英語の本を読めるようになることで、楽しみながら自ら英文を読み進め、良質な英文にたくさんふれることが可能となります。
その中で英語の様々な表現に出会い、英語の理解力を高めていくこと、また自分から使うことのできる表現を蓄積していくことへとつながっていきます。
しかし、英語について何も知らない状態から英語の本を読みはじめるのはとても抵抗のあることですね。
平仮名も知らない状態で日本語の本を読むことが難しいことと同じです。
そこで英語の本を読み始める前に、「まずは読むための準備をしましょう」というわけです。
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そもそも本が読めるとは?
まず「本が読める」とはどういうことなのかについて明確にしておきます。
普段、日本語で本を読むことを考えてみてください。
本を読んでいる時、書かれている文章を、頭の中で声に出して読んでいることに気がつきます。
そしてそれと同時に頭の中にイメージが浮かび、読み進めるとそのイメージがどんどん変化していきます。
頭の中に映画館があって、読んでいる文章が映像となってスクリーンに移り、その映像を見ているかのようですね。
もしくは、その世界で自分が主人公を演じているかのような方もいると思います。
つまり、「読める状態」というのは
「文字→音→イメージ(映像)」の流れが起きながら頭の中でイメージが流れていく状態
です。
これがまず最初に目指す「読める」という状態です。
この際に日本語を介さないことも重要なポイントです。
最速で本を読めるようになるための2つの準備は「フォニックス」と「英単語」
「読める状態」を考えると、
①「文字→音」が正確にできるようになること→「フォニックス」を学習する!
②「音→イメージ」ができる単語が増やしておくこと→「英単語」を増やす!
の2つを読み始める前の準備としてやっておくと、本へとスムーズに移行することが可能となります。
今回は、「フォニックスをどのように学んでいくか」ということについて書いていきます。
フォニックスをどう学ぶか
フォニックスとは、ざっくりと言うと、英語の文字と音を結びつけるルールです。
詳しくはこちら→「フォニックスって何?世界で最も有名なフォニックスの歌と論争」
日本語の文字である平仮名は、その名前と音が一致します。
「あ」であれば、名前は「あ」ですし、その音(発音)も「あ」です。
その一方で、英語の文字であるアルファベットは、その名前と発音が異なります。
A,aは「えぃ」という名前ですが、発音は「え」や「あ」に似た音です。
そこで、まずはアルファベット1文字ずつ、それぞれが持つ音を学んでいくことから始めます。
次にアルファベットが2文字組合わさると、どんな音になるのかを学びます。
その後はその知識を使って、どんどん単語を発音してみます。
けっこうシンプルですね。
もう少し具体的に取り組み方をご説明します。
■Step1
アルファベット1文字ずつ、「それぞれのアルファベットを見て、その音を即座に言うことができるようになること」が目標です。
文字を指差しながら正しい発音を聞く?
▼?
文字に指を指しながら、その音をまねして発音してみる?
▼?
これ繰り返し練習?
■Step2
今度は、アルファベット2文字が組合わさったものについて、「アルファベットの組み合わせを見て、その音を即座に言うことができるようになること」が目標です。
2文字組合わさったものについて、Step1と同じように繰り返し練習します。
1文字ずつの音をそのままくっつけて発音するタイプのもの(a「あ」+t「と」=at「あと」)や、ただそのままくっつけるものとは異なるもの(th や wh)もあります。
(※実際には平仮名では表すことができない音です。)
異なるものについてはそういうものだと思って、どんどん練習しちゃいましょう。
■Step3
Step1とStep2で身につけた文字を見て正しく発音する力を用いて、いろんな単語を読んでみます。
c「か」+at「あと」=cat「きゃっと」
h「は」+at「あと」=hat「はっと」
の要領です。
(※実際には平仮名では表すことができない音です。)
まずは単語を見て、自分で発音?
▼?
この時、単語を構成するアルファベット1文字ずつの音を意識して、組み合わせてみて発音してみます。?
▼?
正しい発音を聞いてみる?
▼?
その発音をまねして発音?
▼?
この手順を繰り返し練習?
こうすると、フォニックスを用いて単語を読んでみることがどういうことかがなんとなくつかめてきます。
はじめはゆっくりしかできなかったり、間違って発音してしまったりしますが、練習をしているとすぐに慣れてきます。
この段階でとても簡単な英語の本に挑戦してみてもいいでしょう。
Step2とStep3は同時に進めても大丈夫です。
ある単語を用いてフォニックスを確認し、それと同じルールを用いて発音することができるものを用いて自分で発音してみるといった形で進めることができます。
こんなサイトも教材として使えます
取り組み方でご説明したことからフォニックスの学習において教材としては下記の視点で選んでみるといいでしょう。
①音源があること(フォニックスを意識してアルファベット1つ1つ発音してくれるもの)
②ある程度の網羅性がありつつ、段階的に学ぶことができるもの
③習っているフォニックスを用いた単語が豊富にあること
インターネットでちょっと検索してみたのですが、下記のサイト等が使えるかもしれません。
◆1文字のフォニックスの練習
http://www.starfall.com/n/level-k/index/load.htm?f?
◆2文字のフォニックスの練習
http://www.starfall.com/n/level-a/learn-to-read/load.htm?f?
◆フォニックス全体
http://www.oxfordowl.co.uk/for-home/reading-site/expert-help/phonics-made-easy?
http://www.readingbear.org/?
http://www.focusonphonics.co.uk/sound.htm?
フォニックスを過信しない、学びすぎないこと
フォニックスとは、「英語の文字と音を結びつけるルール」と前述しました。
しかしフォニックスを学べば、「ありとあらゆる単語、文章が読めるようになるのか」、「意味を取ることができるようになるのか」というと、全くそんなことはないです。
フォニックスは、あくまで「本を読み始めるための足がかり」、特に「文字→音」ができるようになるための頼れるヒントという認識にとどめておくことがいいでしょう。
本を読み進めることができるようになるために、フォニックスと同時に英単語を覚えていくことが大切となりますが、この取り組み方にもとても大切なことがあります。
特に英単語を覚えると聞いて日本の受験勉強で用いたような単語帳を思い浮かべた方は要注意です。
少し長くなってしまいましたので、単語の覚え方については、下記の記事をご参照ください。
→「帰国子女が教える小学生からの英単語の覚え方」