こんにちは。英語を教えない英語塾『ESL club』です。
英検の成績表ではスコアの下に「CEFRレベル」が記載されています。
CEFRは外国語の習熟度を測る規格で、英語力を相対的に把握するのに役立つ指標です。
今回はCEFRと英検の関係性や、CEFRレベルごとの英語力の目安、CEFRレベルを高める方法について解説します。
「そもそもなぜ英語資格試験の勉強をしないといけないの?」という方は以下の記事をお読みください。
→こちら:ESL clubが英語資格試験にこだわる3つの理由
目次
こちらもあわせてご覧ください
2024年度第1回試験から、英検の問題形式がリニューアルされています。
最新の情報を参考に、英検対策を進めていくことをおすすめします。
詳しくは英検の問題形式変更についてまとめた記事をご確認ください。
そもそもCEFRとは?
CEFR(セファール)は、英語を含む外国語学習の習熟度を測る国際基準規格です。
1990年代に考案され、2001年に欧州評議会で公開されました。
現在も、ヨーロッパを中心に世界中で語学レベルを相対的に評価するために使われています。
CEFRはA1、A2、B1、B2、C1、C2の6段階にレベル分けされていて、A1が初心者、C2がもっとも高度な能力を指すレベルです。
CEFR対応の英語資格試験
日本で代表的な英語資格試験も、CEFRに対応したものがたくさんあります。
英語を勉強中の学生や、海外留学を目指す人がよく受ける試験のうち、CEFRに対応したものは次の4つです。
- 英検(実用英語技能検定)
- TOEFL iBT
- IELTS
- TOEIC
ただし、資格試験によって測定可能なCEFRレベルに違いがあります。
英語資格試験ごとの対応しているCEFRレベルを表にまとめましたので、参考にしてください。
CEFRレベル | 英検 | TOEFL iBT | IELTS | TOEIC |
C2 | × | × | ○ | × |
C1 | ○ | ○ | ○ | ○ |
B2 | ○ | ○ | ○ | ○ |
B1 | ○ | ○ | ○ | ○ |
A2 | ○ | × | × | ○ |
A1 | ○ | × | × | ○ |
出典:「大学入学共通テスト」検討・準備グループ(平成30年度〜)|文部科学省
ESLclubが生徒の英語力を引き上げるために英検を活用する理由
CEFRレベルを測定できる資格試験は数多くあります。
その中でもESL clubが英検を主に用いる理由は3つです。
- 理由① 4技能をバランスよく測定できる
- 理由② 初学者から上級者まで段階的に英語力を上げていける
- 理由③ TOEFLやIELTSの学習にもスムーズに移行しやすい
4技能をバランスよく測定できる
英語学習中の子どもを持つ保護者の中には、
「単語と文法の問題が多い英検を受けても意味あるの?」
と疑問に思う方もいるでしょう。
しかし、英検が学校の英語教育の延長だったのは、ひと昔前の話です。
現在の英検は、3級以上の全ての級にライティングが導入され、英語4技能試験となりました。また、5級、4級に関しても、スピーキングテストが受けられるようになり、かつ、ライティングも早期導入に向けて準備が進められています。
→詳しくはこちら:実用英語技能検定「準2級」、「3級」に 来年度からライティングテストを導入、4技能化へ|日本英語検定協会
また、現在の英検は各技能の配点と採点基準も変更され、英語4技能バランスよく点をとらないと合格ができないようになっています。
→詳しくはこちら:2016年度からの新しい合否判定方法について|日本英語検定協会
そのため、英語力を正確に評価しやすい試験なのです。
初学者から上級者まで段階的に英語力を上げていける
例えば、半年前に英語を始めた小学2年生の生徒がいたとします。
半年間の学習成果を測るために資格試験を受験したい。
こういった生徒が受ける資格試験としてはどの資格試験が有用なのでしょうか?
下の表をご覧ください。
英語4技能試験情報サイト:資格・検定試験CEFRとの対照表を参考に作成
こちらはCEFRと各資格試験の対照表になります。
英語を始めたばかりの初学者はCEFRでいうとA1(上表の赤枠)になります。
上の表を見てお分かりの通り、A1をカバーする資格試験は、英検(上表の赤字)、GTEC、IELTS、TOEICの4つになります。
しかし、IELTSやTOEICといった資格試験は、初学者レベルであるA1から上級や熟練者レベルであるC1・C2まで、同一のテストで受験者の英語力を評価します。レベル問わず、受験者全員が同じテストを受け、点数結果で自身の英語力を確認するわけです。
そのため、初学者レベルであるA1の受験者からすると、IELTSもTOEICも難しすぎてほとんど歯が立ちません。1問も正解できずに最低点だったからA1という結果もあり得ます。
一方、英検はどうでしょう?
英検の場合、このA1レベルの中に5級、4級、3級の3つの級が含まれています。つまり、初学者のレベルに合った難易度を級別に選択することができるのです。
それだけでなく、現在英検では、各級の合否だけでなく各技能別の点数が出ます。
→詳しくはこちら:英検CSEスコアのご紹介|日本英語検定協会HP
つまり、英検であれば、学習初期から技能別に細かく生徒の英語力を把握することができるのです。
この英検の特徴は、目標設定をする上でも優れています。
優れた目標設定の条件の一つにAttainable(実現可能な目標かどうか)があります。
→優れた目標設定の条件についてはこちら:ESL clubが英語資格試験にこだわる3つの理由
例えば、学習初期の生徒にいきなり、IELTSやTOEFLを受験させても全く歯が立たず、モチベーションは上がりません(むしろ下がってしまうかもしれません)。
一方、英検5級であれば中学1年生レベル。ESL clubのカリキュラムに沿えば、学習初期から半年での英検5級合格も不可能ではありません。
そして、英検5級に合格した後は英検4級、4級に合格したら3級、準2級、2級と段階的に目標を高めていくことができます。これは級別に試験難易度が異なる英検にしかできません。
→参考:各級の目安|日本英語検定協会HP
つまり、英検を活用すれば、初学者から上級レベルまでCEFRに対応した形で段階的に英語4技能を伸ばしていけるのです。
TOEFLやIELTSの学習にもスムーズに移行しやすい
ESL clubでは「小学生で英検2級、中学生で英検準1級、高校生でTOEFL100点」の達成を目標としています(もちろん、具体的な達成目標と達成時期は生徒さま一人ひとり異なります)。
英検を使えば、初学者レベルから上級レベルまで段階的に英語4技能の目標設定が可能です。
これを利用して、B2(準上級レベル)である英検準1級まで英語力を引き上げます。
その後、海外進学で多く活用されているTOEFLの学習に移行します。CEFR対応の英語4技能試験である英検で英語力を上げていけば、同様にCEFR対応のTOEFLといった異なる資格試験の学習へスムーズに移行できるのです。
TOEFLの学習を進めC1(上級レベル)であるTOEFL100点を達成すれば、海外大学進学の選択肢も大きく広がります。(ちなみに、C1であれば国内企業で評価の高いTOEICでも945点以上を狙えます。)
このようにうまく英検を活用し段階的に英語力を上げ、その後、生徒の進路選択に応じて他の資格試験の学習に移行する。こうすることで、効率よく、確実に生徒の海外への道を開いていくことができるのです。
まとめますと、
理由① 英検は国際基準規格であるCEFRに対応した英語4技能試験である
理由② 英検は試験難易度が級別で異なるため、初学者から上級者まで段階的に英語力を上げていける
理由③ 英検を使って英語4技能を高めた後に、異なる資格試験(TOEFLやIELTSなど)の学習にもスムーズに移行できる
の3つから、ESL clubでは英検を活用しているのです。
CEFRと英検のレベル比較
CEFRレベルを英検に換算すると、次のようになります。
- A1=英検3級〜準2級
- A2=英検準2級〜2級
- B1=英検2級〜準1級
- B2=英検2級〜準1級
- C1=英検準1級〜1級
- C2 ※英検では算出外
それぞれ説明していきます。
A1=英検3級〜準2級
外国語学習の基礎段階で、ゆっくり話す内容は理解できるレベルです。
また、よく使われる日常的な表現と基本的な言い回しは、使いこなせます。
具体的には、自己紹介、住んでいる場所や友達、持ち物に関する質問などです。
<A1レベルの英検CSEスコア>
技能別スコア :リーディング 380〜
リスニング 342〜
ライティング 316~
スピーキング 362~
4技能総合スコア:1,400〜
A2=英検準2級〜2級
まだ基礎段階ではあるものの、自分の身近なことに関しては読み書き・会話ともにできるレベルです。
自分や家族の情報、買い物でのやり取り、地理についてなどが挙げられます。
<A2レベルの英検CSEスコア>
技能別スコア :リーディング 436〜
リスニング 445〜
ライティング 415~
スピーキング 404~
4技能総合スコア:1,700〜
B1=英検2級〜準1級
まわりのサポートがなくても、外国での日常的生活を十分送れるレベルです。
論理的な構成の英文を書くこともできるので、日常レベルの読み書きには対応できるでしょう。
<B1レベルの英検CSEスコア>
技能別スコア :リーディング 515〜
リスニング 496〜
ライティング 472~
スピーキング 467~
4技能総合スコア:1,950〜
B2=英検2級〜準1級
複雑な構造の文も聞き取れて、読んで意味を理解することもできるレベルです。
ニュースや高校・大学の講義など、専門的・抽象的なトピックにも対応できます。
<B2レベルの英検CSEスコア>
技能別スコア :リーディング 595〜
リスニング 600〜
ライティング 586~
スピーキング 519~
4技能総合スコア:2,300〜
C1=英検準1級〜1級
流暢に日常会話や読み書きができ、母国語話者が中心の学校や会社でもコミュニケーション上の問題なく過ごせるレベルです。
学術論文のような専門的かつ複雑な話題の読み書きにも対応できるので、留学先でもネイティブとともに研究できます。
<C1レベルの英検CSEスコア>
技能別スコア :リーディング 670〜
リスニング 651〜
ライティング 666~
スピーキング 613~
4技能総合スコア:2,600〜
C2 ※英検では算出外
最高レベルであるC2は、どんな話題であっても容易に理解し、的確な表現を使って返答できます。
話し言葉を書き言葉に変換することも可能です。
英検でCEFRレベルをアップするには?
英検のCEFRレベルを高めるためには、次の勉強法がおすすめです。
- 英単語は文脈と発音も含めて暗記する
- 過去問で演習する
- ライティングやスピーキングはプロに添削してもらう
それぞれ説明します。
英単語は文脈と発音も含めて暗記する
英検対策時には受験級に合わせて語彙を身につけますが、暗記するのはスペルと意味だけでは不十分です。
文脈や発音とセットで暗記することで、英検の長文やリスニングで出てきても対応しやすくなります。
旺文社の文単シリーズのように、イメージとセットで覚えられて、発音も聞ける単語帳がおすすめです。
音声を聞いて実際に口に出しながら、1日10分や30分ずつでもいいのでコツコツ語彙を増やしていきましょう。
過去問で演習する
英単語がある程度身についたら、過去問で問題形式や時間配分に慣れていきましょう。
なお、2024年度から3級以上の問題形式が変わっています。
3級以上のすべての級でライティングが1題から2題に増え、準2級以上ではリーディングの問題数が減っていることが主な変更点です。
過去問は旧形式の問題がほとんどです。
そのため、リーディングの削除された問題を飛ばしたり、ライティングのサンプル問題を探して解いたりと、新形式に合わせて調整するといいでしょう。
関連記事:2024年に英検がリニューアル!新形式の内容と解くコツを解説
ライティングやスピーキングはプロに添削してもらう
CEFRを判定できる英検3級以上の試験では、ライティングとスピーキングがあります。
どちらも記述式なので、自己採点が難しい問題です。そのため、学校の先生や塾の講師など、高度な英語力を持つ人に採点してもらうのがおすすめです。
正確に採点してもらうことで、つまずいているポイントがわかりやすくなります。
あくまで英検は目的ではなく手段。英検で証明した英語力で何を叶えるかが大切。
ここまで英語学習における資格試験の重要性、また、資格試験のなかでも英検を使うことのメリットを述べてきました。
しかし、ここで大切なことがあります。
英検(資格試験)合格はあくまで手段であり、目的ではないということです。
「英検に合格すれば何でもいい。」「英検に合格さえすれば、もう英語学習は終えていい。」
こういった考え方は非常にもったいないです。
もちろん、資格試験合格、英検合格も大切です。高い英語力を達成するため、そして、自身の英語力を証明し世界に羽ばたいていくためには欠かせません。
私たちも生徒が必死に努力しているからこそ、どうしても受からせてあげたいという想いで日々、指導しております。
しかし、あくまで英検は、生徒の目標設定、現在の英語力の確認、そして英語力を証明するためのツールでしかないということも同時に忘れないようにしています。
何より大切なことは、「なぜ英検(資格試験)を勉強しているのか?」ということです。
小学生で英検2級、中学生で英検準1級、高校生でTOEFL100点
これを達成すればもう終わりということではありません。
高い英語4技能を手にしたその先。その先にこそ、ESL clubで得た英語力を駆使し、世界というフィールドで叶えられる夢があるのです。
「高い英語力なしには叶わない夢」、それを追い続ける自信を生徒に届けてあげること。その夢が達成できる世界というフィールドに生徒を立たせてあげること。結果、生徒自身も想像していなかった未来に連れて行ってあげること。
それが我々ESL clubのミッションです。生徒の英検合格達成はそのための手段でしかないのです。
→実際にESL clubの理念を体現した生徒さまのインタビューはこちら:【小学生で英検2級】ABCから2年半で英検2級。その後、アメリカの中学校進学を勝ち取った話。
まとめ
いかがだったでしょうか。
英語学習における資格試験の重要性、資格試験の中でも英検を用いることで英語力が引き上げやすい理由、ご理解頂けましたでしょうか。
英語4技能試験についてはもちろん、その他お子さまの英語教育に関してお悩みがございましたらお気軽にESL clubまでお問い合わせください。
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