こんにちは、英語を教えない英語塾『ESL club』です。
帰国子女や外国籍の子どもが通うインターナショナルスクールの学費は、一般的な私立校と比べても2倍近くに上ります。
英語教育に力を入れる方の中には日本生まれ・日本育ちの子どもを
「英語力を伸ばすために、ネイティブに囲まれた環境で過ごしてほしい」
「海外の言語と文化を身近に感じながら、国際社会で活躍できる子になってほしい」
という願いからインターナショナルスクールに通わせたいものの、非常に高額な学費に見あう効果を得られるのか疑問で困っているケースもあるでしょう。
今回は、インターナショナルスクールの学費相場や、学費が高い理由、インターナショナルスクールに通うメリット・デメリットを紹介します。インターナショナルスクールよりもコストを抑えて気軽に通える英語学習施設も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
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インターナショナルスクールの学費相場
インターナショナルスクールの学費(授業料)の相場は、年間200〜250万円ほどと非常に高額です。また、学費相場は地域によっても差があり、物価の高い東京ではインターナショナルスクールの学費も高くなる傾向があります。
【2023年度】東京都内の主要校の授業料一覧
東京都内にある代表的なインターナショナルスクール10校での、小学生(Grade1〜6)の年間授業料を紹介します。
学校名 | 所在地 | 年間授業料 |
アオバジャパン・インターナショナルスクール | 練馬区 目黒区 文京区 | 2,200,000円 |
アメリカンスクール・イン・ジャパン | 調布市 | 2,855,000円 |
カナディアン・インターナショナルスクール | 品川区 | 2,200,000円 |
ケイ・インターナショナルスクール東京 | 江東区 | 2,200,000円 |
セントメリーズ・インターナショナルスクール | 世田谷区 | 2,380,000円 |
ブリティッシュ・スクール・イン 東京 | 港区 世田谷区 | 2,605,000円 |
清泉インターナショナルスクール | 世田谷区 | 2,350,000円 |
聖心インターナショナルスクール | 渋谷区 | 2,170,000円 |
西町インターナショナルスクール | 港区 | 2,560,000円 |
東京インターナショナルスクール | 港区 | 2,710,000円 |
以上の授業料にプラスして、施設使用料や教材費なども必要です。合計すると300万円以上かかるケースもありますので、詳しくは各校のホームページをご覧ください。
一般的な私立の学費相場は?
インターナショナルスクールの学費は、一般的な私立校と比べるとどれくらい高額なのでしょうか。
文部科学省の調査によると、私立校で1年間にかかる学費の相場は以下の通りです。
- 小学校:166万6,949円
- 中学校:143万6,353円
- 高校(全日制):105万4,444円
※出典:令和3年度子供の学習費調査の結果について|文部科学省
このように、小学生の子どもをインターナショナルスクールに通わせる場合、一般的な私立小学校より学費が年間で50〜100万円程度高額になります。
インターナショナルスクールの学費が高い理由
インターナショナルスクールの学費が一般的な私立校と比べても高額な理由は、文部科学省の学校認可と関係しています。
一般的な公立・私立校や大学、高専、養護学校などは、学校教育法第1条で「公的な教育機関」と規定されている学校です。こうした学校は「一条校」と呼ばれていて、義務教育として親が子を通わせるよう義務づけられています。さらに、国や自治体の助成金制度の対象としてこの認可が用いられることもあります。
しかし、一条校にはインターナショナルスクールをはじめとする外国人学校や、自動車学校、予備校などは含まれていません。日本国籍の子どもが一条校認定されていないインターナショナルスクールに通うには、義務教育を履行するために公立小学校に籍を置いたうえで通学したり、教育委員会に許可を得たりなど複雑な手続きが必要になります。
このように法律上の扱いが異なるため、一条校認定を受けていないインターナショナルスクールは、国や自治体から一般的な学校と同じ支援が受けられません。運営に必要な費用も高額になるため、学費も一条校を大幅に上回っています。
インターナショナルスクールのメリット
インターナショナルスクールに子どもを通わせることで、高額な学費に見合った効果を得られるのか気になる方も多いでしょう。
インターナショナルスクールに通うメリットは、主に3つあります。
- 日常的に英語での授業や英会話を受けられる
- 自由な校風のなかでグローバルな視点が身につく
- 幼稚園・保育園は国の給付金を受けられる
順番に解説していきましょう。
日常的に英語での授業や英会話を受けられる
帰国子女や外国籍の子どもが通うインターナショナルスクールは、基本的に公用語が英語です。授業も同級生との会話も英語で行うので、まるで英語圏の国で暮らしているように自然な英語が身につきます。
また、なかにはフランス語やスペイン語、ドイツ語、中国語、韓国語などが公用語となっている学校もあり、英語以外の言語を身につけることも可能です。
自由な校風のなかでグローバルな視点が身につく
インターナショナルスクールにはさまざまなルーツを持つ子どもたちが集まっているので、学内での交流を通して多様性や国際理解が身につきます。
日本の一般的な学校と比べると、校則や制服がなかったり、授業中の飲食が許可されていたりなど、自由な校風の学校が多いようです。また、奉仕活動のように、一般的な学校では珍しいプログラムを実施しているケースもあります。
先生もフランクに接していて、悪いところを指摘して矯正するのではなく、長所を褒めて伸ばすような教育を行う傾向にあります。そのため、抑圧されずのびのびとした環境で子どもの情緒を育めるでしょう。
幼稚園・保育園は国の給付金を受けられる
インターナショナルスクールの幼稚園・保育園も、国の「幼児教育無償化」事業の対象となっています。
注意したい点として、インターナショナルスクールは認可外保育施設に該当するため、市町村の認可園とは違って保育料が全額無償化されるわけではないことです。インターナショナルスクールに通う世帯は、一定条件を満たした場合に、子どもが3〜5歳のあいだは月額3.7万円の給付金を受け取ることができます。
※出典:幼児教育・保育の無償化概要: 子ども・子育て本部 – 内閣府
インターナショナルスクールのデメリット
英語力や国際理解が身につくインターナショナルスクールですが、入学を検討する際にはしっかり頭に入れておいてほしいポイントが3つあります。
- 日本の高校卒業資格が得られない
- 親も英語力が必要
- 日本語学習に苦労する可能性がある
- 学費以外の出費もかさむ
入学後に「やっぱり一条校に入れるべきだった」と後悔するのを避けるためにも、インターナショナルスクールのデメリットについても理解を深めましょう。
日本の高校卒業資格が得られない
海外の基準による教育を行うインターナショナルスクールでは、高校3年生まで修了しても日本での高校卒業資格は得られません。日本国内の大学に進学する場合は、基本的に高卒認定試験に合格する必要があります。なかには、ICUや上智大学のようにインターナショナルスクールでの学歴を認定してくれる学校もありますが、選択肢は限られます。
親も英語力が必要
インターナショナルスクールで英語力が必要とされるのは、子どもだけではありません。学校や保護者同士の連絡、先生との面談なども英語で行われるケースがあります。日本人の入学を歓迎している学校では日本語でやりとりできる場合もあります。しかし、円滑にコミュニケーションを取ったり、子どもの勉強をサポートしたりするためにも、親も英語力を持っていることが望ましいでしょう。
日本語学習に苦労する可能性がある
すべてのコミュニケーションを英語で行うインターナショナルスクールでは、一般的な学校のように日本語を学ぶ場は基本的にありません。そのため、インターナショナルスクールに通うことで高度な英語力は身についても、日本語の基礎があやふやなまま育つ可能性があります。また、英語も日本語も中途半端な「ダブルリミテッド」になるかもしれません。英語力も日本語力もしっかり身についた「バイリンガル」にするには、家庭で子どもに日本語をしっかり教える必要があります。
学費以外の出費もかさむ
インターナショナルスクールは、家族参加型のイベントが多いのも特徴です。パーティーやバザー、コンサートなど、保護者が衣装・お菓子などの作成を手伝う機会も度々あります。イベントの準備・参加には手間はもちろん、費用もかかるでしょう。また、学費の高いインターナショナルスクールに通えるのは、基本的にお金に余裕がある家庭です。そのため、ママ友との交際費や子どもの洋服代なども一般的な水準より高いものが求められる可能性があります。
もっと気軽に英語を学べる場所はある?
インターナショナルスクールは子どもが英語力を身につける場所として非常に魅力的ではあるものの、費用やリスクを考えると入学のハードルが高いのが現状です。「もっと気軽に通えて、インターナショナルスクールと同じレベルの英語力を身につけられる場所があればいいのに」と悩む方も多いでしょう。
日本国籍の子どもが通いやすいうえ、インターナショナルスクールのような高度な英語習熟が期待できる場所としては「英会話教室」や「英語塾」が挙げられるでしょう。それ以外にも自宅で英語学習環境を構築する「おうち英語」などさまざまな選択肢があります。
- 英会話教室
- 英語塾
- プリスクール
- 英語学童
- 自宅での「おうち英語」
それぞれ解説していきます。
英会話教室
英語4技能のなかでも、スピーキングやリスニングをメインに教える施設です。幼児から大人まで幅広い年代を対象としたカリキュラムを網羅している教室であれば、一般の学校と並行してずっと通いつづけられます。最近はオンライン授業を行う教室も増えていて、住む場所にとらわれずに質の高い教室を探すことが可能です。英会話教室は選択肢が非常に多いからこそ、子どもにあった教室を吟味することが重要となっています。
英語塾
英語塾とは、英語を専門で教える学習塾です。英語4技能をバランスよく伸ばせるカリキュラムを受講できるのが一般的となっています。英語専門なので、講師もバイリンガルやTOEIC・英検ハイスコア保持者などハイレベルな人材を揃えているところが多いことも魅力です。英語塾でも近年オンラインで学習できる環境が広がっており、住む場所を問わず学習できる環境が構築されています。中高生までを対象とした塾であれば、プリスクールのように卒業後学習内容を忘れてしまう心配も減らせるでしょう。
プリスクール
プリスクールとは、インターナショナルスクールが未就学児を対象に英語教育を行う施設です。一般的な幼稚園や保育園と同じように、講師は保育士や幼稚園教諭などの資格をもっていて、日常的なコミュニケーションは英語で行います。プリスクールは通える期間がかぎられているため、卒業後にも継続して英語教育に取り組まないと英語力が定着しないリスクがあるでしょう。
英語学童
英語学童は、英語に特化したアフタースクールです。通常の学童と同じように小学生を対象としていて、小学校の授業が終わったあとに通います。英語学童では、英語でコミュニケーションしながら運動やお絵描きなどのレクリエーションに取り組みます。子ども同士の会話も英語で行われるうえ、小学校では日本語でコミュニケーションを取るので、英語力も日本語力も育めることが特徴です。
関連記事:英語の学童保育は意味ない?学習効果を高めるポイントや保護者の体験談も紹介
自宅での「おうち英語」
ゼロから英語を習得するには最低3,000時間必要だと言われていますが、中学・高校での英語の授業時間はたった790時間ほどです(※出典:英語習得には最低3000時間!達成するための11のコツと学習習慣|THE ENGLISH CLUB)。そのため、幼少期から自宅で絵本や動画を使って英語に慣れ親しむ時間を設けることが、将来英語力を向上させるための力になります。
まとめ
インターナショナルスクールは一般的な私立校と違って国からの補助金が制限されているため、学費が倍近くに跳ねあがっています。コストはかかるものの、ネイティブに囲まれながら母国語を学ぶように英語を身につけられる環境は貴重なため、子どもの英語力を高めるために通わせるのもいいでしょう。
一方で、インターナショナルスクールは一般校と比べて日本語学習の機会が少なくなるため、「バイリンガル」ではなく、英語も日本語も中途半端な「ダブルリミテッド」になってしまうリスクもあります。さらに、インターナショナルスクールがあわないと英語以外の学力にも影響するなど、コストだけでなくリスクも高いため、英会話教室や英語塾などの手軽に試せる方法もおすすめです。
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