バイリンガル講師に聞いてみた(後編)「アメリカと日本の高校、どっちがおすすめ?」

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ESL clubのバイリンガル講師 野々垣 彩香(ののがき あやか)先生へのインタビュー後編です。

前回に引き続きアメリカ留学で感じたこと、留学後に起こった変化などを伺いました。野々垣先生のおすすめは、アメリカと日本、どちらの高校なのでしょうか?

 

アメリカ留学で感じたこと④「授業が選べる&先生との距離が近い」

—前回の記事では、アメリカと日本の高校の授業内容や、生徒の積極性、クラスの雰囲気などについて伺いました。他にもアメリカ留学で感じたことはありますか?

アメリカは授業が自由に選択できるので、好きな授業を受けることができて楽しかったです。

 

—授業が選択できるというと?

日本の高校は、学年ごとに1年A組、2年B組などとクラスが分かれているのが普通ですよね。1年A組の人は(授業の難易度によってクラス分けはあっても)、基本的にみんな同じ時間割なので、同じ時間に同じ科目の授業を受けます。1年A組の英語の授業に2年B組の生徒が混じることはありません。また、受験に必要な国数英などの主要科目の学習が中心で、自由に選べる科目はそこまで多くありません。世界史か日本史を選べる、などはありますが。

 

—そうですね。日本はクラス単位で授業が決まっていて、選択科目は少ないです。

一方アメリカの高校は、学年やクラスというはっきりとした枠がなく、例えば数学の授業に1学年上の生徒が混じっていることもよくあります。また、科目が必修科目と選択科目の2種類に分かれており、時間割が生徒によって異なります。日本の大学みたいなイメージですね。

 

ただし主要科目に関しては、外国語や経済を2年生のうちにとらなければいけない、国語は毎年とらないといけないといったルールがありました。主要科目の授業の難易度は、自分の希望と習熟度によって選ぶことができます。本人が緩くやりたいと思ったら簡単な授業を受け続けることもできますし、その逆もできます。といっても、先ほど言ったように、そこまで難しい授業はなかった印象ですが。

 

 

選択科目には合唱や演劇、吹奏楽やカラーガード(フラッグ、ライフル、セイバーなどを使って、音楽を視覚的に表現する競技)などの芸術系科目がありました。それらがクラブ活動ではなく授業の一コマとして存在することに驚きましたね。

 

—同じ高校に通っていても、学ぶレベルや内容が個人によって違うのですね。

なのでアメリカでは生徒間の学力の差が日本よりも大きかった印象です。自分が興味関心のあることを自分のペースで学ぶことができるのは利点だと思いますが、生徒全員に特定の教科において一定以上の学力をつけさせたい場合は選択制は不向きかもしれませんね。

 

ー野々垣さんはどんな選択科目を取っていたのでしょう?

私は合唱を選びました。友だちも合唱の授業でできました。合唱は2限目だったので、そのまま昼休みに友だちと合唱の先生の部屋で一緒にご飯を食べたりしていました。

 

そういえばアメリカでは、先生との距離が近いことも日本とは異なる特徴だと思います。生徒が誕生日プレゼントあげたり、全ての授業が終わると先生から手紙貰ったりすることが頻繁にありました。

 

—先生との距離が近くなるのはなぜでしょうか?

時間割が影響していると思います。私の留学していた高校は2ブロック制で毎日同じ時間割でした。

 

—毎日が同じ時間割?1限が国語だとしたら、月から金まで毎日1限が国語ということですか?

違和感がありますよね(笑)。必修科目と選択科目を合わせて4つ科目を選び、そのブロックの間は毎日時間割が同じです。つまり毎日4限までしかありません。1コマ何分かははっきり覚えていませんが、2コマ終わってお昼だったので80分くらいだったかなと思います。授業には30人ほどが出席していたと思います。

 

この日本とは異なる時間割が、先生との距離が近くなる理由だと思います。毎日同じ時間に同じ先生と会い、1ブロックで4人の先生としか関わらないとなると、自然と仲良しになっていきます。

 

私が選択していたコーラスのような芸術系の選択科目は先生との距離が特に近かったです。課外活動で芸術系のクラブに入ると顧問の先生が授業の先生と同じになるので、さらに仲良しになりますね。私もコーラスの先生をはじめ、数学や科学の先生にも非常に可愛がってもらいました。

 

アメリカでは大学入学のために先生からの推薦状が必要なので、余計に先生との距離の近さが重要なのだと思います。先生との接し方も日本よりだいぶフランクでしたね。

バイリンガル講師に聞いてみた(後編)「アメリカと日本の高校、どっちがおすすめ?」

アメリカ留学で感じたこと⑤「課外活動がバラエティ豊か!」

—授業について伺ってきましたが、課外活動に関してはいかがでしょう?

クラブが豊富にあり、複数に所属しても大丈夫だったので、自由に楽しんでいました。私はホームステイをしていたので、課外活動にたくさん時間をかけることはできませんでしたが、それでもコーラスや演劇の裏方をやったり、ヒストリークラブにも入ってニューヨークに旅行したりしていました。クラスではあまり話す機会のない生徒たちと交流することができたので友人の輪が広がりましたね。

 

—特に印象に残っていることはありますか?

コーラスの課外活動ですね。各イベントに向けて友だちと練習を頑張っていました。アメリカの大学入試では課外活動やボランティアの経験も重視されるので、何かしらのクラブに参加する人が多かったです。近くに観光スポットとなっている豪邸があり、クリスマスにそこの大広間でコーラスを披露したのが良い思い出です。

 

変顔ができるようになった!?アメリカの高校へ1年留学して感じた変化とは

—アメリカの高校に1年間留学し、変わったことは何だと思いますか?例えば性格などに変化はありましたか?

性格でいうと、ちょっとノリが良くなったと思います。留学前は友だちに「変顔して」と言われても何をしたら良いのか分からなかったのですが、帰国後は余裕でできるようになりました(笑)。

 

—え?それはなんでですか? 

向こうの友だちってよく変顔するんですよ。私の携帯を使って勝手に変顔を自撮りしているんです。気づくとカメラロールが友人の変顔で埋まっていることがしょっちゅうなんです。それを見ているうちに変顔へのハードルが下がったのかもしれません。

 

日本の友だちには「テンション高くなったね」と言われました。あとは留学で少し太ったからか、「健康そう」「元気そう」とも(笑)。

 

 

—学力に関してはいかがですか?

もちろん英語力は上がったと思いますが、総合的な学力に関しては日本で頑張っていたクラスメイトより遅れた気がします。高校2年生のときに留学し、帰国したのが高校3年生の夏だったからというのもあるかもしれませんね。

 

—高校3年生の夏というと・・・。

そう、受験勉強真っ最中です!そんなときに私は変顔が得意になって帰ってきたんです(笑)。幸い英語が受験において武器になったので、希望していた大学の獣医学部に入学することができて良かったですが、遅れたぶんを取り返すため、必死に勉強しました。

 

おすすめしたいのは、アメリカと日本、どちらの教育?

—将来、野々垣さんにお子さんができたら日本と海外どちらの教育を勧めたいですか?

まだ子どもがいないですし、本人の希望や向き不向きがあると思うので断定はできませんが、今のところは子どもが育つ環境としては海外の方が良いかなと思っています。英語も話せるようになるし、のびのび育つのではないかと思うからです。

 

といっても、私自身は日本で受験を経験し、希望する進路に進むことができて満足しています。勉強も嫌いではなかったので、受験は良い経験になりました。日本はまだまだ学歴社会で受験が大事だとされているので、もし子どもが日本で生きていきたいと思うなら、現状の受験に向けた詰め込み勉強スタイルは仕方ないかもしれません。

 

欲をいえば、高校生活を楽しみつつ、学力もきちんと養われるような「日本とアメリカの良いとこ取りの教育スタイル」が日本で受けられるようになってほしいです。日本は良い国なので住み続けたいですから。

 

—やはり日本は良い国だなと感じますか?

治安も良いし、食べ物も美味しいし、どこにいっても丁寧なサービスも受けられるという意味で、良い国だと思います。以前は海外の大学に進学することも考えていましたが、留学で日本の良さを再認識したことで、日本の大学に行くことを決めました。今後、海外で働くことも視野には入れていますが、どうなるかは分かりません。

 

—英語が話せることで将来の活躍のフィールドが広がりますね。

それは強く感じます。英語を理解できれば世界が広がります。大学で論文を読む時も英語なら最新かつ幅広い情報が得られますし、SNSを使う時も世界中の人と繋がることができ色々な話やネタも理解できます。

 

—野々垣さんのように幼少期から英語を話せるようになっておけば、のちのち有利なことが多いかもしれませんね。ESL clubのバイリンガル講師としても、そういった英語の大切さを伝えているのでしょうか?

そうですね。授業では英検対策をすることが多いですが、私は英検などの試験をゴールではなく、子どもの世界を広げるきっかけや手段だと捉えています。英検の勉強や宿題が大変と感じる子もいるかもしれませんが、英語の楽しさや長期的なメリットをうまく伝えてモチベーションを上げてあげたいですね。

「英語を学んでおいて良かった!」と思ってもらったり、英語を活用して何かを達成できるようになってくれたりしたら講師として非常に嬉しいです。

 

—素敵ですね!野々垣先生、本日はありがとうございました!

 

最後に、お話しいただいた内容をまとめておきたいと思います。野々垣先生がアメリカ留学で感じたことは以下の6つでした。

 

1.授業の進行ペースや内容は各先生によって異なるが、アメリカの授業は日本よりゆったりかつ簡単だった

2.アメリカは授業を含め、学校全体でイベントが多い

3.授業態度や授業への積極性は日本とアメリカで大きな差はない

4.アメリカの高校は、授業が必修と選択で分かれており、選択授業では芸術系など多彩な選択肢がある

5.アメリカの高校では、先生との距離が近い

6.アメリカの高校は、課外活動がバラエティ豊かで、複数のクラブに所属することが可能である

 

日本とアメリカの高校の違いを少しでも感じていただけたでしょうか?このインタビューが皆様の今後の進路選択の参考になれば嬉しいです。

 

(聞き手、執筆:佐野 友美)

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