こんにちは。英語を教えない英語塾『ESL club』です。
英語圏で過ごした帰国生が、日本への帰国後に思ったほど英語の成績が振るわないケースはよくあります。
その原因の1つは、日本で暮らすうちに英語のインプット量もアウトプット量も大幅に 減ってしまうことです。
帰国生が海外経験を通して身につけた英語力は、どうしたら維持できるのでしょうか。
この記事では、帰国生のよくある悩みや、帰国後の英語勉強法について解説します。
おすすめの進学先や、学校と併用できる方法までさまざまな勉強法を紹介しますので、我が子に適した方法を見つけてみてください。
目次
帰国子女のよくある悩み
親の海外駐在に帯同した子どもが、帰国後に抱えやすい悩みは次の3つです。
- 読み書きが苦手
- 英語を忘れてしまう
- 日本の学校に馴染めない
それぞれの原因を紹介します。
読み書きが苦手
英語圏で過ごした年齢が原因で、子どもの英語力が技能によってバラつきが生まれることもあります。
言語学では、言葉の基本的な構文(単語を発話する正しい順序)を2~3歳ごろには理解し、発音は3~6歳ごろ発達すると言われています。
そのため、7歳ごろまでの幼児期を英語圏で過ごした帰国生は、「話す」「聞く」に関してはネイティブと互角な高度な能力を持っているケースが多いでしょう。
一方で「読む」「書く」を身につける機会が少なく、英語4技能のバランスが悪くなってしまいます。
関連記事:【英語】帰国子女が教える、英単語の覚え方
英語を忘れてしまう
帰国後に英語を話す機会が減ったことで、現地で身につけた英語の知識が抜けていってしまうケースもあります。
帰国生は「英語を勉強する」という意識をしないままでも英語力を習得しやすいため、勉強する習慣が身についているとは限りません。
また、日本に帰ってからは日本語を習得する必要もあるため、英語の勉強が後回しになり、せっかく身につけた英語力を忘れやすくなります。
日本の学校に馴染めない
英語圏の国と日本では、学校の校風がかなり変わってきます。
英語圏の学校は、日本と比較するとかなり自由な雰囲気です。
制服がなかったり、ランチは給食や購買・お弁当など選択肢が多かったり、授業中の飲食や出入りもできたりするケースも珍しくありません。
そうしたカルチャーギャップが原因で、帰国後に学校制度や教室の雰囲気に窮屈さを感じて、馴染めないことがよくあります。
帰国子女向けの英語勉強法を選ぶポイント
子どもが駐在中に身につけた英語力をキープするには、継続的な英語学習が欠かせません。
帰国生の英語勉強法を選ぶ際は、次の5つの着眼点で比較・検討してみてください。
- 英語に触れられる時間の長さ
- 帰国生の先生がいるか
- 他の帰国生と交流できるか
- オンライン授業に対応しているか
- 費用
それぞれ解説していきます。
英語に触れられる時間の長さ
帰国後に英語力を維持しにくい原因の1つが、英語を話す機会がないことです。
そのため、英語に触れる時間を意識的に伸ばすことで、英語力を維持しやすくなるでしょう。
帰国子女の先生がいるか
英語学習施設を検討する場合、帰国生の先生がいるかどうかをチェックするのがおすすめです。
先生自身が帰国生であれば、帰国生特有の悩みや不安に親身に寄り添いながら教えてもらえるでしょう。
他の帰国子女と交流できるか
1人きりで英語を勉強しても、駐在中のように英語でコミュニケーションを取る機会がないため、モチベーションが下がりやすくなります。
そのため、他の帰国生仲間と一緒に学べたり、コミュニケーションを取ったりする機会を定期的に作ることが理想的です。
オンライン授業に対応しているか
住む地域によっては、対面授業のみの学校・教室に絞って探そうとすると選択肢が限られてしまいます。
オンライン授業に対応しているサービスであれば、地域を問わず利用可能です。
近隣に理想的な教室がない場合、全国のオンライン授業を実施している英語学習施設を探しましょう。
費用
帰国生向けの英語教育はニッチなサービスなので、比較的費用が高額な傾向にあります。
家計のなかで他の教育費と含めてバランスを見ながら、コストパフォーマンスを考慮しつつ、適切な費用のものを選んでみてください。
帰国子女の英語維持におすすめの勉強法
帰国生におすすめの英語維持方法は、次の6つです。
- インターナショナルスクール
- 帰国子女向けプログラムを実施する学校
- 英語家庭教師
- 英語学童(アフタースクール)
- 英語教室
- 自宅学習
それぞれの特徴や期待できる効果、費用目安を紹介します。
インターナショナルスクール
インターナショナルスクールは、基本的に日本に駐在する外国籍の子ども向けの学校です。
しかし、海外居住経験のある日本国籍の子どもにも、門戸を開いているインターナショナルスクールもあります。
インターナショナルスクールは、ネイティブや帰国生とともにオールイングリッシュの環境で過ごせます。
先生もネイティブが中心なので、駐在先で身につけた英語力を維持するには理想的な環境です。
ただし、住む場所によって通える学校が限られてしまいます。
首都圏であれば選択肢が多いものの、それ以外の地域では通える距離にインターナショナルスクールがあるとは限りません。
高校であれば通信制のインターナショナルスクールもあり、オンラインで授業を受けることも可能です。
また、費用も非常に高額です。
さらに、入学先によっては卒業後の進路が制限される可能性もあるため注意しましょう。
関連記事:インターナショナルスクールとは?入学条件や学費、入学するメリット・デメリットを解説
帰国子女向けプログラムを実施する学校
国際バカロレア認定プログラムや、帰国生入試で入学した児童・生徒向けに英語教育プログラムを実施している学校のことです。
国際バカロレア認定校は全国に216校あり、そのうち74校は文部科学省から一条校と認定されています(2024年1月現在)。
国際バカロレア認定を受けている一条校や、帰国生向け英語教育を実施する学校であれば、卒業後に日本の学校へスムーズに入学できることもメリットです。
また、似た悩みや英語力を持った帰国生と一緒に学べて、日本語もしっかり学習できるため、ダブルリミテッドを避けるために効果的でしょう。
費用は学校によって異なるものの、インターナショナルスクールと比べると大幅に抑えられます。
英語家庭教師
自宅でマンツーマンの英語指導を受けられるため、子どもの英語力に合わせて無理のないペースで勉強できるのが英語家庭教師です。
家庭教師サービスのなかには、帰国生向けに元帰国生の講師を紹介してくれるものや、オンライン授業に対応した帰国生専門のサービスもあります。
費用相場は1回あたり3,000〜10,000円ほどと幅広いため、収入に適したサービスを選びやすいのもポイントです。
ただし、講師の質や子どもとの相性によって、学習効果が変わってきます。
質の高い英語教育が受けられるよう、事前にしっかり比較検討することが重要です。
英語学童(アフタースクール)
英語学童とは、英語学習に特化した民間の学童で「アフタースクール」とも呼ばれています。
レクリエーションを通して、先生・他の子どもと英語でコミュニケーションしながら、英語を学ぶ施設です。
通う頻度は選べるため、週5日通うことも可能です。
そのため、インターナショナルスクールと比べると時間は少ないものの、毎日オールイングリッシュの環境で英語を学べます。
ただし、海外在住経験のない子も多く通っているため、高度な英語力を持つ帰国生は物足りなさを感じる可能性もあるでしょう。
英語教室
帰国生向けの英語教育を行う学習塾もあり、勉強範囲や教え方は教室によって差があります。
そのため、帰国生が苦手とするライティングやリーディングを中心に、英語4技能を満遍なく学べるところを選ぶのがおすすめです。
また、帰国生向けの英語学習に力を入れている教室であれば、他の帰国生との繋がりも生まれやすいでしょう。
費用相場は学年によって異なるものの、小学生の場合は30,000円ほどが目安です。
関連記事:【小学生で英検2級】3年間海外在住だった帰国子女の小学生が英検2級に合格したエピソード
自宅学習
動画や絵本、ネイティブ向けテキストなどを使った自宅学習で英語力をキープすることも可能です。
自宅学習は学校や教室に通うのと比べると、費用を大幅に抑えられます。
英検・TOEFL・TOEICなどの受験を目標に掲げることで、メリハリをつけながら勉強できるでしょう。
ただし1人で勉強するのはモチベーションが上がりにくいため、楽しみながら取り組める工夫が必要になってきます。
くわえて、現地の友達と頻繁に英語で通話やチャットをするなど、身につけた英語をアウトプットする機会を設けることも大切です。
帰国子女の英語維持に力を入れる小学校・中学校・高校
一般的な私立校のなかにも、帰国生が英語力を維持できるプログラムを実施している学校があります。
英語学習を学校に一任できるため、放課後の時間を部活や習い事など英語以外のことに使えることが魅力です。
今回は、代表的な学校を8校ピックアップしましたので、進学先を決めるための参考にしてください。
校種 | 学校名 | 所在地 |
小中高一貫 | 東京都昭島市 | |
中高一貫 | 東京都港区 | |
神奈川県川崎市 | ||
東京都港区 | ||
小学校 | 京都府木津川市 | |
東京都練馬区 | ||
中学校 | 東京都練馬区 | |
高校 | 東京都小金井市 |
関連記事:【2023年東京】英語だけで受験できる中学・高校|英語教育に特化した学校を紹介
帰国子女の英語維持に力を入れる教室
さいごに、帰国生向けの英語力サポートを実施する英語教室を3つ紹介します。
ESL club
ESL clubは、英検対策を通した英語基礎力向上に力を入れる英語塾です。
講師は元帰国生、バイリンガル、TOEIC900点以上など高い英語力を持っています。
年齢層も若いため、子どもにとっても身近な存在として悩みや不安を打ち明けやすいのも魅力です。
- 授業時間:90分/週(1日平均30〜40分ほどの宿題あり)
- 元帰国生の先生:在籍
- オンライン授業への対応:あり
- 費用:58,300円〜
海外子女教育振興財団(JOES)
英語圏・フランス語圏に渡航する子どもの語学力の支援を行う「海外子女教育振興財団」が運営する英語教室です。
非営利法人が運営するため費用が安く、親が財団と提携する企業に勤めている場合は割引もあります。
渡航前の支援も行っているため、帰国生について困ったらまずは同財団に相談するのがおすすめです。
- 授業時間:80分/週
- 元帰国生の先生:在籍
- オンライン授業への対応:あり
- 費用:56,650円/3か月
帰国子女アカデミー(KA)
帰国生専門の英語教室として2004年に設立された教室です。
英語だけでなく国語や算数のレッスンも実施していて、海外と日本での学習ギャップを埋められます。
また、インター校のようにハロウィンやクリスマスなどのイベントを開催していることも特徴です。
- 授業時間:115分/週
- 帰国生の先生:不明(帰国生入試の受験指導経験のある日本人講師が担当)
- オンライン授業への対応:あり
- 費用:39,270円/月
まとめ
帰国生が現地で身につけた英語を維持するには、帰国後も継続的に英語を学びつづけることが大切です。
ただし、一般の学級に編入した場合、身近に英語を話せる友人は基本的にいません。
そのため、英語を話す機会も聞く機会も減ってしまいます。
そこで、帰国生の子どもや元帰国生の先生が集まる環境に身を置くのがおすすめです。
帰国生枠が多い学校や、帰国生向けの英語教室に通わせることで、帰国前と同じように周囲とのコミュニケーションを通して英語力を維持できるでしょう。
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