「英会話スクールに通っているけど、本当に意味があるのかわからない…」
「子供に英会話を習わせたいけど、本当に英会話教室に通わせて英語が話せるようになるの…?」
「自分が英会話を習ってきたけど英語が話せるようにはならなかった。では、子供には何をやらせればいいの…?」
そうお悩みの方も少なくないはずです。
本記事ではそんな方のために、英会話・英語教室に通いながらも英語力が上がらない原因をお伝えします。
目次
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【筆者】20歳過ぎからの独学で英検1級・TOEIC900点・TOEFL iBT 100点
筆者は20歳になるまで、英会話教室に通ったことも海外留学をしたこともありませんでした(英語が苦手だったため、大学も理系です)。
20歳の時、あるきっかけから「英語が話せるようになりたい!」と急に思い立ちました。
「英語が話せるようになるためには、とりあえず英会話スクールに通えばいいんだろう」という安直な考えから、英会話教室をネットで検索し、資料請求や体験レッスンを行いました。
「これで英語が話せるようになるぞ!」と意気揚々と体験レッスンに臨みましたが、体験をして思ったことは、
「ネイティブ講師とこうして話しているだけで本当に英語って話せるようになるの…?」
「問題集を解くだけだったら別に自分一人でもできるし、わざわざ英会話スクールに通う必要ってある…?」
「英会話って本当に意味あるの…?」
といった疑問でした。
色々考えた結果、英会話スクールに通うのはやめ、独学で英語を身につけることにしました。
本屋に行き、たくさんの英語学習本を読み漁り、効果的な英語学習法を勉強、実践しながら、英語力を高めていきました。
こうして努力を続けていきましたら、英検1級、TOEIC900点、TOEFL iBT 100点を達成しました。
では、どうして筆者は英会話スクールに通わずに独学という道を選んだのか?
それは、英会話教室は一歩間違えると「ただ通っているだけで満足」という状況に陥り、時間とお金のムダになると感じたからです。
では、なぜ多くの人は「ただ英会話スクールに通っているだけで満足」という状況に陥り、英語力が伸び悩んでしまうのでしょうか?
それは、英会話にありがちな3つの罠が原因です。
英会話の罠① 目標が不明確なまま、英会話教室に通い続けてしまう
「英会話スクールに通えば、英語が話せるようになる」
そんな風に考えていませんか?
今こうして英語を学習してきた立場から考えてみると、この言葉は非常に曖昧な表現です。
そもそも、どの程度の英語力が「英語が話せる」と言えるのでしょうか?
自己紹介ができたら「英語が話せる」?
海外旅行で苦労しなければ「英語が話せる」?
発音がよければ「英語が話せる」?
外国人に道案内ができたら「英語が話せる」?
「英語が話せる」「英語がペラペラ」というのは確かになんとなく憧れはしますが、実は非常に不明確な目標なのです。
そして、こういった不明確な目標しか掲げていない英会話スクールも少なくないです。
「英語がペラペラ」
「目指すはグローバル人材」
「英語で発信できる力を」
どれも聞こえはいいですが、どれも目標が不明確です。
何をもって「英語がペラペラ」なのか?どの程度の英語力で「グローバル人材」と言えるのか?「英語で発信できる力」とは、具体的に何をどの程度の英語レベルで発信する力なのか?
屁理屈のように聞こえますが、この点は非常に大切なのです。上記の目標は結局、具体的にどこまで生徒の英語力を引き上げるのかを全く宣言していないのです。
そして、もう一つ。
これらの目標には達成期限がありません。
つまり、「いつまでに英語が話せるようになるのか?」という期限のない目標なのです。
目標が不明確で、かつ、時間軸もないと、それが達成される可能性は著しく低くなります。
「いつかは英語を話せるようなりたいなー。」
こう言う人が英語ができるようになることは残念ながらありません。
「英語が話せる」という目標設定が不明確であり、また、「いつか」と言ってしまっている時点で目標に達成期限がないからです。
ただ、英会話スクールには謎の安心感があります。「毎週ネイティブ講師と英語を話しているんだから、きっと英語ができるようになるだろう」と安心してしまうのです。そして、「なんとなくただ英会話教室に通っているだけ」という状態に陥ってしまうのです。
英会話の罠② 英語習得に必要な学習時間(約3,000時間)を確保できないペースで続けてしまう
英語習得に必要な学習時間をご存知でしょうか?
約3,000時間です。
→参考:英語習得に必要な学習時間
そのうち、学校での学習が約1,500時間と言われています。
そうなると、残り1,500時間が英語習得までに必要なわけです。
では、1,500時間の学習時間を確保するために、どの程度のペースで学習を進めればいいのでしょうか?
例えば、週1回1時間授業の英会話スクールに通ったとします。
宿題は毎週、だいたい1時間程度で終わるものが出題されるとします。
そうなると、宿題も合わせて週2時間の学習時間となります。
1年を52週として計算すると、年間の学習時間は約100時間。
このペースで進めると、1,500時間の確保に必要な時間は約15年です。
15年…ちょっと、時間かかりすぎですよね…?
例えば、小学1年生(6歳)から英会話を始め、このペースで学習を進めたら、英語習得を達成するのは21歳です。
せっかく小学生のうちから英会話を習うのであれば、もっと早く英語習得を実現し、進路選択の際にぜひ「英語力」を武器してほしいと思いますよね。
「日本の英語教育は文法偏重だからいつまでたっても話せるようにならないんだ!」
「英語の授業は全部、英語でやるべきだ!そうじゃないと英語は身につかない!」
みたいな議論も色々ありますが、そもそも学習時間が足りていないという原因が議論されることはほとんどありません。
そして、この英語習得までの必要な学習時間を考慮した上で、家庭学習を含めたカリキュラムが設計された英会話スクールは意外なほどに少ないです。
宿題の分量が少ないと、結局、英語習得までの学習時間が足りずに「いつまで経っても英語が話せるようにならない!」という状況に陥ります。
そして、「この英会話スクールの教え方は良くないのでは…?」と疑問を抱くようになり、英語習得に必要な学習時間3,000時間については知る由もなく、英会話スクールをコロコロと変えてしまう。
こうなっては最後、費用ばかりかかり、英語習得は達成されずに終わってしまうのです。
英会話の罠③ 効果的な学習法が身につかないまま、ネイティブ講師と話せるだけで満足してしまう
英会話スクール、特にマンツーマンレッスンの教室に通うと、ネイティブ講師と話す機会を作れます。
ネイティブ講師は発音も綺麗ですし、英語力も高いですし、「これはネイティブ講師に教えてもらうのが間違いない!」と思ってしまう気持ちもわかります。
しかし、です。
ポイントは、「ネイティブ講師と話せるか」ではなく、「効果的な学習法が身につくか」なのです。
先ほどの「英会話の罠②」で、英語習得に必要な学習時間は約3,000時間で、学校の学習時間を除いた残り1,500時間の確保が必要だとお話ししました。
例えば、365日、毎日1時間の英語学習をするとしたら、1,500時間の確保までにかかる年数は約4年です。
しかし、毎日1時間、英会話教室に通える人はそう多くないと思います。週1回程度が現実でしょう。
そうなると、週6日は自宅で学習することになります。
そして、その自宅学習で「何をどのように学習するのか」が非常に大切になるのです。
英語4技能を伸ばすためには、そのための学習法が必要です。
例えば、リスニング力を伸ばすためにはリピーティングやシャドーイングが必要になります。
スピーキング力を伸ばすためには、瞬間英作文や音読、暗唱が必要になったりもします。
問題集を解いては丸つけ、解いては丸つけ、先生から解説を受けて、はい、終わり。これでは英語4技能は伸びていきません。
そして、こういった一人でもできる効果的な英語学習法の指導ができる英会話スクールもそう多くないのが実情です。
では、どうして多くの英会話教室では効果的な英語学習法の指導ができないのでしょうか?
一つ目の理由は、物理的にできない場合があります。
例えば、1クラスに生徒が10人以上いるような英会話レッスンだとします。
この場合、授業内容を生徒一人ひとりに合わせて指導することは物理的に不可能です。
「Aくんはシャドーイングがうまくできてないな…。よし、今日のレッスンではシャドーイングのやり方をAくんに合わせて細かく教えよう。」
「Bくんはちゃんと音読をしているように見えるけど、意味を考えないでただの棒読みになっている…。今日のレッスンでは、Bくんに音読で意識するポイントを教え、身についているかどうかのチェックを入念にしよう。」
こういった生徒一人ひとりの状況に合わせ、シャドーイングや音読といった指導は集団レッスンだと物理的に不可能なのです。
結果、効果的な英語学習法を生徒一人ひとりに合わせて細かく指導できないのです。
二つ目の理由は、「講師がどのように英語を習得してきたか」にあります。
例えば…
日本に生まれ育った日本人にとっては、日本語は母国語なので、日本語はできて当然です。
そんな日本人が(例えば、今この記事を読んでいる「あなた」が)、「あなたは日本語ネイティブで日本語力が高い。だから、アメリカに来て、アメリカ人に日本語を教えてほしい!」と依頼を受けたとします。
そして、日本語レッスンの授業初日、あるアメリカ人生徒から片言の日本語でこう聞かれたとします。
「先生!
① 私はカレーが食べました。
② 私をカレーに食べました。
③ 私はカレーを食べました。
この3つのうち、どれが正しい日本語ですか?」
この質問に対し、あなたは「③だよ」と迷いなく答えるでしょう。
その次に、こう質問が生徒から飛んできました。
「先生!
日本語は難しすぎます!
今後、こういった表現を間違わないように、日本語を使いこなせるようになるための学習法を教えてください!」
こう聞かれたら、あなただったら何て答えますか?
「とにかくたくさん日本語を話すこと!そうすれば、自然と身につくようになる!なぜなら、私たち日本人もそうやって日本語を習得したんだから!」
あなたはこう答えるかもしれません。
しかし、この回答は本当に正しいのでしょうか?
確かに私たち日本人は日本で生まれ育ってきたので、日本語をたくさん話してきました。そして、今、日本語ができます。
ただし、これをアメリカに住んでいるアメリカ人にも同じように考えてもいいのでしょうか?
アメリカ人の母国語は、英語です。そして、アメリカという環境では日本語に触れる機会はほとんどありません。
つまり、アメリカ生まれのアメリカ育ち、そして現在もアメリカ在中のアメリカ人にとっては、
・日本語が母国語ではない
・普段の生活で日本語に触れる機会がほとんどない
という点が、日本で生まれ育った私たちとは決定的に違うのです。
私たち日本人は、日本語を母国語として身につけてきました。日本語しか使わないという環境のおかげで日本語を習得してきました。
つまり、特に「日本語を身につけよう!」という意識も苦労もせずに、日本語を身につけてきてしまったのです。
これはつまり、日本語を母国語とする日本人は日本語の学習方法を知らないということです。
さて、この話、日本語を英語にして考えてみましょう。
ネイティブ講師は確かに、英語力は高いです(日本語ネイティブである私たち日本人の日本語力が高いのと同じです)。
しかし、ネイティブ講師は大量の英語に触れられるという恵まれた環境で、母国語として英語を習得してきました。
学習によって英語を習得したのではありません(日本語ネイティブである私たち日本人が、日本語を意識せずに身につけたのと同じです)。
そうして、英語を身につけたネイティブ講師が、「私たちネイティブは英語をとにかくたくさん話して育ってきた。だからこうして英語ができるようになった。だから日本人ももっとたくさん英語を話すべきだ!」という信念のもと、英会話スクールで指導しているとします。
これは、本当に、私たち日本人にも通用する考え方なのでしょうか?
日本では、ほとんどの情報が日本語で手に入ります。
テレビ、新聞、本、英語圏の国から来た洋画ですら、字幕や吹き替えで楽しめます。つまり、英語がなくても困らずに生活でき、英語に触れる機会は非常に限られています。
そんな日本人の英語学習者が知りたいのは、「英語をたくさん話すことが大切」といった英語ネイティブがどうやって英語を習得したのかという話ではありません。
私たち日本人の英語学習者が知りたいのは、「英語に触れたり話す機会がほとんどない日本人が、日本にいながらにして英語習得を達成するためにはどうすればいいのか?」という具体的な学習方法なのです。
英語に触れる機会が圧倒的に少ない日本で日本人が英語を習得するためには、日本という状況に合った効果的な英語学習法が必要なのです。
しかし、そういった観点を持って、生徒一人ひとりに合わせて英語学習法を指導してくれる英会話教室がそう多くないのが現実なのです。
なぜ、こんなにも英会話教室が多いのに日本人は英語ができないのか?
日本は英語学習大国です。
英会話教室は乱立し、本屋に行けば大量の英語参考書、ネットで調べれば「聞き流すだけで英語が話せるようになる」といった英語教材も簡単に見つかるでしょう。
こんなにも、日本国民全体が「英語が大事だ!」と考え、そんな学習者ニーズに応えるべく、こんなにも多くの英会話教室、英語参考書、英語教材が存在している。
それなのに、日本人の英語力は下がっています。
その理由は、今日お話しした英会話の罠にあまりに多くの人がハマってしまっているからではないでしょうか?
筆者はこうした現実を考え、英会話スクールには行かずに独学で英語力を上げる道を選んだわけです。
もちろん、優れた英会話スクールもあります(筆者が英語学習をする際に出会えなかっただけです)。
ただ皆さんは、非常に多くの英会話教室のうちから、本当に効果の出る英会話教室を選ばなくてはいけないのです。
では、どういったポイントに注目して英会話教室を選べばいいのか?
こちらについては、以下の記事を読んでみてください!
→こちら:もう迷わない!本当に学習成果がでる英会話教室・英語塾を見つける3つのポイント!