)

これらの内容を頭に入れた上で英語音声を聞きます。

音声はスピーカー1人による説明になります。(今回の問題は、保険代理店のスタッフによる説明になります。)

では、実際の音声を見てみましょう。

Normally, for a couple in your age group, I’d recommend Medical Basic or Health Plus. The Medical Basic plan is $130 a month, and offers general medical coverage, but doesn’t include dental or eye care. However, those options are included with Health Plus, which is $160 a month. We also have the Premium Care plan, which includes dental, and is $190 a month. Total Medical, which includes all extras, is $230 monthly. If you’re planning a family, either of these last two plans would cover any children you might have in the future.(普通、あなたたちの年代の夫婦であれば、私は”Medical Basic”か”Health Plus”をオススメします。”Medical Basic plan”は月130ドルで、一般的な医療保障をご提供できます。しかし、歯や目の医療保険は含まれていません。一方、こういったオプションは”Health Plus”には含まれており、こちらは月160ドルです。また、”Premium Care plan”もあります。これは歯の医療保険も含んでおり、月190ドルです。全ての特典を含む”Total Medical”は月230ドルになります。もしあなたが家族を持たれる予定であれば、最後2つのプランはどちらも将来、産まれてくるお子様の対象になります。)

このように、今回の問題では保険プランの説明が音声として流れます。

“Situation”からわかる条件は、

① 子供が産まれ、家族全員を対象とするプランに入りたい
② 歯の医療保険も含まれるプランに入りたい
③ 月200ドル以下のプランに入りたい

の3つです。

この条件を満たすプランは3の”Premium Care.”であることがわかります。

大問3のポイントは、音声が流れる前の10秒間でしっかりと条件をおさえておくことです。

そして、音声を聞きながら選択肢を除外していきます

例えば、「~ but doesn’t include dental or eye care.」を聞いた時点で、最初に出てきた”Medical Basic”は除外できるわけです。

(大問3のコツは、後で詳しくご説明します。)

大問2に比べると音声自体も短いですし、1つの音声に質問も1つしかありません。ですので、音声が流れる前の10秒間を使って、しっかりと条件を把握し、聞くべきポイントを意識できれば、大問2ほどは難しい問題ではないでしょう。

こういった問題が5問続くのが英検準1級リスニングの大問3になります。

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

ここまでで、英検準1級リスニングではどういった問題が出題されるのか、わかって頂けたかと思います。

ではここからは、英検準1級リスニングをどのように対策していけば高得点が獲得できるのか、そのポイントについてお話します。

リスニングで何点取れば、英検準1級に合格できるの?

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

目標を明確にすることで、英検の試験対策のモチベーションを高められるでしょう。

ここでは、英検準1級リスニング試験の合格点や目標スコアについて解説します。

英検では正確な合格基準点は把握できない

2級までを合格してきた方ならご存知のように、現在の英検は「CSEスコア」と呼ばれる採点方法が採用されています。

CSEスコアでは、リーディングやリスニングといった各技能のスコアが均等になっていて、準1級の技能ごとの満点スコアは750点です。英検協会の発表によると、2級一次試験の合格基準スコアは1792点(満点スコアの79%)です(出典:英検CSEスコアでの合否判定方法について | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会)。

準1級の問題数はリーディング41問、ライティング1問、リスニング29問とバラバラで、問題ごとの配点は公表されていません。そのため、正確な合格基準点は把握することは難しいのが現状です。

過去問や模擬試験を自己採点するときは、1問1点で計算して正答数で判断するのが一般的です。この採点方法「素点」と呼びます。

素点とCSEスコアの関係については、以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

関連記事:英検CSEスコアを徹底解説!【素点ーCSEスコアグラフも大公開!】

リスニングは正答率83%以上が理想

ESL clubでは、受講生の過去の受験結果をもとに、英検準1級一試験の素点での目標点を以下のように設定しています。

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

※CSEスコアの性質上、「上記の点数をとれば必ず合格できる」とお約束するものではありません。あくまで参考程度にしてください。

英検が公表した準1級一次試験の合格基準スコアは満点の79%ですが、ESL clubではリスニングの素点での目標点を83%とやや高めに設定しています。

ESL clubが全体の水準を超える目標を掲げられるのは、まるで音読するように聞き取った音声を発する「シャドーイング」を取り入れてリスニング力を鍛えているためです。

今回の記事では、高いリスニングスキルを養えるESL clubで実践中の、リスニング試験対策のコツを紹介します。

 

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英検準1級リスニングで合格点をとるための3つのコツ! 

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

英検準1級リスニング問題で合格点に到達するためには、以下の流れで解いていくのが近道です。

  • 【全問共通】選択肢を先読みする(大問1・2は内容の予想、大問3は条件のチェック)
  • 【全問共通】音声を聞くときは和訳するのではなく、内容をイメージする
  • 【大問3のみ】条件を頭に入れて、消去法で選択肢を消しながら音声を聞く

それぞれ解説していきます。

【全大問共通】選択肢を先読みする(大問1・2は内容の予想、大問3は条件のチェック)

英検準1級リスニング最初のポイントは、選択肢の先読みです。

英検準1級では、まず筆記試験(リーディング・ライティング)が行われ、筆記試験の終了時間がくると自動的にリスニング試験に進みます。

しかし、問題冊子は筆記試験もリスニング試験も全て1冊にまとまっています。つまり、筆記試験の途中でもリスニングの選択肢を先に見ることができるということです。

ですので、筆記試験を早めに終わらせて、余った時間でリスニングの選択肢を先読みしておきましょう。(リスニングの先読みをするために、実際に筆記試験を何分で終わらせればいいのかを知りたい方は、こちらの「【英検一次試験】合格点と時間配分を公開!2018年度最新版!」を確認してください。)

さて、準1級リスニングの先読みですが、大問1・2と大問3では先読みするポイントが異なります。

まず、大問1・2の先読みのポイントからお伝えします。

大問1・2の先読みのポイントは、「本文と質問の内容を予想する」ことです。

実際にやってみましょう。以下の選択肢を見てください。こちらは大問1の選択肢になります。

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

ここから、本文と質問の内容を予想します。

選択肢の意味は、

1 What Sally did was wrong.(サリーがしたことは悪い。)
2 Sally will soon realize her mistake.(サリーはすぐに自分の間違いに気づくだろう。)
3 The breakup was partly Bill’s fault.(破局の原因の一端は、ビルにもある。)
4 Bill should talk directly to Mario.(ビルはマリオと直接話すべきだ。)

となります。

これらの選択肢から、どういった本文が出題されそうか、予想できますでしょうか?

選択肢の内容や、”breakup(破局)”といった単語から、カップルが別れた話であることが予想できますね。

また、登場人物にも注目しておきましょう。”Sally(女性)”、”Bill(男性)”、”Mario(男性)”と、選択肢には3名の名前があります。性別も含めて、確認しておいたほうが話の内容を追いやすくなります。

次に、どういった質問が問われそうか予想してみましょう。

“Sally will soon realize her mistake.(サリーはすぐに自分の間違いに気づくだろう。)”、”Bill should talk directly to Mario.(ビルはマリオと直接話すべきだ。)”といった、個人の意見が選択肢に含まれていることがわかります。

このことから、「どう思っていますか?」といった質問がくることが予想されます。

このように、選択肢から本文と質問の内容を予想しておくのです。

大問2の先読みも同様です。選択肢を見てみましょう。

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

選択肢の意味は、

No. 15
1 A way to make a stronger kind of metal.(より頑丈な種類の金属を作る方法)
2 A way to mine metals more efficiently.(より効率的に金属を採掘する方法)
3 A type of copper that could not be melted easily.(簡単には溶けない銅)
4 A type of tin that was cheaper to produce.(安く生産できるスズ)

No. 16
1 Many people moved to Mesopotamia.(多くの人がメソポタミアに移った)
2 There was an increase in trade.(市場が拡大した)
3 Copper became more expensive.(銅がより高価になった)
4 Iron became more difficult to find.(鉄を見つけるのが難しくなった)

です。

大問2では、両方の質問の選択肢を見て本文の内容を予想しましょう。

“metal”, “copper”, “tin”, “iron”といった材料名や、”mine”という単語から、材料の特徴や、採掘方法を含むナレーションであることが予想できます。

また、No.16の選択肢に”Many people moved to Mesopotamia.(多くの人がメソポタミアに移った)”があることから、歴史的過去の話であることが予想できます。

次に質問を予想してみましょう。

No.15の選択肢は全て、名詞です。こういった選択肢であれば、「〜は何ですか?」といった質問がくることが予想できます。

No.16は、選択肢から、「何が起きましたか?」といった質問が問われそうです。本文の内容が歴史的過去であるなら、こう問われる可能性はより高まるでしょう。

このように、大問2でも大問1と同様、本文と質問の内容を予想しておきましょう

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

次に大問3です。

大問3の先読みのポイントは、「条件を確認し、下線を引いておく」ことです。

実際にやってみましょう。下の選択肢を見てください。

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

この中から、音声を聞く際のポイントとなる条件をチェックしておきます。

まずは、和訳を確認して見ましょう。

Situation: You need to find an apartment by the end of this month. You want a private parking a lot. A real estate agent leaves the following voice mail.状況:あなたは今月の終わりまでにアパートを見つける必要があります。あなたは個人用の駐車場が欲しいと思っています。不動産業者が次の留守電を残しました。)
Question: Which apartment should you choose?質問:あなたはどのアパートを選ぶべきですか?)
1 The one on White Road.(White Roadにあるアパート)
2 The one on Clay Street.(Clay Streetにあるアパート)
3 The one on Shelly Drive.(Shelly Driveにあるアパート)
4 The one on Collins Avenue.(Collins Avenueにあるアパート)

このうち、ポイントとなる条件はどこでしょうか?

以下の赤字の部分です。

Situation: You need to find an apartment by the end of this month. You want a private parking a lot. A real estate agent leaves the following voice mail.状況:あなたは今月の終わりまでにアパートを見つける必要があります。あなたは個人用の駐車場が欲しいと思っています。不動産業者が次の留守電を残しました。)

つまり、この問題では、

① 今月の終わりまでにアパートが必要
② 個人用の駐車場が必要

この2点の条件を意識して音声を聞くことが重要なのです。

大問3では条件に合わない選択肢が必ず含まれています。

例えば、今回の問題であれば、「個人用の駐車場はあるが、今月の終わりまでには借りれないアパート」や「今月の終わりまでに借りられるが、個人用の駐車場がないアパート」などが選択肢に含まれているでしょう。

ですから、聞くべきポイントを正確に押さえるために、選択肢を先読みして、条件をチェックしておけばいいのです。

実際に先読みをするときは、ポイントになりそうな条件に下線を引いておきましょう。

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

そうすれば、実際に音声を聞く時に、問題用紙を見ればすぐに意識すべき条件を思い出せます。

ちなみに、大問3の選択肢は今回の問題のように固有名詞(”White Road”や”Clay Street”など)が多いです。こういった固有名詞の先読みはそこまで重要ではないので、選択肢の先読みは後回しにしましょう。

他の先読みが終わって、まだリスニング試験開始までに時間があれば、こういった固有名詞も一応、先読みしておきましょう。

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

【全大問共通】音声を聞くときは和訳するのではなく、内容をイメージする

ポイントの2つ目は、準1級リスニング全ての問題に共通するコツになります。

あなたはリスニングの音声を聞いているとき、頭の中で何を考えているでしょうか?

準1級リスニングでは、音声は一度しか流れません。そして、準1級リスニングともなると、これまで見たきたように、音声で流れる英文も長くなり、また、音声スピードも速いです。

そんな中、もしあなたがリスニング中、和訳をしながら内容を理解しようとしてしまっているとしたら、以下のような状態に陥ってしまいます。

音声:About 5,000 years ago, it was discovered that bronze could be produced by melting copper and adding a metal such as tin to it.
頭の中:「5,000年前に、それが発見された・・・ん?”that”?この”that”ってどういう意味だ?あ、聞いてなかった・・・ん?”copper”?”tin”?”どういう意味だ?」
音声:Bronze is harder and more durable than the metals used to make it.
頭の中:「うわ!もう次の英文になっちゃった…。頑丈で、”durable”?”あれ”durable”って何だっけ?」
音声:By using bronze, some civilizations, such as those in Mesopotamia, began to … .
頭の中:「あ!もう早くて、何の話かぜんぜんわからない…」

この人は、リスニングをしながら和訳し、日本語で内容を考えてしまっています。結果、音声についていけなくなってしまっているのです。

では、どうすればいいのでしょうか?

ポイントは、「和訳するのではなく、内容をイメージすること」です。

「内容をイメージする」とはどういうことでしょうか?

例えば、先ほどの音声であれば、以下のようなビジュアルを頭の中にイメージするのです。

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

このように、音声を聞きながら和訳することなく、英文を前からどんどんイメージ化していきます。(今回は説明の都合上、画像を使っていますが、実際はまるで映画を観ているかのように動画としてイメージしていくといいでしょう。)

ここで重要なのが、”copper”や”tin”の意味がわからなくても、「何か材料だろう」ということだけ押さえながらイメージしていけば、話の大枠を掴めるのです。いちいち和訳をしようとすると細かい点に引っかかってしまい、話の大枠すらわからなくなります。

そして、既にお伝えした通り、英検準1級リスニングでは、詳細な内容まで問われることはありません。(例えば、「”broze”を作るために必要な材料は何と何か?」といった質問は出ません。)

ですので、たとえ”copper”や”tin”の意味がわからなくても、イメージしながら大枠の内容を掴んでいければ、問題なく正解できるのです。

では、どうしてリスニングにおいて内容をイメージすることが大切なのでしょうか?

下の図を見てください。

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

リスニングの際、音声を聞きながら和訳をするプロセスは上図の①の流れになります。

つまり、脳内で一度和訳をして、それからイメージして、内容を理解しているのです。(我々日本人は、無意識に日本語をイメージ化できます。例えば、「日本一怖いお化け屋敷」と聞けば、頭の中で勝手にイメージが浮かぶはずです。日本語であれば、すぐにイメージが浮かんで、意味が掴めるのです。)

この①の流れだと、一度和訳をして日本語を介するため、理解するまでに時間がかかります。結果、音声についていけずに点数を落としてしまうのです。

一方、②のプロセスだと日本語を介しません。直接、英語をイメージとして捉えるため、理解のスピードが速くなるのです。結果、英語の音声にも問題なくついていけます。

この「内容をイメージする」というポイントですが、言われてすぐにできるものではありません。特に、今まで和訳中心の英語学習をしてきた人は和訳癖が付いていますので、簡単には英語を直接イメージできるようにはならないでしょう。

しかし、意識しないとできるようになることはありません。

「和訳をせずに内容を直接イメージして、意味を掴む」

これを意識してリスニングの学習に取り組むことで、日本語を介さずに、英語を英語のまま理解できるようになります。

ぜひ、意識して学習を進めましょう。

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

【大問3】条件を頭に入れて、消去法で選択肢を消しながら音声を聞く

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

最後のポイントは大問3を聞くときのコツです。

大問3はコツ①で、「先読みでポイントとなる条件に下線を引く」とお伝えしました。
ですので、音声を聞く際、問題用紙は以下のようになっているはずです。

 

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

さて、大問3の音声が始まるまでには10秒間あります。まずこの10秒間で、条件を頭に刷り込みます

この問題であれば、

① 今月の終わりまでにアパートが必要
② 個人用の駐車場が必要

という条件を何度も心の中で唱え、頭の中に刷り込みます。

そして、音声を聞きます。

音声を聞くときのポイントは、消去法で選択肢を除外していくことです。

この問題であれば、「今月の終わりまでに借りられないアパート」もしくは「個人用の駐車場がないアパート」を選択肢から消去していきます。

では、実際の音声を見てみましょう。音声を聞いて、☆マークで消去する・しないを判断しています。

There’s a great place on White Road with spacious rooms and a private parking lot. But it’s not available for a couple of months.White Roadに広い部屋で個人用の駐車場もある素晴らしい場所があります。しかし、ここは数ヶ月間、借りることができません。)
☆ 今月の終わりまでに借りられないため、選択肢”1″のWhite Roadは消去!
Three other options are available immediately.(他の3つは、今すぐ利用可能です。)
The first is on Clay Street. It’s little smaller but has large windows, so it’s bright. It also has a private parking lot.(1つ目はClay Streetにあるアパートです。これ少し小さいですが、大きな窓があり、明るい部屋です。また、個人用の駐車場もあります。)
選択肢”2″のClay Streetは、今のところ条件をクリアしているので、消去せずにキープ!
We have another possibility on Shelly Drive, which is fairly new.(もう1つ、Shelly Driveにもかなり新しいアパートがあります。)
選択肢”3″のShelly Driveは、まだ駐車場について言及されていないため、消去せずにキープ!
And finally, there’s a nice little place on Collins Avenue. The Shelly Drive and Collins Avenue apartments have free parking lot, but it’s on the street, not private.(そして最後に、Collins Avenueに素敵な小さめのアパートがあります。このShelly DriveCollins Avenueのアパートメントは無料の駐車場がありますが、通り沿いにあり、個人用でありません。) 
選択肢”3″のShelly Drive選択肢”4″のCollins Avenueは、個人用の駐車場がないため消去!
Let me know what you think.(あなたの考えをお聞かせください。)

以上から、選択肢1, 3, 4は消去されたため、残った選択肢2の”The one on Clay Street”が正解だとわかります。

音声を聞きながら、実際に鉛筆で選択肢を消去しながら聞くのも1つの手です。

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

このように、

① 選択肢が聞こえたら、その番号の左下隅に鉛筆をあてる
② 条件に合わない内容が聞こえたら、番号に斜線を引き、消去する(条件に合わない内容が聞こえなかったら、そのまま)
③ 次の選択肢が聞こえたら、その番号の左下隅に鉛筆をあてる
④ 条件に合わない内容が聞こえたら、番号に斜線を引き、消去する(条件に合わない内容が聞こえなかったら、そのまま)
⑤ ・・・(繰り返し)

というやり方で、実際に鉛筆で選択肢を消去していきます。そうすれば、正解ではない選択肢を確実に除外できます。

しかし、選択肢にばかり集中していると音声を聞き逃してしまうこともあるので、この点には注意が必要です。

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

【最後に】リスニングでは、失敗を引きづらないことが大切!

英検3級リスニング対策 解き方 コツ

最後にリスニング全体に言えるポイントをお伝えします。

それは、「諦めが肝心」ということです。

英検準1級受験者の中で、準1級リスニングの音声を100%、完璧に聞き取れる受験者はまずいません。(もしそうであれば、その人は準1級でなく、1級を受けるべきです。)

ですので、音声を聞き取れない場合ももちろんあります。あって当然なのです。ここで焦ってはいけません。

その時に一番やってはいけないことは、正解がわからない問題で粘りすぎて、次の問題も間違えることです。

例えば、こういう状況です。

音声を聞き取れず、あなたは正解がわかりません。

あなた:「あれ…?どれが答えだろう…。わからない…。」

そうこう悩んでいるうちに音声は次の問題に進んでしまいました。

あなた:「あ!ちょっと待って!もう少しでわかりそう…。うーん、やっぱりダメだ、わからない!『1』でいいや!」

そうしてなんとかマークシートの『1』を塗って、次の問題を聞こうとするも、既に音声は先に進んでしまっています。

あなた:「あれ…。途中からだからまたわからない…。わからない…。どうしよどうしよ…。」

そして、そのまま次の問題も間違えてしまいました。

・・・

これは、音声を聞き逃した失敗をずるずる引きづり、その後何問も同じように間違ってしまう典型的な悪循環パターンです。

ポイントは、例え正解がわからなくても、音声が次の問題に進む直前にはとりあえず適当に解答してしまい、次の問題に集中することです。

遅くても「No.○」と次の問題番号のアナウンスが聞こえたら、適当に選択肢を選び、急いでマークシートを塗ってしまいましょう。そして、次の問題の音声に集中するのです。

例え、今の問題を間違えてしまったとしても、気持ちを切り替えて次の問題に集中する方が全体の正答率は高くなります。

ですので、決して粘りすぎないこと。次の問題の音声が聞こえたら、諦めてさっさと解答すること。失敗を引きずらず、気持ちを切り替えて、次の問題に集中すること。

このことを忘れないでください。

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

まとめ

英検準1級 準一級 リスニング 対策 コツ

いかがだったでしょうか。

今回は、英検準1級リスニングの問題形式と解く上でのポイントを説明してきました。

しかし、解き方を知っただけで満足してしまうのはもったいないです。

必ず今回お伝えした解き方を確認しながら、何度も過去問に取り組んでみてください。

「もう解き方を体が覚えてしまった!」と思えるぐらい、何度も反復してみてください。

もし、「解き方を意識して何度も問題演習をしているのに点数が上がらない…」ということであれば、英検準1級合格に必要なそもそもの英語力(語彙力など)が不足している可能性があります。

そういう方は「【英検対策本】オススメ教材・参考書の完全まとめ版!(1級・準1級・2級・準2級・3級・4級・5級)」を参考にして、そもそもの英語力向上に取り組みましょう。

リスニングの解き方をマスターするのはそれからです。

「正しい努力」を継続して、ぜひ英検準1級合格を勝ち取ってください!

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