こんにちは。英語を教えない英語塾『ESL club』です。
英語スキルをコツコツと伸ばし、ついに英検2級へチャレンジしようとしたものの
「リスニングがずっと苦手で、英検2級レベルの問題は難しすぎる」
「リーディングやライティングは合格点が取れるんだけど、リスニングが足を引っ張って英検2級に合格できない…」
と悩む人もいるでしょう。
英検2級リスニングは使われる語彙や文法も難しく、英文も長くなります。
そして、内容を聞き逃すと焦ってしまい、失敗をひきずり間違いを続けてしまう・・・という受験者も少なくありません。
しかし、こういった失敗は2級リスニングの解き方をマスターすれば解決できます。
本記事では「英検2級リスニング対策」と題して、2級リスニングの問題傾向と合格点を取るためのポイント、試験本番に向けた勉強方法をお伝えします!
この記事を読めば、
・「英検2級リスニングにどんな問題が出るのかわかった!」
・「英検2級リスニングのコツがわかった!」
・「英検2級リスニングの解き方がわかったから、焦らなくなった!」
を実現できます。
ぜひ、読んでみてください!
関連記事:英検2級の合格点・レベル・問題傾向・合格に必要な学習時間などを完全まとめ!
目次
英検2級のリスニング対策に力を入れる重要性
英検2級に含まれる4技能のなかで、とくにリスニング対策に注力するのをオススメします。その理由は次の4つです。
- 同じ問題構成の過去問が豊富
- 準2級より問題パターンが少なくなる
- 解答時間のテンポを掴みやすい
- 大学入試対策にもなる
それぞれ詳しく紹介します。
同じ問題構成の過去問が豊富
英検は、2024年度に問題構成が大幅にリニューアルされています。
2級では、リーディングとライティングがリニューアル対象です。
そのため、2級の一次試験のなかで2023年度以前の過去問と同じ形式で出題されているのは、リスニングのみです。
リスニングは同じ問題形式の過去問が豊富ですので、他の技能よりも対策しやすいと言えるでしょう。
準2級より問題パターンが少なくなる
英検2級のリスニングでは、準2級の大問1にあった選択肢なしの問題はなくなっています。
それにともない大問の数も3→2に減っています。
対策する問題のパターン数が少なくなるため、準2級よりも解きやすく感じる可能性が高いでしょう。
関連記事:英検リスニングのコツ・勉強法対策まとめ|これさえ読めば何もいらない!(5級・4級・3級・準2級・2級・準1級)
解答時間のテンポを掴みやすい
リスニングでは1問ごとに無音の時間が10秒間挟み込まれていて、この時間内に回答します。
リーディングやライティングのように自分で時間配分を調整する必要がないため、テンポ良く解きやすいのがメリットです。
そのためリスニングは、「最後まで解き終わらなかった」という悩みを抱えにくいでしょう。
大学入試対策にもなる
英検2級の難易度は、高校卒業レベルだとされています。
つまり、大学入学共通テストのリスニングと同じくらいの難易度の問題が出されるということです。
そのため、英検2級のリスニング対策を通して、共通テストのスコアアップに必要なスキルも同時に高められます。
関連記事:英検レベル|各級の難易度目安や受験の順番は?英検協会も教えない情報を公開
リスニングで何点取れば、英検2級に合格できるの?
現在、英検の合否はCSEスコアで決まります。
→CSEスコアについてはこちら:英検CSEスコア|英検|公益財団法人 日本英語検定協会
素点とCSEスコアの関係について詳しく知りたい方は「英検の合格点ってどう決まる?CSEスコアを徹底解説!【素点ーCSEスコアのグラフも大公開!】」を読んで頂きたいのですが、「結局、英検2級リスニングで何点とればいいの?」と結論を急ぐ方は、以下の表をご覧ください。
こちらは、過去ESL clubにおける受験結果から割り出した英検2級一次試験の合格基準点になります。(ただし、CSEスコアの性質上、「上記の点数をとれば必ず合格できる」とお約束するものではありません。あくまで参考程度にしてください。)
全体の目標点は55点 / 84点(得点率65%)で、そのうちリスニング合計の目標点は26点 / 30点(得点率87%)になります。
この合格基準点は、リスニングの目標点を高めに設定しています。
なぜなら、ESL clubには小学生が多く、小学生が英検を効率的に合格していくにはリスニング重視で学習を進めるのがベストだからです。
→詳しい理由についてはこちら:【小学生の英検対策】リスニング重視の勉強法が最も効果的である理由とは!?
もし、リスニングがこの目標点に届かない場合は、その分リーディングとライティングで点数を稼ぐ必要があります。
英検2級リスニングではどんな問題がで英検2級リスニングの試験内容
英検2級リスニングは、以下の2つの大問で構成されています。
- 【大問1】会話の内容一致選択
- 【大問2】文の内容一致選択
各大問15問ずつ、合計30問になります。
英検2級リスニングでは音声は一度しか流れません。
では大問ごとに、詳しく見ていきましょう。
【大問1】会話の内容一致選択
大問1は「会話の内容一致選択」です。
では、音声の流れを見てみましょう。大問1はスピーカー2人の会話になります。
① 1人目の発言(1回目)
② 2人目の発言(1回目)
③ 1人目の発言(2回目)
④ 2人目の発言(2回目)
⑤ 会話の内容に関する質問
このようにスピーカー2人の会話の後に、会話の内容に関する質問が流れます。
2級リスニング大問1は必ずこの流れになります。つまり、スピーカーが1回しか発言していないのに急に「会話の内容に関する質問」が流れたり、逆にスピーカーが3回も4回も発言をすることはないということです。
ですので、この大問1の会話の流れをしっかりと覚えておきましょう。
では、次に英検本番で流れる音声を見てみましょう。
① 女性:Jack, one of our clients is arriving from Spain next Tuesday. Can you pick her up at the airport?(ジャック、来週の火曜日にスペインからクライアントの1人が到着するわ。彼女を空港まで迎えに行ってもらえる?)
② 男性:Sure, Ms. Evans. But why me? Don’t you usually have Tom pick people up?(もちろんです、エバンスさん。しかし、どうして私ですか?いつもトムに迎えに行ってもらっていましたよね?)
③ 女性:I don’t think the client speaks English. I’d like you to go because you’re the only one here who speaks Spanish.(そのクライアントは英語が話せないと思うの。あなたは唯一、スペイン語が話せる人材だから、あなたに行ってほしいのよ。)
④ 男性:All right. I’ll happy to to go.(わかりました。喜んで行かせていただきます。)
⑤ Question: Why does Ms.Evans ask Jack to pick up their client?(質問:なぜエバンスさんはジャックにクライアントを迎えに行くように頼んだのですか?)
そして、問題用紙には以下のような選択肢が書かれています。
この中から適切な選択肢を選ぶ問題になります。
こういった問題が15問続くのが英検2級リスニングの大問1になります。
今回の問題もそうですが、英検2級リスニングではビジネスシーンでの会話も多くなります。
こういった音声内容は、ビジネスシーンに馴染みのない小学生はもちろん、中高生にとっても難しい場合があります。なぜなら、学生はビジネスに関する背景知識がないため、音声を聞き逃した際に内容を推測するのが困難だからです。
しかし、だからといって「ビジネスの背景知識がないと2級リスニングで合格点をとれない」ということではありません。
後ほどお伝えする解法のコツを身につけ、継続して学習すれば合格点はとれるようになります。
【大問2】文の内容一致選択
大問2は「文の内容一致選択」になります。
大問2は大問1とは異なり、会話ではなくスピーカー1人によるナレーションになります。
音声の流れは以下の通りです。
① ナレーション
② ナレーションの内容に関する質問
具体的に、英検本番で流れる音声を見てみましょう。
① Yumiko is working as a volunteer teacher in a small village in Vietnam. There is no Internet connection in the village, and Yumiko’s cell phone does not work there. Once a week, she goes to a nearby town where she can use a computer. She sends e-mails to her friends and family while she is there.(ユミコはベトナムの小さな村で、ボランティアの教師として活動しています。その村にはインターネットが繋がっていないため、ユミコのケータイは使えません。週に1度、彼女はコンピューターが使える近くに町に行きます。彼女はそこにいる間に、友達と家族にメールを送っています。)
② Question: Why does Yumiko go to a town near her village?(質問:なぜユミコは村の近くの町に行くのですか?)
英検2級リスニング大問2は、全ての問題がこの流れになります。
そして、問題用紙には以下のような選択肢が書かれています。
この中から適切な選択肢を選ぶ問題になります。
こういった問題が15問続くのが英検2級リスニングの大問2になります。
先ほどの音声スクリプトを見ると、
〜 she goes to a nearby town where she can use a computer.
このように、関係副詞といった難しい文法事項を用いた英文も平気で出てきます。こういった文法事項が使われる英文は長くなる傾向にあり、理解が追いつかずに点数を落としてしまうのです。
つまり、高校文法を使った英文を聞き取ることが要求されるのが英検2級リスニングだということです。
(しかしこれは、「高校文法を完全にマスターしないと英検2級リスニングで合格点がとれない」という意味ではありません。もちろん、高校文法の知識を理解している方が有利ではありますが、高校文法を完全にマスターしていなくても、語彙力を高めた上でしっかりとシャドーイングや音読に取り組めば、十分に2級リスニングで高得点を狙えます。)
ここまでで、英検2級リスニングではどういった問題が出題されるのか、わかって頂けたかと思います。
ではここからは、英検2級リスニングをどのように対策していけば高得点が獲得できるのか、そのポイントについてお話します。
英検準2級のリスニングとの違いは?
準2級からの変化は、次の2つです。
- 問題構成が大問3つ→大問2つになること
- 扱うトピックや単語の難易度が上がること
難易度の違いを理解するために、各級で求められる語彙の違いを見てみましょう。
必要単語数の違いだけ見ると、3級→準2級の変化に比べると簡単そうに感じるかもしれません。
しかし、日常会話が中心だった準2級と違い、ニュースやビジネスシーンを想定した問題が数多く出題されます。
あまり馴染みのない単語を多く扱うため、語彙を増やすのに苦労する人も多いでしょう。
関連記事:英検2級の重要単語5分テスト!レベル診断と効率的な覚え方、おすすめ参考書も紹介
【リスニングの解き方】英検2級では3つのコツを押さえて合格をつかめ!
英検2級リスニングを解くコツは、次の3点です。
- 選択肢を先読みして、本文と質問の内容を予想する
- 音声を聞くときは和訳するのではなく、内容をイメージする
- 正解がわからなくても粘らずに、次の問題の音声が始まったら適当に解答してしまう
それぞれ詳しく紹介していきます。
① 選択肢を先読みして、本文と質問の内容を予想する(チャンスは2回!)
英検2級リスニングでは、リスニング力だけでなくリーディング力も問われていることをご存知でしたか?
なぜなら、2級リスニングで高得点をとるためには、10秒という短い解答時間で、素早く選択肢を読み、内容をつかむ必要があるからです。
リスニング力ではなく、「選択肢を素早く正確に読む速読力」が足りず、2級リスニングの点数が伸びない場合も少なくないのです。
では、どうすればいいのでしょうか?
ポイントは、「選択肢を先読みすること」です。
先読みで選択肢の内容をあらかじめ把握しておくことで、リスニング試験中、余裕を持って選択肢を選ぶことができます。
そして、2級リスニングでは先読みできるタイミングが2回あります。
まず1回目の先読みできるタイミングは、リスニング試験が始まる前です。
英検2級では、まず筆記試験(リーディング・ライティング)が行われ、筆記試験の終了時間がくると自動的にリスニング試験に進みます。
しかし、問題冊子は筆記試験もリスニング試験も全て1冊にまとまっています。
つまり、筆記試験の途中でもリスニングの選択肢を先に見ることができるのです。
この特徴を生かして、筆記試験を早めに終わらせて、余った時間でリスニングの選択肢をあらかじめ先読みしておきましょう。(リスニングの先読みをするために、実際に筆記試験を何分で終わらせればいいのかを知りたい方は、こちらの「【英検一次試験】合格点と時間配分を公開!2018年度最新版!」を確認してください。)
では、実際に英検2級リスニングの選択肢を見てみましょう。
先読みをする上でのポイントは2つあります。
① 本文と質問の内容を予想する
② (自分にとって)難しい単語の意味をメモしておく
まず、先読みでやるべきことは「本文と質問の内容を予想する」ことです。
先ほどの選択肢の意味を1つずつ確認してみましょう。
1 A place where he can park his car.(彼が車を駐車できる場所)
2 A parking lot that just opened.(開いたばかりの駐車場)
3 The park near the police station.(警察署近くの公園)
4 The prices at the parking garage.(立体駐車場の値段)
これらの選択肢から、どういった本文が出題されるか予想できるでしょうか?
少なくとも、車を駐車したい人が登場しそうですよね。駐車スペースがなくて困っているのかもしれません。
質問はどうでしょうか?
「どこに駐車できますか?」といった質問が続きそうです。
しかし、4の選択肢だけ「どこに駐車できますか?」という質問に対する返答になっていないことがわかります。(「どこに駐車できますか?」という質問に対して「立体駐車場の値段」という回答はおかしいからです。)
ですので、「駐車に関する質問がされそうだが、『どこに駐車できますか?』という質問ではない」ということがわかります。
このように、選択肢から本文と質問の内容を予想しておくのです。
2つめのポイントは、「難しい単語の意味をメモしておく」ことです。
例えば、
1 A place where he can park his car.(彼が車を駐車できる場所)
3 The park near the police station.(警察署近くの公園)
この”park”という単語、1の選択肢では「駐車する」という意味で、3の選択肢では「公園」という意味です。
もしあなたが選択肢を先読みした時に、「あれ?この”park”って『公園』って意味?それとも『駐車する』って意味?」と悩んでしまうようだと、リスニング試験中に選択肢を理解するのに時間がかかり、点数を落としてしまうかもしれません。
そこで、自分にとって難しい単語が出てきた場合は、選択肢にメモを書いておくのがいいでしょう。
例えば、以下のようにメモしておくのです。
そうすれば、リスニング中、選択肢をみたときに、「そうだ、ここの”park”は『駐車する』って意味だった」とすぐに思い出せます。結果、素早く選択肢の内容を掴めるのです。
これで1回目の先読みはOKです。(もちろん、リスニング試験開始までにまだ時間があるようでしたら、選択肢を何度も先読みして、内容を頭に刷り込んでおきましょう。リスニング試験がだいぶ楽になります。)
次に、2回目の先読みタイミングです。
2回目の先読みのタイミングは、音声が始まる直前です。
まずは、以下2つの解き方を見比べてみてください。
これら2つの解き方の違いは何でしょうか?そして、どちらのほうが正答率は上がるでしょうか?
解き方①では、音声が始まる前に選択肢の先読みをしているのです。選択肢を入念に先読みしておけば、音声が終わったらすぐに選択肢を選ぶことも可能です。
選択肢を選んだら、すぐに次の問題の選択肢の先読みに移ります。次の問題の音声が始まるギリギリまで選択肢を先読みし、内容を頭に刷り込んでおくのです。
こういった流れで問題を解いていくのが、解き方①です。
一方、解き方②では選択肢の先読みができていません。そして、先読みをしていないため、選択肢を選ぶのに時間がかかり、また先読みできないまま、次の問題、次の問題、と進んでいってしまうのです。
実際にやってみるとわかりますが、解き方①ではかなり余裕を持って選択肢を選んでいけます。一方、②の解き方は、常に音声に追われて焦りながら問題を解いている状態です。
どちらの解き方が正答率が上がるかは明らかです。余裕を持ってリスニング試験に臨めている解き方①の方が正答率は上がります。
リスニング試験が始まるまでの時間、つまり筆記試験の余った時間にしっかりと選択肢の先読みができていれば、音声が始まる直前の先読みも比較的、簡単にできます。
このことからも、筆記試験の余った時間に先読みすることは非常に大切なのです。
なお、音声が始まる直前まで選択肢の先読みを行うことは大切ですが、音声が始まったら音声にのみ集中しましょう。音声を聞いている間は選択肢を読んだりしないほうがいいです。気が散って、音声の内容を聞き逃してしまうからです。
音声が始まったら、選択肢は目に入れず、とにかく音声にだけ集中しましょう。
② 音声を聞くときは和訳するのではなく、内容をイメージする
2級リスニングの音声を聞いているとき、あなたの頭の中はどうなっているでしょうか?
2級リスニングでは、音声は一度しか流れません。そして、2級リスニングともなると、音声で流れる英文も長くなり、音声スピードもそれなりに速くなります。
そんな中、もしあなたがリスニング中、和訳をしながら内容を理解しようとしてしまっているとしたら、以下のような状態に陥ってしまいます。
音声:Jack, one of our clients is arriving from Spain next Tuesday.
頭の中:「”clients”は『お客さん』っていう意味で、”arrive from Spain”って聞こえたな。お客さんがスペインから・・・」
音声:Can you pick her up at the airport ?
頭の中:「うわ!もう次の英文になっちゃった…。”pick up”って聞こえたから「迎えに行く」って意味だから…」
音声:I don’t think the client speaks English. I’d like to you to go to because you’re the only one here who speaks Spanish.
頭の中:「もう早くてついていけない…。”speak English”って聞こえたり、”speak Spanish”って聞こえたり、何が何だか…」
この人は、リスニングをしながら和訳し、日本語で内容を考えてしまっています。結果、音声についていけなくなってしまっているのです。
では、どうすればいいのでしょうか?
ポイントは、「和訳するのではなく、内容をイメージすること」です。
「内容をイメージする」とはどういった意味なのでしょうか?
例えば、先ほどの音声であれば、以下のようなビジュアルを頭の中にイメージするのです。
このように、音声を聞きながら和訳することなく、英文を前からどんどんイメージ化していきます。
今回は説明の都合上、画像を使っていますが、実際はまるで映画を観ているかのように動画としてイメージしていくといいでしょう。
これが、「内容をイメージする」という意味です。
では、どうしてリスニングにおいて内容をイメージすることが大切なのでしょうか?
下の図を見てください。
リスニングの際、音声を聞きながら和訳をするプロセスは上図の①の流れになります。
つまり、脳内で一度和訳をして、それからイメージして、内容を理解しているのです。(我々日本人は、無意識に日本語をイメージ化できます。例えば、「日本一怖いお化け屋敷」と聞けば、頭の中で勝手にイメージが浮かぶはずです。日本語であれば、すぐにイメージが浮かんで、意味が掴めるのです。)
この①の流れだと、一度和訳をして日本語を介するため、理解するまでに時間がかかります。結果、音声についていけずに点数を落としてしまうのです。
一方、②のプロセスだと日本語を介しません。直接、英語をイメージとして捉えるため、理解のスピードが速くなるのです。結果、英語の音声にも問題なくついていけます。
この「内容をイメージする」というポイントですが、言われてすぐにできるものではありません。特に、今まで和訳中心の英語学習をしてきた人は和訳癖が付いていますので、簡単には英語を直接イメージできるようにはならないでしょう。
しかし、意識しないとできるようになることはありません。
「和訳をせずに内容を直接イメージして、意味を掴む」
これを意識してリスニングの学習に取り組むことで、日本語を介さずに、英語を英語のまま理解できるようになります。
ぜひ、意識して学習を進めましょう。
③ 正解がわからなくても粘らずに、次の問題の音声が始まったら適当に解答してしまう
最後のポイントです。
それは、「諦めが肝心」ということです。
英検2級受験者の中で、2級リスニングの音声を100%、完璧に聞き取れる受験者はまずいません。(もしそうであれば、その人は2級でなく、準1級以上を受けるべきです。)
ですので、音声を聞き取れない場合ももちろんあります。あって当然なのです。ここで焦ってはいけません。
その時に一番やってはいけないことは、正解がわからない問題で粘りすぎて、次の問題も間違えることです。
例えば、こういう状況です。
音声を聞き取れず、あなたは正解がわかりません。
あなた:「あれ…?どれが答えだろう…。わからない…。」
そうこう悩んでいるうちに音声は次の問題に進んでしまいました。
あなた:「あ!ちょっと待って!もう少しでわかりそう…。うーん、やっぱりダメだ、わからない!『1』でいいや!」
そうしてなんとかマークシートの『1』を塗って、次の問題を聞こうとするも、既に音声は先に進んでしまっています。
あなた:「あれ…。途中からだからまたわからない…。わからない…。どうしよどうしよ…。」
そして、そのまま次の問題も間違えてしまいました。
・・・
これは音声を聞き逃した失敗をずるずる引きづり、その後何問も同じように間違ってしまう典型的な悪循環パターンです。
ポイントは、例え正解がわからなくても、音声が次の問題に進む直前にはとりあえず適当に回答してしまい、次の問題に集中することです。
遅くても「No.○」と次の問題番号のアナウンスが聞こえたら、適当に選択肢を選び、急いでマークシートを塗ってしまいましょう。そして、次の問題の音声に集中するのです。
例え、1問間違えてしまったとしても、気持ちを切り替えて次の問題に集中する方が正答率は高くなります。
ですので、決して粘りすぎないこと。次の問題の音声が聞こえたら、諦めてさっさと解答すること。失敗を引きずらず、気持ちを切り替えて、次の問題に集中すること。
このことを忘れないでください。
英検2級リスニングの学習に必要な教材とは?
今回お伝えする英検2級リスニング勉強法に取り組むために、まずは必要教材を揃えましょう。
最初の一冊は、「英検2級 過去6回全問題集(過去問)」です。
この過去問のうち、リスニング問題だけを用いて勉強します。
英検2級リスニングの対策をするのであれば、まずは過去問を使うのが一番です。
・現状のリスニング力を把握できる
・英検2級リスニングの問題に慣れることができる
・英検2級合格に必要なリスニング力を最も効率的に伸ばすことができる
これらを実現する上で最も適しているのは英検2級の過去問だからです。
もし、過去問のリスニング問題を全て学習しきってしまったら、以下の教材がオススメです。
こちらの「英検2級 文で覚える単熟語(文単2級)」には、2級レベルの英文が音声付きで多く収録されているため、リスニングの学習が可能です。
しかし、収録されている英文は英検2級のリーディングで出題されるような長文も多く、2級リスニングに比べると少し難しいです。
ですので、まずは過去問のリスニング問題を使って学習し、全て完璧に学習し終わったら、文単に移りましょう。(しかし、単語やライティングの学習などにもしっかりと取り組めていれば、過去問のリスニング問題を学習し終わる頃には英検準2級には合格できてしまいます。ですので、まずは過去問しっかりと取り組みましょう。)
【リスニング勉強法】英検2級で正答率8割以上を達成するには?
正しい勉強法を継続すると、英検2級リスニングで8割以上の高い正答率を狙えます。
ESL clubが実践する、リスニング対策の流れは次の通りです。
- 問題を解く
- 丸付けをして点数を記録する
- 音声スクリプトを使って英文の内容を理解する
- 「英文ありシャドーイング」に取り組む
- 「音読」に取り組む
- 英文なしシャドーイングに取り組む
それぞれ詳しく紹介していきます。
① 問題を解く
まず最初にリスニングの問題を解きます。
問題を解く時は、できるだけ本番に近い状態で解きましょう。
聞き逃しても決して音声を巻き戻したりはせずに、通しでリスニング問題を解きましょう。(リスニング1回分である全30問を一度に解けなくても、少なくとも大問1つ分は通しで解いた方がいいです。)
また、英検本番が近づいてきたら実際にマークシートを使って問題を解きましょう。マークシートを一度も使うことなく英検本番に臨むと、勝手が違くて慌ててしまう場合があります。(過去6回全問題集にはマークシートも付いています。)
② 丸付けをして点数を記録する
問題を解いたら、解答を見て丸付けをします。
丸付けをしたら、日付と点数を記録しておきましょう。
これで、現状のリスニング力が把握ができます。
また、点数を毎回確認することで、自分の勉強法に問題がないかもチェックできます。
どれだけ継続しても点数が上がらないのであれば、それは勉強法に何かしらの問題があるということです。(なお、「学習を続けているのに点数が上がらない!」という場合の対処法は、後でお伝えします。)
③ 音声スクリプトを使って英文の内容を理解する
次に、過去問の解答に収録されている音声スクリプトを使って、英文の内容を理解していきます。
やり方は以下の通りです。
① 英文を前から読んでいく
② 意味がわからない単語や熟語に線を引く
③ 和訳を見て意味を確認し、英語と線で結ぶ
英文の内容チェックが終わった音声スクリプトは、以下のようになります。
このように、わからない単語と熟語に線を引き、和訳と線で結びながら、英文の内容を理解していきます。
この時、注意点があります。
それは、「文法知識にこだわりすぎない」ということです。
例えば、”have gone”という意味がわからない時、「”gone”は一般動詞”go”の過去分詞形で、”have gone”で現在完了形だから…」といった理解は、英検リスニングの学習では必ずしも必要ありません。
「”have gone”は『行ってしまった』という意味かー」と、単語の意味を確認する程度に留めてください。
この時に、「現在完了を理解できていないから、文法を復習しないと!」と文法の問題集を学習したりするのは得策ではありません。なぜなら、英検2級リスニングで高得点をとる上では、必ずしも細かな文法知識は必要ないからです。
リスニング力を上げたいなら文法の知識を増やすよりも、後述するシャドーイングや音読に取り組んだほうが効果的です。
ですので、文法知識にこだわりすぎず、「わからない単語や熟語があったら和訳を見て意味がわかればOK」という意識で英文を理解していきましょう。
(なお、決して「英語習得をする上で文法学習は必要ない」と言っているわけではありません。文法の学習も有益です。
しかし、今回の「英検2級リスニングで正答率8割以上を達成する勉強法」という文脈では、そこまで重要ではないということです。
むしろ、日本人は文法偏重に陥りがちです。リスニング力を上げるという目的を達成する上では、その意識を少し戒めるぐらいがちょうどいいと言えます。)
【ここからが超重要!】「知識」で満足せずに、練習に取り組もう!
さて、リスニング勉強法はここからが本番です。
今までのステップは、いわば本番のための準備、ウォーミングアップといったところです。
「英検2級リスニングの点数が上がらない…」と嘆く多くの人は、ここまで説明してきたステップ①〜③をやって満足してしまいます。
つまり、
① 問題を解く
② 丸付けをする
③ 音声の英文の内容を理解する
をやって、満足してしまうのです。「ふむふむ、英文の意味がわかった。これで完璧。」と次の問題に進んでしまうのです。
残念ながら、これではリスニング力が伸びることはありません。
なぜでしょうか?
なぜなら、リスニングとは「知識」ではなく「技能」だからです。
例えば、水泳について考えてみましょう。
あなたはクロールの泳ぎ方をプールサイドで教わったとします。腕の回し方やフォームを習いました。しかし、実際に水に入って泳いではいません。プールサイドで習っているだけです。何時間も何時間も。
果たして、これで泳げるようになるでしょうか?
ならないですよね?
なぜなら、「クロールの泳ぎ方」という知識を増やすだけで、実際に水に入って泳ぎの練習をしていないからです。
いくら知識を増やしても、練習をしないと泳げるようにはなりません。
なぜなら、練習をしないと技能にならないからです。水泳は技能なのです。知識だけでは泳げません。
そして、これはリスニングも同じです。
リスニングもスポーツ同様、知識ではなく技能です。
いくら文法を習っても、いくら単語を覚えても、つまり、いくら知識を増やしても、練習をして「技能」を習得していかない限りリスニング力は向上しないのです。
① 問題を解く
② 丸付けをする
③ 音声の英文の内容を理解する
これしかやらずに「リスニング力が上がらない…」と嘆いている人は、プールサイドでずっとクロールの泳ぎ方を教わりながらも決して水に入って練習はせずに、「クロールが泳げるようにならない…」と嘆いているのと同じです。
水に入って泳ぐ練習をしない限り泳げるようにはなりません。それと全く同じで、音声を聞いて練習をしない限りリスニングはできるようにはならないのです。
知識で満足せずに練習を繰り返すこと。練習を繰り返して、技能を習得すること。
これがリスニング力アップのポイントです。
では、「リスニング力を上げるための練習」とは何をすればいいのでしょうか。
それが、これから説明する④〜⑥のステップになります。
④ 「英文ありシャドーイング」に取り組む
ここからは「英文ありシャドーイング」に取り組んでいきます。
わからない単語や熟語を確認した音声スクリプトを見ながら、シャドーイングをしていきます。
シャドーイングとは、「聞こえた音声を真似しながら、音声に少し遅れて発音する」学習法です。
実際にシャドーイングをやっている音声を聞いてもらった方がわかりやすいと思うので、以下の音声を参考にしてください。
このように音声を聞きながら、少し遅れて発音していくのがシャドーイングです。
この「英文ありシャドーイング」のゴールは2つあります。
① CD音声と同じ発音
② CD音声と同じスピード
でシャドーイングができるようになることです。
「CD音声と同じ発音」について説明します。
例えば、先ほどシャドーイングした英文には、”My friend recommended that I ordered ~”という文がありました。
ここの英文の”~ that I ~”をカタカナ発音で表すと、「ザット アイ」になります。
しかし、実際の音声ではこのようには聞こえません。
ここの”that”は「ザット」とはっきり聞こえず、後ろの”I”とくっ付いて発音されるため、「ザッアイ」と聞こえます。場合によっては、この”~ that I ~”は「ザッ(ラ)イ」と少しRの発音が混じって聞こえることもあるでしょう。
こういった、カタカナ発音ではない英語特有の発音を、聞こえた通りにシャドーイングしていくのです。
つまり、「CD音声と同じ発音」とは、カタカナ発音ではなく、CD音声をそっくり真似て発音するということです。
もう1つのゴールは、「CD音声と同じスピード」です。
CD音声のスピードを追い抜いてもいけませんし、遅れすぎてもいけません。
あくまでCD音声と同じスピードを保ち、少し遅れて発音していきます。
この英文ありシャドーイングの2つのゴールである
① CD音声と同じ発音
② CD音声と同じスピード
を守りながら、途中でつっかえたり、発音をごまかしたりすることなく、シャドーイングできるようになったら④の「英文ありシャドーイング」は完了です。
なお、この時はまだ英文の意味は意識しなくてもOKです。(これは⑤以降でやっていきます。)
「英文ありシャドーイング」では、「CD音声と同じ発音」、「CD音声と同じスピード」の2点のみを意識して練習しましょう。
⑤ 「音読」に取り組む
次に、音読に取り組みます。
④の「英文ありシャドーイング」にしっかり取り組んでいれば、正しい発音ができるようになっているはずです。
次は、CD音声は聞かずに英文を音読していきましょう。しっかり声に出して、音読してください。
音読のゴールは、「和訳をせずに内容をイメージしながら、スラスラと音読できること」です。
「内容をイメージする」とはどういうことでしょうか?
例えば、先ほどシャドーイングした英文である
I wanted to order the salmon pasta, but I didn’t see it anywhere on the menu.(サーモンパスタを注文したかったのですが、メニューのどこにもありません。)
を音読する際、頭の中で次のようなビジュアルをイメージしながら音読していきます。
このように、英文を音読しながら内容をイメージしていきます。(今回は説明の都合上、画像を使っていますが、実際はまるで映画を観ているかのように動画としてイメージしていくといいでしょう。)
この時のポイントは、頭の中で和訳をしないことです。
和訳はせずに、英語から直接、内容をイメージし理解していきます。
これができるようになると、英語を英語で理解できるようになり、リスニング力が大きく向上します。
ここで注意が必要なのが、「棒読みにならないこと」です。
棒読みとは、「内容をイメージすることなくただ声を出しているだけの状態」のことを指します。これではなんの意味もありません。
ですので、必ず内容をイメージしながら音読しましょう。
つっかえたり、棒読みになってしまう箇所がなくなるまで、繰り返し音読しましょう。
⑥ 英文なしシャドーイングに取り組む
内容をイメージしながら音読ができるようになったら、最後は「英文なしシャドーイング」に取り組みます。
「英文なしシャドーイング」とは、④でやったシャドーイングを、音声スクリプトを見ないで行います。
英文なしシャドーイングのゴールは、
① CD音声と同じ発音
② CDと同じスピード
③ 和訳せずに内容をイメージ
この3つです。つまり、今までの集大成ということです。
途中でつっかえたり、発音をごまかしたり、棒読みになってしまう箇所がなくなるまで、何度も「英文なしシャドーイング」に取り組みましょう。
「文単2級」も同じ要領で学習すればOK!
文単2級も過去問と同じ要領で学習をすればOKです。
ただし、文単2級には問題がついていませんので、
【英検2級リスニング勉強法|文単準2級】
① 音声を一度、通しで聞いてみる
② 和訳を確認して、英文の内容を理解する
③ 英文ありシャドーイングに取り組む
④ 音読に取り組む
⑤ 英文なしシャドーイングに取り組む
というやり方で取り組んでいきましょう。
文単は英文1つ1つが長く、英語と日本語を線で結ぶとわかりづらくなってしまうことが多いため、代わりに番号をふっておくといいでしょう。
英検2級リスニング勉強法Q&A|こんな時はどうすればいいの?
最後に、英検2級リスニング勉強法に取り組む上で、よくある質問にお答えしておきます。
学習中、うまくいかない場合の参考にしてください。
Q1:過去問のリスニング問題を解く時は、「先読み」はしたほうがいいのか?
こちらの「英検2級リスニング対策|合格点を確実にとるための3つのコツ!」では、リスニング問題の先読みを推奨しています。
ですので、「過去問のリスニング問題を解く時も、先読みをしたほうがいいのだろうか?」と疑問に思うかもしれません。
答えは、「普段の学習では先読みはしないで、英検本番が近づいたら先読みを行う」です。
なぜなら、学習の段階では負荷を高めたほうがいいからです。
どういうことかというと、普段は先読みしないで練習をしておけば、英検本番で先読みをした時に、リスニングの問題が簡単に感じられます。結果、点数が伸びやすくなるのです。
ですから、普段は負荷を高めるために先読みはせずに学習に取り組みましょう。
しかし、英検本番が近づいたら、何回かは実際に先読みしてから問題を解いた方がいいです。その際は、5〜10分程度の時間を設定し、先読みするのがいいでしょう。
なぜなら、先読みにもコツがあるからです。先読みのやり方に慣れるためにも、英検本番が近くなったら、先読みの練習をしておくと安心です。
Q2:シャドーイングでCD音声についていけない場合はどうすればいいのか?
シャドーイングでよくあるお困りごとが「CD音声についていけない」という問題です。
まず、CD音声についていけない理由が、以下2つのどちらなのかを探ります。
・CD音声に口がついていけない
・CD音声に頭の理解(内容のイメージ)がついていけない
まず、1つ目の「CD音声に口がついていけない」ということであれば、「高速音読」がオススメです。
高速音読とは、文字通り、できるだけ速く音読することです。
もしCD音声よりも速く音読できないのであれば、シャドーイングでも絶対についていけません。
ですので、まずはできるだけ速く音読することで、口がCD音声に置いていかれないように練習するのです。
2つ目の原因、「CD音声に頭の理解がついていけない」ということであれば、逆にゆっくり音読して、確実に頭から内容をイメージしていく練習をしましょう。
そして、だんだんとスピードを速めていきます。ただし、あくまで頭の理解が追いつくスピードに留めます。これを繰り返していけば、いずれCD音声と同じくらいのスピードで音読しても、頭の理解が追いつくようになります。
以上の練習を繰り返し行ってから、シャドーイングに取り組むといいでしょう。
前提として、シャドーイングは反復練習の結果、段々とうまくなっていくものです。
ですので、工夫を重ねながら、繰り返し練習しましょう。必ずできるようになります。
Q3:シャドーイングや音読には、何回ぐらい取り組めばいいのか?
シャドーイングや音読に必要な練習回数は、もちろん学習者一人一人によって異なります。
ですので、「10回やればOK」といった絶対的な回数はありません。
あくまで目標は、ステップ一つ一つのゴールを完璧にクリアすることです。
ステップ1つ1つのゴールとは、
・英文ありシャドーイング:CD音声と同じ発音・同じスピード
・音読:和訳せずに内容をイメージできる
・英文なしシャドーイング:CD音声と同じ発音・同じスピード・和訳せずに内容をイメージできる
です。
何よりも優先すべきは、このゴールを1つ1つ着実にクリアしていくことです。
この前提を踏まえた上で、あえて目安の回数を挙げるとしたら、合計30回です。
例えば、以下のような学習サイクルで取り組んでいきます。
これで、1週間で合計30回、シャドーイングや音読に取り組めます。
確認ですが、「1つの問題につき、この30回の練習に取り組む」ということです。「いろんな問題をシャドーイングや音読して、合計30回になればいい」ということではありません。同じ問題を何回も反復練習して、取り組むのです。
ちなみに、英検2級リスニングであれば、上記の学習サイクルを10問行えば、だいたい1日20分で終わります。学習する際の参考にしてください。
Q4:勉強法に取り組んでいるのに点数が上がらない場合の原因は?
シャドーイングや音読にしっかり取り組んでいるのに英検2級リスニングの点数が上がらない場合、チェックすべきは以下の3つです。
・シャドーイングや音読をする際、ちゃんと内容をイメージできているか?
・単語学習も並行して進めているか?
・十分な学習時間を確保しているか?
1つ目の考えられる原因としては「シャドーイングや音読が棒読みになっている」ということです。
つまり、「内容をイメージすることなく、ただ声を出しているだけ」という状態に陥っているからです。
「内容をイメージする」というのは、思ったよりも難しいです。特に最初の方は、相当意識しないとすぐに棒読みになってしまいます。
ですので、毎回のシャドーイング、音読で本当に内容をイメージできているかを厳しくチェックしながら取り組んでいきましょう。
また、内容をイメージしながら行うシャドーイングや音読は、かなりの集中力が必要とされます。
ですので、連続でも20~30分間ぐらいの学習時間を上限に取り組むのがいいでしょう。
例えば、もし1日1時間シャドーイングや音読に取り組みたいのであれば、朝30分やって、寝る前に30分取り組むなど、時間を小分けにして取り組むといいでしょう。
点数が上がらない2つ目の原因は、並行して単語学習に取り組んでいないという点です。
英検2級リスニングのシャドーイングや音読だけでは、2級合格に必要な単語を覚えきるまでにかなり時間がかかります。
ですので、リスニング学習に並行して英検2級レベルの単語を暗記していきましょう。
英検2級リスニングの学習と単語学習を並行して行うと、単語帳で覚えた単語にリスニング学習中も出会うことができます。
1つの単語に単語帳とリスニング問題、両方で出会うことで、記憶への定着も促進されます。
そういったメリットからも、ぜひ、リスニング学習と単語学習を並行して進めていきましょう。
最後の原因は、学習時間の問題です。
いくら正しい勉強法を実践していたとしても、学習時間が不十分だと伸びません。
もし、リスニングが苦手であれば、できれば1日30分のリスニング学習をまずは1ヶ月間、続けてみましょう。何かしらの変化が感じられるはずです。
Q5:リスニング対策にはディクテーションも効果的?
ディクテーションの効果は塾によって考え方が分かれていて、ESL clubではディクテーションは取り入れていません。
その理由は、ディクテーションは子どもにとって負荷が大きく、かえって効率が悪くなってしまうことがあるからです。
ディクテーションは非常に難しく、練習に多くの時間がかかりかかり、大きな作業負荷を子どもたちに強いることになってしまいます。
とくに小学生のうちからディクテーションを取り入れると、挫折したり、英語が嫌いになったりするリスクがあるでしょう。
また、リスニングのみという観点で考えると、書くという作業の効率に課題があります。
書く時間をかけるよりも、文面を見たり音源を聞いたりしながら読む「リピーティング」や「オーバーラッピング」のほうが効率的です。
こうした理由から、ESL clubでは子どもたちへのディクテーションによるリスニング対策を推奨していません。
知識」で満足せずに、リスニング練習に取り組もう!
今回は英検2級リスニングの解き方と、正答率80%以上を獲得するための勉強法をお伝えしました。
問題を解いて丸付けをし、理解して満足してしまう。
これだとリスニング力は上がらないということをご説明しました。
ぜひ、今回お伝えした、シャドーイングや音読などの練習に繰り返し取り組んでみてください。
そして、英検本番が近くなったら、「英検直前!読むだけでも点数が変わる対策記事まとめ!(5級・4級・3級・準2級・2級・準1級)」を読んで直前の対策を実施しましょう。
そうすれば、準備は万端です。ぜひ、英検2級合格を勝ち取ってください。
もし、
「英検2級を受験予定だけど、どう対策していいのかわからない…」
「英検2級リスニング対策に取り組んでいるけど、正しい学習法で取り組めているのかよくわからない…」
「英検2級にどうしても受からない…。受かるために今からできることって何…?」
とお悩みであれば、是非一度、私たちESL clubにご相談ください。
ESL clubでは、小学生から高校生まで、英検対策が可能です。
→小学生で英検2級にも合格できるESL club小学部はこちら
→英検、TOEFLから英語難関大学受験まで対策できるESL club高校部はこちら
どんな些細なご相談でも大歓迎です。是非、お気軽にご連絡ください。