バイリンガル講師インタビュー|ジョウ・コニー先生「めんどくさい英語の勉強を楽しむコツは、熱中できることを英語でやってみること」

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日本、カナダ、中国の3カ国で暮らした経験があるジョウ・コニー先生。英語を母国語とする彼女が、わずか2年で日本語を習得した方法とは? 効率的に、そして楽しく英語を習得するヒントが満載のインタビューを、お楽しみください。日本の英語教育に対する率直な感想や、英語学習のコツ、海外で暮らして分かったことなどたっぷり語っていただきました。

 

 

日本語で名前も書けない状態で公立小学校へ入学

—コニー先生はどこで英語を覚えたのでしょう?

カナダです。8歳まで住んでいたので。

 

—ということは、英語が母国語?

そうです。両親が中国からの移民なので中国語も少し理解できます。

 

—日本語はどうですか?

日本語は8歳か9歳で来日するまで、一切話せませんでした。

 

ー一切というと?

本当にゼロです(笑)。話せず、書けず、読めず、ちょっと聞けるくらい。自分の名前も書けない状態で、日本の公立小学校の4年生に入りました。

 

—日本語力ゼロからどうやって学んでいったのでしょう?

小学校にある日本語教室で学びました。「このひらがなは何と読みますか?」というゲームから始まり、日常会話、漢字の読み書きまで。それにしても漢字って難しいですよね。“有明”は何で“ゆうめい”ではなく、“ありあけ”と読むのでしょうか…。音読み・訓読みの違いにはすごく苦労して、「こんなのもう嫌だ、早くカナダに帰りたい!」と最初はよく思っていました。乗り切れたのは先生がとても優しく、根気強く教えてくれたおかげです。

 

—クラスの友だちとコミュニケーションをとるのは難しくなかったですか?

クラスにバイリンガルの子がいたので、最初はその子を介してクラスのみんなとコミュニケーションをとっていました。その子は小学5年生のとき転校してしまったのですが、そのときはけっこう話せるようになっていました。問題なく日本語が理解できるようになったのは、小学6年生のときです。

 

—2年で日本語を覚えてしまったのですね!卒業後は日本の中学校に?

はい、日本の公立中学校に入りました。

 

ワンパターンの表現しか教えない日本の英語教育

—コニー先生からみて、日本の中学校の英語教育はどうでしたか?

英語の使い方よりも、細かい文法を中心に教えていることに違和感がありました。私は文法を考えながら英語を話したことはありません。なので、「この単語は名詞、これは副詞」と覚えることで、本当に英語を話せるようになるのか?と疑問でした。友だちに「宿題教えて!」と言われて説明しているときも「こんなの別に、覚えなくても良いのに」と思うこともあって。

 

—では、日本の英語教育はどうしたらもっと良くなると思いますか?

先生の教え方がどうこうではなく、教える内容のバランスを変えたら良いんじゃないかなと思います。日本の教育はあまり実践を想定していない気がします。例えば「How are you?」と聞かれて「 I’m fine, thank you. And you?」と答えるのは間違っていません。でも、「I’m fine, too.」と返されたら、会話終了じゃないですか。

 

—たしかに。その後、どう続けたらいいか分からないです(笑)。

久しぶりに会った友人に「元気?」と聞かれたら、近況やその時の気分などを話したくなるはず。「Recently, I started〜」「I’m really upset because〜」など色々なパターンで返せるようになれば、話が続きますよね。日本の英語教育にも良いところはもちろんありますが、自分で表現する力を鍛えられないのはもったいないところだと思います。

 

—習ったことを使えるようにする練習をもっとした方が良いかもしれませんね。

実際に喋ってみて、たくさん間違えることで、相手の言っている意味が分かったり、自分の英語が通じる楽しさを感じることが大事ですよね。これは、誰もがなんとなく分かっているはずです。それなのに学校では、テストで良い点をとるために「これが名詞で、あれは動詞」と一生懸命覚えないといけない。これじゃあ、英語の勉強をめんどくさい、つまらないと感じても仕方ないと思います。

 

好きなこと、熱中できることを、英語を使ってやってみる

—英語の勉強をめんどくさがらずに続けるどうしたらいいのでしょうか?

基本的に言語の習得って地道な作業なんですよね。とにかくたくさん練習して、数をこなすことが、結局は近道になるんです。これは、小学校で日本語を習得したときに感じました。なので、面倒なことをいかに楽しんで継続するかが語学学習ではすごく大事です。おすすめは「学習したい言語を使って、好きなことをひたすらやり続ける」方法です。

 

—というと?

たとえば私は、ゲームがすごく好きなんです。そこで、日本語を覚えるために日本のゲームをずっとやっていました。当時流行っていた『ポケモン不思議のダンジョン 闇の探検隊』を買ってもらって、分からない言葉が出てきたらその都度聞いたり調べたりして日本語を覚えていったんです。あまりに熱中しすぎて視力は少し下がってしまいましたが、短期間でかなりの日本語力を手に入れることができました。

 

 

ーなるほど、自分が熱中することを英語でやれば良いんですね!

そうですね。英語を勉強するというより、英語を使って何かをする方が実践的な英語を覚えられると思います。海外ドラマを観たり、海外の小説を読んでみたりするのも良いですね。私も子どものときは日本のバラエティをよく観ていました。みんなが笑っているのに、自分だけ意味が分からないという悔しさが良いモチベーションになっていた気がします。

今はフランス語を勉強中なのですが、日本の漫画の仏語バージョンをスマホの辞書片手に読んだりしています。

 

—英語を勉強するのが楽しくなりそうですね。

「楽しい」というのはすごく大事だと思います。私は日本の中学校であまり楽しめない英語教育を見てきたので、余計にそう思うのかもしれません。今はESL clubの講師として子どもたちに英語を教える立場なので、「英語ってもっと楽しいんだよ!英語が話せたらすごく楽しいことがあるよ!」と伝えることを大事にしています。

 

—ESL clubには英検合格を目標にしている生徒が多いと思うのですが、どんな風に楽しさを伝えているのでしょう?

一番わかりやすいのは、問題が解けたときの楽しさですよね。達成感は楽しさにつながりやすいと思います。あとは、問題そのものを楽しむこともできます。

 

英検のリスニング問題って、選択肢に全然違う答えが混ざっているんですよね。例えば「昨日テレビで何を観ましたか?」という設問に対し、1. 公園でサッカー 2. ニュース 3. 妹のゲーム 4.サリーと遊んだ みたいな。「4.サリーと遊んだ」は明らかに文脈と合わないので、「なんだこれ?」となるじゃないですか。こういうクスッと笑えることを見つけられれば、試験勉強の息抜きにもなると思うんです。

 

—コニー先生の授業はとても楽しそうです。生徒たちの英語や海外に対する興味・関心は高いのでしょうか?

「何のために英語を勉強しているの?」と聞くと、「英検合格のため」と答える子が多く、「海外に行きたいから」という子は少数ですね。小さい子だとたまに「親に言われたから」と答える子もいたり。でもそれって、ちょっともったいないですよね?なので、「海外ではこういうことができるんだよ、面白そうじゃない?」とか「英語という能力が身につくのはけっこう凄いことなんだよ」と伝えるようにしています。

 

—英語や海外にポジティブなイメージを持ってもらうようにしているんですね。

そうですね。以前「外国で働きたいですか?」という質問がライティングの課題で出たとき、「海外は危険だから働きたくない。日本の方が安全」と答える子がいて、視野を広げてあげたいなと思ったのがきっかけです。海外は日本に比べると危ない場所もありますが、日本だと体験できない面白いことも海外にはたくさんあるので。

やりたいことはなんでもできる。自主性を重んじるインターの教育

—海外生活ってどうですか?

めちゃめちゃ楽しいですよ。私は日本の中学校を卒業後、中国のインターナショナルスクール(以下、インター)に進んだのですが(※)、「自由に何でもできるという環境」はインターの良さだと思います。

 

※コニー先生がインターに通っていた当時の話は「【対談】授業、宿題、テスト…日本と海外の高校はどこが違う?バイリンガル講師が比べてみた」でご紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

 

—海外の学校やインターってそんなに自由なんですか?

中学生や高校生でも、自主性があれば何でも自由にできると思います。例えば先生に「何かお手伝いできることはありますか?」と聞いてちょくちょく仕事を手伝っていると、TA(Teaching Assistant)を任されることもあります。また、私もやっていたのですが、図書館で「ボランティアさせてください」と頼めばやらせてもらえたりするんです。

 

—日本でも風紀委員や保健委員がいますよね。

そうですね。ですがインターでは委員会などはなく、生徒が自主的に仕事を見つけてやる感じなんです。他にも、顧問になってくれる先生を見つければ、生徒が自由にクラブを作ることもできます。私は友だちと一緒に料理クラブを作りました。

 

ちなみにクラブは複数参加できるので、スポーツも芸術も気軽に経験することができます。クラブ以外でも、高校が運営しているミュージカルや孤児院ボランティアに参加したりと、課外活動はとても充実しています。高校生活を謳歌したい人には、海外の高校やインターはかなりおすすめですね。

 

海外で暮らした経験があるからこそわかる、日本の良さ

—日本、カナダ、中国と3カ国で暮らした経験のあるコニー先生が考える、海外生活を送るメリットとはどんなことでしょうか?

 

「他」を知ることで、自分にどれが一番合っているのか分かることですね。私はカナダで生まれ、小・中学校は日本、高校は中国のインター、大学は日本という経験をしてきて、それぞれの国の文化を肌で感じ、良いところ悪いところどちらも見てきました。どんなことでもそうですが、人は知らないことからは選べません。なので、子どもの頃にいろいろな世界、価値観、考え方などを知ることができたのは、ラッキーだったと思います。

 

—そんなコニー先生が自分に合うと思う国はどこでしょう?

いろいろなところで暮らしてきた結果、住むならやっぱり日本かなと思っています(笑)。

 

—日本のどこがいいのでしょうか?

暮らしにかかるコストと生活満足度を考えると、日本が最高なんです。カナダは比較的給料が低めで、遊ぶとなったら「モール」「友達の家でパーティー」「大自然に行く」の三択しかないんですよ(笑)。アメリカは給料は高いけど、そのぶん生活費も高い。カナダ人の私は、バイトをするためのビザをとりにくいという問題もあります。

 

それに比べて、日本は家を出たら数分でコンビニがありますし、サービス精神に溢れた人が多く、街は綺麗で、食べ物は安いのに美味しく、チップも必要ない。生活するうえでこれほど暮らしやすい国は、なかなかないと思います。今のところは日本で暮らしたいので、将来は日本の外資系企業で働きたいと思っています。

 

英語を間違えた時は「だって日本人だから」と言い訳すれば良い

—日本しか知らないのと、他の選択肢も知って日本を選ぶのとでは全然違いますよね。

そうなんです。選択肢を広げるためにも、ESL clubに通っている子どもたちには、海外に行ってもっと広い世界や、別の世界を体験してほしいと思っています。

 

旅行でも良いですが、やはり実際に生活して英語を使ってもらいたいですね。間違えたら恥ずかしいとか思うかもしれませんが、「外国人だからしょうがない!」と言い訳したっていいんです。失敗を恐れて黙ってしまうより、たくさん喋ってどんどん間違いを指摘してもらった方が絶対に身につきますから。私も「日本語間違っているよ」と言われたときは「だってカナダ人だから」と笑って、気にせず話し続けてました(笑)。一回ミスしたことを繰り返さないようにすれば良いだけの話で、全然恥ずかしいことじゃありません。

 

—「間違いを恐れない」というのが英語学習のコツということですね。では最後に、ESL clubの講師としてのコニー先生の目標を教えてください。

できるだけ多くの生徒が自分の目標を達成できるようにサポートしていきたいと思います。テストで良い点をとれるだけではなく、英語を使えるようにさせてあげられたらいいですね。

 

—コニー先生、本日は貴重なお話をありがとうございました!

(聞き手、執筆:佐野 友美)

 

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