宗教とは 特にカトリック神学について
我が国は開国以来、西洋とは何であるか、近代とはなんであるかという問いに直面し、さまざまな角度からアプローチしてきました。
その中の一つは間違いなく宗教、なかんづくカトリックです。例えば中世西洋では法学は聖職者が発展させてきましたし、法学と神学の教義学的並行性は19世紀初頭のドイツから指摘されてきました。
さて、カトリックの信仰は単に聖書のみで成り立つものではありません。無限に蓄積された神父のテクストの歴史的基層を自覚することで初めて、カトリックというものにアプローチできるのです。
大江健三郎が『我らが時代』でいうような「西洋の内臓」とはカトリックの思考方であり、我々は外部から神父のテクストを歴史的に読み解いていくことで、外からでも「内臓」を取り出すことができます。それは必ず、今差し迫っている「グローバル化」に迂遠ながらも対応する術であると確信しています。
私とともに、2世紀の最初の神学者、テルトゥリアヌスからゆっくり読み解いていくことを期待しております。
- この記事を書いた人
- 荻野 智明
駒場東邦中に進学。トップ学生だったが、物理と化学に嫌気がさし、医師である両親と同じ職に就くことにも嫌気がさしたため、私大医学部を蹴って東大に後期で入学。
人間に関わる人文系への興味が根本にあったため、哲学と法学を学ぶ。好きに学問を追求し、中国の占いを2年間独学し、今に至る。
・2006年 駒場東邦入学
・2012年 東京大学文科一類入学
・2018年 国家総合職経済区分合格
・2019年 東京大学法学部卒業