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6年学んでも喋れない不思議な日本の英語教育を変えたい -石垣×岡山対談【前編】

 

 

ESL clubの「英語を教えない英語塾」というキャッチコピーには2つの意味があります。一つは、今までの“いわゆる日本の英語教育”とは違うということ。ESL club独自のメソッドで英語を教えています。

そしてもう一つは、英語はあくまで手段であって、目的ではないということです。ESL clubで教えたいことは最終的には英語そのものではないといいます。

「英語を教えない英語塾」の詳細を明らかにするために、今回はESL club事業責任者の岡山と教室長の石垣に、対談をしてもらいました。「長い間英語を学んできたのにどうして日本人は英語を話せないの?」という最大の謎から始まり、本当に使える英語力を身につける方法へと、話はどんどん広がっていきます。

<石垣亮太プロフィール>
英語を教えない英語塾ESL club 教室長兼プランナー。化粧品業界のマーケターとして内資と外資で幅広く経験を積む。実社会でまるで役に立たない知識や、自分の思考を奪う学校教育の仕組みにかねてより強い疑問と危機感を抱いており、昇進オファーのタイミングで思い切って教育業界へ転職。

 

<岡山太プロフィール>
英語を教えない英語塾「ESL club」事業責任者 兼 個別指導No.1明光義塾英語教科責任者。大学院生時代にJAXAにて高校生向け教育プログラム「きみっしょん」のリーダーを経験したことから、「教育を変えたい」と考え教育業界へ。長期留学経験なし、国内独学で英検1級・TOEFL iBT 100点を達成。自身の英語学習経験を生かし、ESL clubのオリジナルカリキュラムを構築。二児の父。

 

6年学んでも話せない理由は、カタカナイングリッシュ、和訳中心主義、文法重視

岡山)日本の英語教育の問題点って何だと思う?

 

石垣)中学・高校と6年間も勉強したのに全然話せないこと。これに尽きる。僕が英語ができるようになったのは外資系企業で働いていた数年があったからだし、何なら独学でTOEICの勉強をしていた期間での方が中学・高校よりも英語力が飛躍的に伸びた実感がある。何だこれ、結局は勉強法次第なのか?学校は意味なかったの?という疑問がずっとあって。

 

岡山)すごく分かる。僕は20歳から英語を自分で学び直したんだけど、正直、中学、高校での経験は負債だったと思う。

 

石垣)負債って具体的には?

 

岡山)「カタカナイングリッシュ」、「和訳中心主義」、「文法重視」の3つ。

1つ目の「カタカナイングリッシュ」は、Restaurantの綴を覚えるためにレスタウラントといったり、withをウィズって発音しちゃったりすること。

 

石垣)あー、わかる。英語をカタカナに当てはめるとリスニングが崩壊するんだよね。カタカナじゃ英語の発音は再現できないから、知っている単語でも海外の人が発音すると聞き取れないことが多い。だから、新しい英単語を聞くと何言ってるんだかさっぱり分からなくなる。

 

岡山)実は僕、耳鼻科に行こうかと悩んだことがあるんですよ。お手本の英会話を何度聞いてもスクリプト通りに聞こえないから。最初はスクリプトが間違っているんじゃないかと疑ったけど、もしかして「俺の耳が悪いのか?」って。そういえば、けっこう爆音で音楽聴いてきたな…なんて(笑)。

 

石垣)ほんとに行ったの?

 

岡山)行かなかったけど、真剣に悩んだ(笑)。カタカナ変換を無意識にやってたから、大人になって癖をとるのは本当に大変だった。

 

石垣)日本語の五十音は一つの文字に一つの読み方しかないけど、英語は色々な読み方ができる。つまり、カタカナで英語を考えた時点でミスってるんですよ。

僕はリスニングは勉強しなくても超得意だったけど、それは小さい頃、公文できちんとした発音を習っていたり、親から洋楽を聞かされていたりしたからだったと思う。単語と正しい発音がちゃんと結びついていたんだよね。

 

岡山)それは恵まれていたパターンだよね。羨ましい。
2つ目の負債は「和訳中心主義」。英語ができる人は英語を語順のまま理解していくでしょ。でも日本人は和訳のために「返り読み※1」をするんだよね。

※1 返り読みとは、英語を後ろから訳していく日本式の英語読解法のこと

 

例えば「I met a Japanese teacher, Tom.」という文を和訳すると、「私はトムという日本語の先生に会いました」となる。和訳癖のある人は、「teacher」を読んだあとに、「met」に戻って読んでしまう。短文なら返り読みでも良いけど、「who used to teach us」とか「at high school」とか「10 years ago」なんてくっつくと、もうわけがわからなくなる。

 

石垣)英語あるあるだね。私、会った、国語の先生、トム、教えてくれた、高校で、10年前・・・「あれ?トム誰?」みたいな(笑)。返り読みばかりしてると、リーディングでもリスニングでも苦労する。

 

岡山)理解するスピードがどうしても遅くなってしまうからね。
最後、3つ目の負債は「文法重視」なこと。日本の英語教育は文法に重点を置きすぎだと思う。be動詞と一般動詞の違いが上手に説明できて、英語の並び替え問題ができる人が優秀と評価されるのはおかしい。

 

石垣)文法が無意味なわけではないけど、受験合格をゴールにした教育だから、6年間学んでも話せないというおかしな状態になっちゃっているんじゃないかと。受験英語を全否定するつもりはないし、論文を読むときには役立つかもしれないけど、実践に役立つかはかなり疑問かな。

 

岡山)まさにそう!英語教育の目的が受験になると、正解を求める癖がついてしまうから創造性が育たない。教育は生き方にもかなりの影響を与える大事なもの。働くことがもっと楽しくなったり、自分のやりたいことが見つかったりといった、生きることが肯定される教育を目指したいと、僕は思ってるんだけど。

 

石垣)それ、すごく賛成。僕がESL clubに入ったのも、既存の教育を変えたかったからだし。

 

岡山)石垣さんが入社したときの面接では、教育変革の話で盛り上がりましたもんね。昔の日本では海外の技術を得るために情報が必要だったから、和訳ができたり、文法を理解することが重要視されていた。けど、今は違う。英語でコミュニケーションをしたり、クリエイティビティを発揮したりすることが大事な時代なので、既存の教育は負債になってしまっている、なんてことを話した記憶があります。

 

本当に使える英語力を身につけるには、環境よりも練習が大事

岡山)僕は負債を抱えながら英語を再勉強したから、大変さがよく分かる。だから、ESL clubのプログラムは負債じゃなくて、貯金になるように考えて作ったんです。それを今から石垣さんと具体的に説明していこうと思います。まずはフォニックス※2ね。

※2 フォニックスについてはこちら

 

石垣)フォニックスというのは、「スペル」と「発音」の間にある法則のことです。

 

 

岡山)ESL clubでは「カタカナイングリッシュ」ではなく、フォニックスで正しい発音を徹底的に学べるようにしています。

フォニックスを習うことで発音が良くなり、カタカナ英語に変換することを防げる。もちろんフォニックスが万能ではないけど、ルールを知っていれば、初めて出会った単語への適応力は格段に上がるので。

子どもがすごいのは、聞いた音をそのまま言えること。だから、フォニックスの教えがいがあるんだよね。僕もそうだけど、大人は考えて発音しちゃう。ここに「r」があるから巻き舌にしなくちゃとか。

 

石垣)、子どもだけじゃなく大人も、フォニックスをやれば発音が良くなるんですよ。

 

岡山)じゃあ次は、「和訳中心主義」に関して。返り読み癖をつけないために、ESL clubでは英語を英語のまま理解する方法を教えてるんです。

 

石垣)具体的には、単語を覚えるときに、音とイメージをくっつけて学習させること。appleという単語を「りんご」と訳す前に、りんごのイメージが浮かぶように練習する。単語でイメージが浮かぶようになったら、絵本を使って英文でもイメージが浮かぶようにする。

 

岡山)いちいち和訳しないから、リーディングやリスニングで理解するスピードが早いんですよね。イメージができるようになったら、さっきのフォニックスでスペルと発音を繋げて、りんごのイメージとappleを繋げば完璧。ある程度、量をこなす練習は必要ですが、慣れれば英語を前からどんどん読んでいけるようになる。

 

石垣)じゃあ最後、「文法重視」について。
文法は、子どもの場合、頭で理解よりも身体に覚えさせる方が合理的でしょうね。

 

岡山)その通り。小学校低学年の子に「過去形はed」なんて説明するくらいなら、シャドーイング※3を徹底的にトレーニングした方が良いんです。
※3 シャドーイング:流れる音声を聞きながら影(シャドー)のように追いかけながら話す、トレーニング方法

 

石垣)教室でも、あまり細かく文法の説明はしてないですね。代わりに、シャドーイングや、スクリプトライティング(短い会話文を読み、その会話文に関する質問に対して、英語を書いて答えていくトレーニング)の訓練をたくさんする。すると、英文法を体系立てて細かく教えなくても、子どもは「英語ってこういうルールなんだ!」と文型や語順の仕組みを勝手に理解していくんです。

 

岡山)プログラムの狙いは、文法を暗記させるのではなく、数をこなすことで文法を内在化させること。いわば、身体に覚えさせて、勝手にできるようにする。英語の世界では「自動化」といいますが、自動化させるには、かなりの練習が必要になります。

石垣)だからESL clubでは、子どもが英語学習を毎日継続できるように、授業の進め方や宿題の出し方を工夫してるんです。

 

岡山)「英語に触れる時間を長くすれば勝手に身につく」という環境重視の考え方の英語塾もありますけど、ESL clubは練習重視です。バイリンガル講師が教えるので環境ももちろん整ってますが、どちらかというと「限られた時間で効率的な練習方法を教えて、その反復で身につけさせる」というスタイル。

 

石垣)海外在住なら英語のシャワーを浴びているうちに勝手に喋れるようになるという考え方もありかもしれないけど、日本在住の場合は正直かなり難しいだろうね。ESL clubは日本在住の人が効率的に学ぶにはどうしたらいいか?を突き詰めて生まれた独自のカリキュラムなので、練習は大変かもしれないけど、そのぶん、効果は絶大。

 

社会に出たときに本当に役立つ力とは?

岡山)ここまで一気に話してきたけど、まとめると日本の英語教育の問題点とESL clubが目指す指導法はこんな感じかな?

 

1.カタカナイングリッシュ vs フォニックス
カタカナで英語を置き換えるのではなく、正しい発音で学び、音と言葉とイメージと結びつける

2.和訳中心 vs 英語を英語のまま理解
いちいち和訳や返り読みをするのではなく、英語を語順のまま理解する

3.文法理解 vs 文法の内在化
文法を説明して理解させるのではなく、感覚的に文法がわかっている状態にする

 

石垣)比較するとわかりやすいですね。小学生のうちからフォニックスを習ったり、英語を音とイメージで覚えたり、シャドーイングの練習をしていけば、かなり貯金がある状態で勉強が始められるんじゃないかと。

 

岡山)それこそがまさにESL clubの強み。本当に使える英語力を身につけるには、従来の日本の英語教育という意味での「英語を教えない」のが大事だと思ってる。でも、ESL clubの強みはこの3つだけではなく、実はもう一つあるんだよね。

 

石垣)そう、大事なのが一つ残ってる。英語を身につけた、さらにその先の段階、社会に出たときに活躍できる力の話です。例えば僕は外資系企業で働いてみて分かったんだけど、外資で活躍できるか否かって、流暢な英語力じゃないところで決まっちゃうんですよ。

 

岡山)じゃあ、何で決まるのか?その答えが、僕たちが「最終的に教えたいこと」に関係してくるんです。長くなってきたので、仕切り直して後編で話しましょう!

 

<前編おわり>

日本の英語教育の問題点やESL club独自のカリキュラムについて、存分に語り合った岡山と石垣。後編では、「社会に出た時に活躍できる力」について話したいと言っていますが…さて、話はどのように展開するのでしょうか。後編もお楽しみに!

 

(聞き手、執筆:佐野 友美)